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あちらも出て来ますね

 安いBMWの後部座席からも人が降りた  70ぐらいの長身の黒眼鏡でグレーのスーツを着た長身の老人髪は薄い

黒森御名穂です

 ミナホ姉さんが、老人に名乗った

松下ヒロキだ

 松下老人も名乗った

今夜はわざわざお出で下さいまして、ありがとうございます

 ミナホ姉さんは、そう言うが老人に頭は下げない

私に特別の話をしてくれるというから来てみたんだ

 ミナホ姉さんは、松下老人に製薬業界のヤバイ話を教えるという名目で、この場に呼び出している  ドラッグストア・チェーンの経営者なら、絶対に知りたがるような情報を教えると

しかしどういうことなんだあんたは、私に一人で来いと言っただから私はまあ、運転手に運転させて来たが、秘書も連れずに一人で来た

 松下老人のBMWには運転手が乗ったままだ

エンジンは掛けたままですね

 木下さんの言う通りBMWは、松下老人が飛び乗ったら、すぐに発進できる状態になっている  松下老人も、車のドアを開けたままにしている  ミナホ姉さんもドアを閉じていなかった  オレたちの車列は香月セキュリティサービスの護衛車も含めて、全てエンジンを止めていない  やはり、いつでも走り出せる態勢になっている

あらわたしは一人で行くなんて言っていませんわ

 そう言ってミナホ姉さんは、静かに車のドアを絞める  その瞬間ミナホ姉さんの乗って来たベンツ、オレたちのリムジン、香月セキュリティサービスの護衛車の全てが同時にエンジンを切った  地下駐車場が静かになる  松下老人の車のエンジンだけが、ドゥドゥドゥと音を立てている

わたしのことどういう風に聞いていらっしゃいます

 ミナホ姉さんが松下老人に問う

裏の世界の人間だと聞いているよお友達は、怖い人ばかりだとね

 松下老人は、そう答えた

そうでもないですわ確かに、わたしは裏の人間ですけれど、わたしの顧客は皆さん表の世界の方たちですから

だから、松下さんに特別な情報をお知らせすることもできます裏と表両方のルートからの

それは有り難いね有りがたいが、私はまだ、あんたを信用するわけにはいかない

 松下老人はオレたちのリムジンを指す

あんたは、誰を連れて来たんだそれは、あんたが話してくれるっていうことに関係する人なのかね

 ミナホ姉さんだけが、秘密の情報を売りに来ると思ったのに  豪華なリムジン車と護衛の車3台が一緒に来たんだから警戒はする

こちらの方は、また別のビジネスですわわたしにとっては

今お話した通りわたしは表の方たちとお取引きさせていただいておりますから

裏の人間ではないのだな

裏の人間は、こういう車には乗らないですわこういうのは表の方だけです

 わざわざ派手過ぎるリムジンを用意したのはこういう理由か  松下老人は、ミナホ姉さんが裏の人間だと知っているから  他の人間を連れて来たらその人たちも裏の世界の人間だと考えてしまう  だから、わざと高級すぎるリムジンみたいな車にして、松下老人の警戒心を下げることにしたんだ  確かに、暴力団やヤクザの親分が乗ってくるような車じゃない

とは言え表の人間が、こういう車に乗るのかね

 松下老人は言う

名家の方ですから

 ミナホ姉さんの言葉松下老人はと反応する

香月家の方をご案内致しました

 ミナホ姉さんが、そう言うとミナホ姉さんのベンツから、チェーミン幸田に変装したキョーコさんと  運転席からは翔姉ちゃん  翔姉ちゃんが、運転してたんだ  二人が車から、降りてくる

香月セキュリティサービスの関です一度、ご挨拶をさせていただいことがございますが覚えていらっしゃいますか、松下様

香月世界文化交流センターの幸田と申します

 二人が、品良く挨拶する

香月いや、確かにあんたは

 翔姉ちゃんはジッちゃんの専任警護人だったし  日本どころか、世界中の政財界の人たちとコンタクトして来ている  パーティや会合なんかに来る人の顔と名前と役職は全て暗記しているから  どこかの機会に、松下老人と会っていてもおかしくはない

しかし、まさかこんなところに香月氏が来られるわけが

 翔姉ちゃんの登場に松下老人は、リムジンに乗っているのがジッちゃんだと勘違いしたようだ

はいそうではございません閣下ではございません

閣下では、ございませんが香月家の方でございますそして、もちろんこちらのお方が、今夜、松下様にお会いするということを閣下はご存知でいらっしゃいます

 ジッちゃんの承認を受けていることを伝える  松下老人は、数秒オレたちのリムジンを見てから

おい、エンジンを切れ

 自分のBMWの運転手にそう命じる

香月家の方に失礼だ

 BMWもエンジンを止めた  地下駐車場の中がシンと静まり返る

ドラッグストア・チェーンの創業者なので名前はマツシタ・ヒロキ

松下という名前は、昔の知り合いから取ったんですが

何でドラッグストア・チェーンの社長にしたんだろ

2年以上前のことだから覚えていません

死んだ母の会社は帰って来ない貸付金を消すために清算しないといけないのですが

それでもわずかですが収入のある事業もあるので、代わりに新会社を作らないといけなくなりました

母の会社は30年以上前に設立したから株式会社ですけれど

今度のはお手軽に合同会社で

そんで、今日、会社の実印を作りにハンコ屋さんへ行きました

会社の印鑑がないと会社が作れないんですよね法務局に登記できない

そんで法務局に会社と会社の実印を登記してようやく銀行に会社の口座が作れる

何かまだまだ新しいことを経験しなくちゃいけないんだなと、日々、困惑してます

1424.次のミッション/普通の感覚

・黒森御名穂/28歳黒森家当主犯罪組織黒い森のリーダー家族の長姉公あるいは良信

・キョーコ・メッサー/年齢不詳国際的犯罪者異常なまでに強い同性愛者黒森家の父親役現在チェーミン幸田に変装中

・松下ヒロキ/76歳松下姉妹の祖父大手ドラッグストア・チェーンの創業者社長

 大型リムジンの中から祖父の姿を見て、松下真樹さんと美樹さんの姉妹は震えていた  その顔には明らかに怖れの影が見えた  オレはそのことに、疑問を持つ  何で、こんなに自分の祖父を怖がっているんだ  さっき松下姉妹は祖父と和解したいと望んでいた  親族の情を感じている相手に対して、こんなにも怖がるなんてことがあるんだろうか

兄さんは、判らなくなってしまっているんです

 ルナがオレの心を読んで、そう言う