Выбрать главу

そうじゃない子も、たくさんいると思うの真樹が奨学生になったことを羨ましがる子は絶対にいるわ妬まれるだろうし、意地悪されるかもしれないわたしたちの居ないところで、酷いことを言われるかもしれない

そうね学費も生活費も貰えて、今後の真樹の音楽活動を全て香月世界文化交流センターがサポートして貰えるんだもの妬む人があらわれるのも当然でしょうね

 まり子が呟いた  真樹の他にも、音楽科高校の中には経済的に厳しい状況の中で、音楽の勉強をしている子たちが何人もいるんだろう  オレたちが真樹に対して行う援助は普通の奨学生制度のサポートを超えているから  羨望も嫉妬もされるそれが、嫌がらせに繋がる可能性もある

わたしも麗華お姉様の親戚ということにして貰って

もちろん、そのことは、とても嬉しかったわわたし前は、ずっとお母さんと2人きりだったから麗華お姉様みたいな素敵なお姉さんが、学校のみんなにわたしを親しい存在だって話して下さったのは嬉しかったし、感謝しています

 茉莉花はお屋敷の元娼婦のお母さんと子供の頃から、ずっと2人だけで暮らしていた

だけど学校の生徒たちの中には、麗華お姉様に個人的に会わせろとかサインを貰って来いとか毎日、わたしに付きまとってくる子も現れるようになりました逆に、あからさまにわたしに意地悪をしてくる子も

うん知ってるわわたし、見ていたから

 真樹がそう言う

でも、毅然とした態度でわたしが、いつでも常に気を引き締めて、対処していかなくてはならないのよわたしが他の子に笑われるようなことをしてしまったら麗華お姉様に迷惑が掛かることになるから

 茉莉花に迷惑なことを仕掛けて来る相手と大きなトラブルを起こしてはいけない  そんなことになったら、親戚のレイちゃんの評判にも傷を付けることになると茉莉花は感じている

茉莉花のピアノが、最近、張り詰めた感じになっていたのはそういうことだったのね

 真樹の言葉に、茉莉花は

張り詰めて前より悪くなった

いいえ前よりずっと良くなったわ凛として気品のある音でああ、判ったわ

 真樹は、まり子や瑠璃子たちを見る

姉妹の皆さんからの影響もあるのね気品のある人たちの家族になったから茉莉花の音も、変わったんだわ

わたしの音が良くなったのなら真樹のピアノだって、今よりも良くなるわ

うん、そう思うわたしのピアノも変わるわずっとずっと良くなる良くならなきゃいけないのよそうでないと

 真樹はオレを見て

公くんの家族にしてもらった意味が無いものわたしが奨学生になったことを妬んだり、嫌がらせしてくる子をピアノの実力で圧倒して黙らせないといけないのね

わたしもよ真樹だけピアノが上手になってもダメなのよわたしも上達しないと、真樹が笑われる御名穂さんや、まり子ちゃんや、瑠璃子ちゃんや、家族のみんなに公くんに恥をかかせることになっちゃうから

なるほど、わたくしたちの家族に加わるということの意味を、ジャスミンちゃんも真樹ちゃんも、しっかり理解しているのね

 オレは判っていなかった  オレはアニエスを学校に入れる時に、ルナやコヨミちゃんや可憐と同じクラスになるようにして貰った  それはアニエスが、クラスの中でのイジメにあったり、孤立するのが怖かったからだ  最初から数人のグループになっていれば、イジメを仕掛けられる可能性は減る  そう思っただから  しかしアニエスたちと同じグループにしたはずなのに

可憐は、アニエスやルナたちが近くに居ない時間を狙って、水島家の分家の娘からイジメを受けていた

 その件で、オレは明日、可憐と水島家に乗り込むことになっている  そんな実例が、身近にあったのに  オレは茉莉花たちの学校生活のことを考えていなかった

ああ、段々判って来たわ

つまりジャスミンちゃんと真樹ちゃんが、今の学校の中で上手くやっていくためには、そこに居る子をペットにする必要があるってことかしら

 そこに居る子五十嵐イズミ  茉莉花と真樹も一般生徒たちから、余計なことをされないようにするためには、普段暮らしている学生寮の中に強力なグループを作らなければいけない

もちろん、そればかりが理由ではありません五十嵐さんはこの通り、とても可愛らしい女の子ですし真樹と一緒にペットにして可愛がってみたいという気持ちも大きいですでも、それだけでなく

五十嵐さんを私たちのペットにしてしまったら、これから先の生活が楽になるだろうなとも考えてました

 生活が楽になる

つまり、最初からペットにしたい五十嵐さんをオレに見せるために、連れて来たんだな

 今日五十嵐イズミが、勝手に茉莉花と真樹に付いてきたんじゃない  茉莉花が五十嵐イズミが、付いてくるように仕向けたんだ  茉莉花は、ニコッと微笑んだ

茉莉花五十嵐イズミは、どんな子なんだ学校では

 改めて茉莉花に尋ねる  オレにはなぜそんなに茉莉花が五十嵐イズミを欲しがるのか判らない  オレが理解していない五十嵐イズミの本質があるはずだ

明るくて優しい子です学校では、エリカによく似ています

 茉莉花のつい最近までお互いの存在を知らなかった妹  エリカは、瑠璃子たちの通う超お嬢様校で中等部のスターと呼ばれている  上級生からは妹のように可愛がられ、下級生からは姉のように慕われている  それは、エリカの明るくて屈託の無い性格と底抜けの可愛らしさによるものだ  エリカの本性は中学2年生なのに変態っぽいセックスが大好きな淫らな少女だけど  変態っぽいセックスすら、エリカは明るく楽しんでいる  そんなエリカに五十嵐イズミは、似ている

わたしたちの学年の華です五十嵐さんは

 真樹も言う

学年で一番目立つ子ででも、みんな五十嵐さんのことは好きよね

うん気が利かなくて、空気が読めなくて、慌てん坊なところはあるけれど五十嵐さんは表裏が無いから、みんなに好かれてます見ていると楽しいし

 茉莉花と真樹の評を五十嵐イズミは、ポカーンとした顔で聞いている

五十嵐さんはバカなのが可愛いタイプの子なのねわたくしたちの学校にも居るわ、そういうタイプの子

 バカなのが可愛い

なぁるほど今になって思い返すと、あの変なメイクも面白かったわね

 今日の午後初めて、茉莉花と松下姉妹と、五十嵐イズミに会った時  五十嵐イズミは、自分を不良っぽく見せようと派手なメイクをして、黒の革ジャンを羽織っていた  その姿は馬鹿みたいだった  五十嵐イズミは、全然不良っぽくないし小柄な女の子が、無理矢理に悪ぶっているのは、あんまり良い姿ではなかった  だが自分が同性愛的に憧れている少女(真樹)を助けたい一心でおかしな格好で、オレにプレッシャーを掛けようとツンツンしていた姿は  視点を変えて見直すと可愛らしいのかもしれない  オレは、大きな考え違いをしていたのかもしれない