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でも、この金はオレたちが、身体を張って得た金だ自分たちで稼いだ金だ

 オレも、負けずにグレースさんを睨み返す

アーニャ、イーディ通訳してくれオレの話をドリィとアナに

 オレはモグモグ食事を続ける、ドリル槍姉妹を見る

まず、2人ともオレたちが、たくさんのパンをここで焼いていたのは、見ていたよな

 オレの言葉をアーニャが翻訳する  ドリィとアナは、ウンウンとうなずいた

それであんなにいっぱいあったパンが、全部、売れていった様子も観ていたよな

 このパン工房には、外の店の様子を映しているモニターがある  克子姉たちが、パンを売っていく姿をドリル槍姉妹は、興味深そうに眺めていた

あのパンが全部売れてこれだけのお金になった判るよな

 オレは、手提げ金庫の中を姉妹に見せる  ドリィとアナはフンフンとうなずく

モノを作って他所の人間に売ってお金を得てその金で、家族を養って生活するそういう生き方もある

 オレの言葉を、イーディが訳す

お前たちはこれまで、誰かに命令されて人を殺す代わりに、衣食住を与えられるという暮らしをしてきただが、そんな生活は先が見えないと思わないか暗殺に失敗したら、自分の方が抹殺される成功したってお前たちの飼い主が、お前たちをいつ見捨てるか判らない

 アーニャがオレの言葉を訳すとドリル姉妹は、真剣な眼でオレを見る

お前たちが、そんな生活をせざるを得なかったのは今のお前たちには、人を殺す技術しかないからだしかし、人を殺す技術を金に換えるのは、なかなか難しいそういう仕事ができる人間を求めるのは危険で悪い人間ばかりだからだお前たちが命を張って、仕事をやり遂げたとしても彼らは、お前たちの労働に見合った代償を支払ってはくれないそうだったんだろお前たちは、お前たちが置かれている状況に不満と怒りを感じていたはずだ

 だからこの姉妹たちを支配していた組織に、キョーコさんが襲撃を掛けた時  ドリル槍姉妹は、組織の女ボスを殺した

だが、見ろ人を殺す技術でなく、パンを作る技術があれば、毎日、これだけの収入があるこれだけの金が、手に入るんだぞ

 オレは金庫の中の札を取り上げ、ぴらぴらと振って見せる  ドリル槍姉妹は、日本に来たばかりだ  日本の札の価値は、まだよく判らないはずだ  こうやって示せば、手提げ金庫の中にある金はかなりの高額だと感じるだろう

毎日、パンを作って売って金を得るただの小麦粉が、オレたちの労働で何倍もの価値になって、売れるんだそこには支配はない命を奪われる危険も無い怖いことは何も無いし、危ない橋を渡る必要も無い

 ドリル姉妹は、ジッとオレを見ている

そしてお前たちが見ていた通りパンなんてオレでも作れる難しいものじゃないお前たちだって、簡単にできる

お前たちは、今まで通り人を殺す技術だけを頼りに、少女暗殺者を続けることもできるしかしお前たちは殺すだけで、殺し屋を探している客を見つけることも、そいつらから報酬を得ることも、自分たちではできないだろだから、悪いヤツラに搾取される今のままでは、お前たちには、ギリギリ生き続けるだけのモノしか与えられないし未来は見えない

 根気強く、姉妹に語る

でも、パンを作る技術があれば美味いパンを欲しがっているヤツを見つけるのは、簡単だお前たちだって簡単にパンを売って金が得られる毎日、こんなに金が入るいやもっとパンを作って、売れればさらに得られる金は増える毎日、確実に金が手に入ることが判っていれば他の人間に搾取されないのなら堅実な未来が見えるそうだろ

 イーディが、オレの言葉を姉妹に伝えると  姉のドリィが、オレに何か言う

ワタシたちに槍を捨てて、パンを作れというのかって言っているネ

違うそうじゃないお前たちの槍は、お前たち自身を守るためには必要なものだ槍を捨てる必要は無いただ槍の技術だけで生きていくのは、大変だって言っているんだ

 オレは姉妹の眼を見て、はっきりと言う

人に支配されて生きていくのが嫌なら別の技術も身に付けなけりゃいけないパンじゃなくたっていいんだお前たちが、誰にも支配されないで、自分たちの能力だけで金を稼ぐことができるのならそういう技術があれば、お前たちの人生は変わるオレは、それを理解して欲しいんだ

 姉妹は顔を見合わせ  そして、2、3、言葉を交わす  それからまた姉の方が、オレに何か言った

本当に毎日、こんなに金が得られるのかと聞いているネ

ああ、毎日だ月曜日から土曜日まで、毎日、これぐらいの収入がある

だが、この店は小さいオレたちは、いずれ、もっと大きな店を持つつもりだそうなったら、1日に作るパンの数も増やせるし、売る時間ももっと長くできるそうなったら、今日の収入の10倍は儲かるぞ

いいえ、100倍よ

 克子姉が、笑って補足する

お昼休みだけでも、今の100倍は売れるわ自信があるの

 その言葉をアーニャが告げると姉妹は眼を丸くして、驚いていた

そういう人生もあるんだそしてお前たちだって、そういう人生を生きたっていいんだ今からだって変えられるんだぞ人生は

 オレは、それを理解して欲しくて  小麦粉から、パンを作る工程を全て見せ  オレたちがパンを売る様子も、全部、公開した  この姉妹に少女暗殺者以外の人生があることを知って欲しくて

ぁぅぅ

 ドリィとアナは、顔を見合わせて何か話している

昨日、うちに区役所の人が来たのですが

今日も別の部署の人が来る

次話ぐらいから、エッチ展開に入る予定です

1292.ネガティブ潰し / 自立せよ

アウアウアッ

ハウハウハッ

 ドリィとアナのドリル槍姉妹が、オレに何かを訴える

わたしたちは、槍の使い方しか知らないから

急にそんなことを言われても、判らないって言っているネ

 アーニャとイーディが通訳してくれた

今は人殺しの技とか知らないかもしれないけれどこれから他の生きていくための技術を学べば、幾らでも身に付けることができるはずだ

お前たちは、元居た場所へ帰りたいか

 オレの言葉をイーディが翻訳すると、姉妹は表情を変える

また、少女暗殺者として組織に飼われるだけの生活に戻りたいのか

 ドリィが何か言う

私たちは、ここでまたそういう仕事をするんだと思っていたって言っているわ

 アーニャが、通訳する

ここは日本だお前たちが今まで居た国とは違う人殺しの仕事なんかはえーと、そうだな、だいたい1年に1回ぐらいしか無い

 全く無いと言うと、ドリル槍姉妹が戸惑うと思うので取りあえず、そう言ってみた

1年に1回しかない仕事なら、お前たちを必要とはしない暗殺者を365日、常駐させておいたって、金の無駄だ他の人に何なら、キョーコさんたちに、その時だけ契約したして処理してもらった方がよっぽど安く付く