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松下さんも、本心では真樹さん、美樹さんと仲良くしたいんだよでも、音楽のことは自分は理解できないから、判らない自分が理解できないことをに、孫娘たちが人生を掛けることに抵抗を感じるし孫娘たちと共通の会話ができないことも怖いとにかく、怖いんだ

孫娘たちから音楽を奪い獲ったら自分の判る世界で、会話ができるそういうことだよ

確か、松下さんは真樹さんに音楽科の高校を辞めて、普通の高校へ移って、将来は薬剤師になれとか、ドラッグストアのお店をやれとか言ってたろそれだってさ、そういうのが松下さんにとっては自分の得意分野だからさ孫娘と話すことがたくさんある教える立場で、上から色々話せるお互いに話をすることができる共通分野を持つことが出来るそういうことなんだと思うよ

 松下老人は真樹さんたちに音楽を止めさせ

何それ心が狭過ぎるわよ器が小っちゃ過ぎだわ

 まり子が呆れた眼で、松下老人を見る

富野監督のアニメ作品だと小悪党とか心の狭い男とかセコイ男とか

そういうオジサンキャラがたくさん出て来るのですが

ガンダム00ぐらいになると、作っている人たちはお父さんたちは毎日、頑張っているんだよという意識があるから

見た目の悪いオジサンキャラも、みんな必死で頑張ってる人に描かれていて

世代によって、描き方が違うんでしょうが私はセコイ人も好きです

鉄血のオッサンは、カッコ付けだけで血の通ってない中身の無い人物ばかりでしたが

1426.次のミッション/音に解ける

き、君たちこそそうやって、私を責めて楽しいのかね

 松下老人は、オレたちを睨む

何の苦労も知らない子供のくせに私は、たった一人で小さな薬屋を始めて、それを今では、全国に1500店舗にまで増やしたんだぞ

 そういう話をこの場でされてもと思うが  こういう話しかできないんだろうなこの人は

そこまで到達するには君たちなんかでは、絶対に想像ができないような苦労をしてきたんだ人に裏切られたことも、ダマされたことも何度もある倒産するかもしれないという様な危機も、何度も経験しただが、私はたった一人で全ての苦難を乗り越えてきたんだ

 必死に松下老人は語っているがオレたちは、冷ややかな眼で見ている

私がやっているのは実業だ現実と戦って、現実の中で血と汗を流して自分の存在を確立していく実のある仕事だ音楽なんていう虚業とは違う

何がおっしゃいたいのか、よく判りませんわ

 キョーコさんが変奏しているチェーミン幸田が、せせら笑う

そりゃ判らないだろう君たちみたいに名家という巨大な力に縋って生きているような人間には私は松下ヒロキだ私は私一人の力で私自身の力だけで大地に立って生きている君たちとは、違う

 松下老人は喚き散らす

君たちに私の人生が私の苦労が、判ってたまるかッ

そんなの判らないですし判りたくもありません

誰だって、人の人生を全部理解するなんてことはできませんから松下さんだって、オレや瑠璃子の人生は判らないでしょうし

当たり前だ金持ちの息子や娘の人生なんて私の知ったことではない

でも、オレたちは対話する相手について理解しようとする努力はしますよどんな相手に対しても

香月セキュリティサービスのことだから松下さんについても、詳細な調査をしてあるんだよね

もちろん調査しています

まずは、松下さんが薬屋を始めるまでのことを教えて

 翔姉ちゃんはタブレット端末を取り出して、調査報告書を読み上げる  本当は全て暗記しているんだろうけれど松下さんみたいな人の前では、きちんと読み上げているという形で報告するのが、香月セキュリティサービスの流儀だ

松下ヒロキ様本名、松下ヒロキチ大分県生まれ中学卒業後、集団就職で上京大手製薬会社の薬品工場で働きながら、夜間高校を卒業勤めていた製薬会社より奨学金を得て、アサノ大学の薬学部に進学

あなたも奨学金を貰ってたんじゃない

 まり子が、突っ込む

大学卒業後奨学金を受けていた製薬会社に入社するが、社内での人間関係が上手く行かず4年で退職故郷の親戚の援助を受けて、1975年にくすりのマツシタヒロキの1号店を開業

 翔姉ちゃんは松下老人の過去を読み上げていく

その続きも聞きたいな

はい1977年にお見合いで結婚した後奥様の実家の援助で、1981年に2号店を開業その後、都市型ドラッグストアとしてチェーン店を増やし、バブル好景気に乗り、1988年までに国内に300店舗にまで拡大1998年に500店舗に到達し、東京証券取引所1部上場現在まで1500店舗にまで事業を拡大現在に至る以上です

奨学金に、親戚の援助奥さんの実家からも助けられてますしお店をどんどん拡大していった時期だって、きっと色んな人に助けてもらってますよね

 松下老人がさっき語ったように自分1人だけの力で、ドラッグストア・チェーンを大きくしたのではない  どんな時だって、誰かから助けてもらっているばすだ  口籠もる松下老人

それも調査報告には書かれています松下様の交友関係や、どういう方たちに支援されてこられたかも全て

 松下老人の会社は大きいから普段から、香月セキュリティサービスの調査対象に入っているんだろう

松下様と裏の方たちとのお付き合いはわたしが知っているわ

 ミナホ姉さんがそう言って笑う  松下老人は、ミナホ姉さんに釣り出されて、ここへ来たのだから

仲介者を通じての情報は、ミナホ姉さんが握っている

松下さんも、人に助けられてこられたんですそれなら、松下真樹さんや美樹さんが、香月世界文化交流センターの奨学生になって援助を受けることが、どうして悪いことだと言えるんですか

違う私が若い頃に受けた奨学金と香月家の奨学金は

何も違わないですどちらも、若くて夢と才能がある人を援助するものです松下さんだって夜間高校での成績が良くて、もっと勉強したいという気持ちが認められたから、奨学金を貰うことができたんでしょうお店を開店する時も松下さんの夢に、親戚の人が助けてあげたいと思ってくれたから、お金を貸してくれたんじゃないですか

 人は絶対に1人では生きていない  どんな時でも、誰かに助けられている

真樹さんと美樹さんも同じです香月世界文化交流センターの審査の人に、音楽の才能を認められたから奨学生になることができるんです松下さんのと、同じですよ

いや違う

 松下老人は

音楽なんて勉強したって必ず成功するものでは、ないだろう人生をかけて長い時間を音楽に費やして、それでも音楽で食っていくことができない可能性はあるだろうそういう芸術家くずれは幾らでもいる失敗するかもしれなようないい加減な世界に、私は自分の孫娘を送り込みたくはない