Выбрать главу

 チェーミン幸田は、すぐに松下老人に言い返す

それがおかしいと言っているんだ私の孫娘たちがそんな特別な支援がもらえるような才能を持っているわけがない

なぜ、そう言い切ることができるのですか松下様はお孫様たちの音楽的な才能を審判なさることができるぐらい、音楽のことを理解なさっておられるのですか

 言葉で追い詰めていくチェーミン幸田

それは私が、そんなに音楽に詳しいわけがないだろう

 瑠璃子がスッと、松下老人を見る

わたくしも、奨学生の選定ができるほど音楽に詳しくはございませんですから、香月世界文化交流センターの専門家の皆様にご判断していただきました

専門家の方たちの審査で真樹さんも美樹さんも、香月世界文化交流センターの奨学生となるのに相応しい人材であると認められたのですわ

しかし私の孫だぞ私の血を引いている娘が、音楽の才能なんてあるわけがない

 松下老人の論拠は、もうメチャクチャだ

だいたい奨学金とか人の金をアテにするという行為自体を私は軽蔑するそんなものは自分で額に汗して働いたことのない人間の発想だ音楽なんて遊びだぞ、下らないお遊びだ名家のお嬢様に、こういう話をしてもムダだろうが

 まり子が冷たい眼で、松下老人に言った

これ以上、貴方とお話するのは時間のムダだと思いますわ

では松下真樹様、美樹様の奨学生認定につきましてはこのまま進めてしまってよろしいですね

 チェーミン幸田が、瑠璃子に言う

おい、待ち給え祖父の私を無視して、勝手なことをするなッ

 激しい怒声で、再び松下老人が叫ぶ

あら、どうしてです

 キョーコさん扮するチェーミン幸田が、ニヤリと笑った

どうしても何も私は、そこに居る娘たちの祖父なんだぞッ

 松下老人は、さらに声を荒げるが

はいはい、確かにお祖父様ではいらっしゃられるようですが

 チェーミン幸田は

しかし、松下真樹様、美樹様の親権者では、ございませんね

 シンケンシャ

お二人の親権は、お母様がお持ちです祖父の松下様はお持ちではありません

 チェーミン幸田は言う

わたくしは、真樹様、美樹様のお母様につい先ほど、特別奨学生の件で、ご連絡をさせていただいきました

 松下姉妹のお父さんは、病気で急逝している  だが、お母さんは体調を崩していると聞いたが、まだ生きている  その母親に電話した

それでお母様は

 松下姉妹が、幸田に尋ねる

お二人のお母様にはわたくしが、お電話する前に、すでに真樹様の学校や、美樹様がレッスンを受けていらっしゃる先生から香月世界文化交流センターの奨学制度についてお電話があったそうですわそれらの先生方には、審査の時にお二人に奨学制度が適用されるかもしれないということをお話してありましたのでですから、奨学生の存在は、すでにご存知でした

 事前に奨学制度の内容や、松下姉妹が審査対象になっているということを姉妹のお母さんは、他の人から聞いて知っていた

そして、お二人のお母様はわたくしに

松下真樹様と美樹様お二人が、今後も音楽の勉強を続けたいという強い意志をお持ちであるならお二人の意志を確認してその上で、ぜひとも奨学生制度を受けたいとおっしゃっておられましたよろしくお願いしますと

 チェーミン幸田はそう言う

母親としてお二人が夢に向かって、精一杯頑張って行かれるのなら、全力で応援したいとおっしゃっておられました

お母様ありがとう

 姉妹の眼に涙が溢れる

私は私は認めないぞ音楽は絶対に続けさせない

 松下老人は、断固としてそう言うが

残念ながら松下様には、関係の無いことですわ

 チェーミン幸田が、冷たく言う

関係ないわけがないだろう私は祖父だぞ

祖父だからといって松下様が、真樹様、美樹様の人生を決めることはできません

しかし、私は

そんなことはできないと、申し上げております

 見た目は老女でも、中身はキョーコさんだから内側から発する強い気に、松下老人は圧倒される

では、なぜ、君たちは私をここに呼んだんだ皆で、私を笑いものにするためか私から、孫娘を奪い獲るためか

 松下老人は、怒りの矛先をオレたちに向けた

これが名家のやることかね名家の人間というのは、こんな風に人を小馬鹿にするのかふざけるなっ

わたくしが、今日、ここに来たのは

 瑠璃子が静かに言う

お祖父様に、松下ヒロキという方が、どのような人物なのか自分の代わりに見極めてくるようにと命じられたからです

 瑠璃子は最初に、松下老人に告げている  自分はジッちゃんの名代であると

今のご様子ではお祖父様には、松下ヒロキという方には、狭量な人物であったと報告することしかできませんとても残念ですわ

 瑠璃子は穏やかに言う

そ、それはわ、私を脅しているつもりかね

 松下老人は、動揺している

瑠璃子様は貴方のそういうところが、心が狭くて、人間が小さいとおっしゃっているんです

 松下老人は、今度こそ口籠もる

でも、ここまで黙って聞いてきたけれどわたくしには、どうしても判らないわ公、松下様はどうしてこんなにも意固地に、真樹さんや美樹さんが音楽を続けることに反対しているのかしら

香月世界文化交流センターの専門家が、特別奨学生になるだけの才能があるって認めたのよ普通なら、真樹さんたちのお母様みたいにありがとうございますよろしくお願いしますってなるものでしょ真樹さんたちの才能が、高く評価してもらえたってことなんだから

 娘のことを高く評価してもらって嬉しく思わない親族はいない

それなのに何が何でも絶対反対音楽を続けるのは、絶対に許さないなんて、意味が判らないわ

判らないからだよ

 松下老人を見て答える

松下さんは音楽のことが、判らない自分では、真樹さんや美樹さんの音楽の才能が理解できないだから理解できないものは、認められない

 それで姉妹が音楽の道に進むことを、止めさせようとしている

それって勝手過ぎない自分が価値が判らないからって、真樹さんたちに人生を自由に選ばせないなんて

 まり子は、真っ直ぐな性格だから松下老人への怒りを隠さない

そういうことだけじゃないと思うよ

 キョーコさんがチェーミン幸田として、色々話してくれたから  オレは客観的な立場で、松下老人のことをジックリ観察することができた

怖いんだよ判らないから