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素晴らしかったわイズミちゃん

 今度は昨夜セックスを供にしたまり子が、率先して拍手した  オレたちも、大きく拍手する  真樹もピアノから立ち上がって、茉莉花とイズミの顔を見る  万雷の拍手の続く中三人は顔を合わせて、ニコッと笑い合った  三人にとっても、演奏が上手くいった手ごたえを感じたんだろう  それから改めて三人並んでもう一度、オレたちに深く頭を下げる  オレたちの拍手は続いた

昨日のままでは、いけなかったものね

 オレの椅子の後ろに座っているメグが言った

そうね茉莉花さんたちにも、プライドがあるでしょうから

 メグの隣のみすずも、そう言う

学校の寮にお戻りになる前にあたしたちに、全力でご自分たちの才能を示さないといけないと思ったんでしょうね

判るわあたしだって、そうすると思うもの

 みすずの言葉に、メグは同意した  真樹もイズミも自分たちの音楽の才能を、他の家族に知って欲しかったんだ  自分たちが、オレたちの家族に加わるだけの価値のある人間であることを証明しないと学校の寮に帰れなかった  彼女たちは、すでに音楽家になる夢に向かって歩き出しているのだから  昨日のまんまでは特に、真樹と茉莉花のペットとして、ここに居ることを許されただけのイズミの立場がツライ  イズミだって才能がある子なんだということを茉莉花も真樹も、オレたちに伝えておきたかったんだ

でも、これでいよいよ、あの子たちもお尻に火が付くことになります

 みすずの脇に立っている美智が無表情で、少女暗殺者たちを見る

今後はペットですらこれほどの才能を示さねばなれないということになるのですから

 確かに少女暗殺者たちは、みんな暗い表情で、お互いに何か話している  あの子たちは、昨夜全裸でペットになりましたと家族の一人一人に挨拶していったイズミたちの姿を見ている  それは決して、格好の良い姿ではなかった  そんなイズミでさえ他の人間に勝る才能がある  少女暗殺者たちは戦闘能力では、イーディや美智やアーニャに勝てないことはもう完全に判っているし  美貌でも寧やアニエスたちに勝てないことも知っている  自分たちより後からやって来たのにいつの間にかペットとして承認されたイズミにさえ、特別な才能の有無で負けていることも判った

ああ例の子が、こっちを見てますね

 ハイジの指摘通りアンネ・ロゼがオレたちの方を見ている  正確にはちゃっかり運よくオレのペットになってしまったオソソとクリトを睨んでる  クリトが昨夜まで自分がこの先どうなるのか不安で、暴走行為を繰り返していたように  他の少女暗殺者たちもそろそろ、本気で自分の今後について考えるだろう

あいつらのことも今日一日が勝負だな

 オレは、そう呟いた

しばらく開いてしまって申し訳ありません

父を介護施設に入所させたのとそれに関する契約で思いっきりトラブルがありまして

肉体的にも精神的にも、思いっきりダメージを食らってました

ホント精神的に追い詰められてる時は書けないですね

今年の夏もメチャクチャ厳しいです

1460.行ってきます

 家族たちの前でピアノ演奏と声楽の披露をした茉莉花・真樹・イズミの三人  拍手が止むと三人揃って、オレの方へやって来る  部屋中の女たちの視線もオレに集中する  みんな、オレが茉莉花たちの音楽にどんな感想を言うか知りたいんだ

どうだった公くん

 三人を代表して茉莉花が、オレに尋ねる

ああとても良い演奏だったよ

 オレははっきりと言う

茉莉花と真樹は、昨日よりずっと良かった特に真樹が迷いが吹っ切れていて、音が透き透っていた茉莉花も、真樹との音の調和が良くなってた

 それから、イズミを見て

イズミも本気で歌ったら、こうなんだな昨日の国歌斉唱よりも、はるかに良かったぞ

 オレの言葉に真樹とイズミは、ホッとしたようだお互いの顔を見て、微笑む  イズミはオレに褒められていることの意味がよく分らないらしく、困惑した表情で飼い主である真樹たちを見る

わたしたち、昨夜、遅くまで話し合ってやっぱり、寮に戻る前にみなさんの前で、本気の演奏を見てもらいたいってそれで

朝からここのピアノを借りて、練習していたんです

 茉莉花と真樹は、興奮気味にオレに言う  やっぱり二人とも自分たちの音楽の才能を、家族のみんなに判って欲しいと思ったんだ  昨夜の、全裸のイズミを連れたご挨拶だけでなく  茉莉花と真樹が、自主的に朝の演奏会をやろうと考えたことは評価できる  イズミも二人のちょっと頭の弱いペットではなく、声楽の技術があることを示した方が、これからお屋敷の中で暮らしやすくなるだろうし

えっらそーにあんたに音楽の良し悪しなんて、判んないでしょうが

 オレの隣の席でオレの朝食のサンドイッチを食いながら、雪乃が言う

ああ、オレは音楽に詳しくないよでも今の演奏が良かったって思ってるところで

雪乃はどう感じた今の演奏を聴いて

 サンドイッチを掴んだまま雪乃は硬直する  部屋中の女たちの視線がオレから雪乃に移った  雪乃もそれを感じ取っている

ああたしだって、ピアノとかクラッシック音楽のことは、よく判らないわよっ

判らなくていいから雪乃が、今の演奏や歌を聞いて、どう感じたかそのまま感想を言えよ

えあー良かったんじゃないの一生懸命であたしたちに聞いてくださいっていう気持ちでやっているのは、よく判ったわ

ほら、雪乃も褒めてるだから、良い演奏だったんだよ

 オレの言葉に、茉莉花と真樹は嬉しそうに微笑んだ  部屋中の女たちも和やかな眼で、オレたちを見てくれている

ホントにホントに、白坂雪乃なんだ

 ちょっと、おバカなイズミは空気が読めずに、心の中で思ったことを口に出してしまった

イズミ失礼でしょ!

今のはイズミが悪いわ謝りなさい

 慌てて飼い主の二人茉莉花と真樹が、イズミを叱る

ひぃー、ご~め~んなさ~い真樹お姉さま、茉莉花お姉さまぁぁ~

わたしたちに謝るんじゃないわよ

そうよ、雪乃さんに謝りなさいっ!

あたしは、いいわよ慣れてるから珍獣を見るような目で見られるのは

 苦笑してそう言う  この半年父親の白坂創介のスキャンダルが世の中に暴露されてから、ずっと雪乃はツライ環境に置かれてきた  だから、こそ

いや、良くない

 オレは椅子から立つ

雪乃はオレたちの大切な家族なんだイズミだって、茉莉花と真樹のペットっていう形でも、オレたちの家族になったんだから、雪乃に失礼な態度をするのは許されないことだ