苦しそうに美樹さんは言う
この人に物凄い恩を受けてしかも、今のわたしたちには一生懸命、音楽の勉強をすることぐらいしか返せるものがないんですっ!そりゃ、姉さんだってセックスの相手ぐらいしますよっ
美樹さんの眼には熱い涙が溜まっていた
わたしやっと判った姉さんの決意と覚悟がわたし子供でした姉さんの気持ちを全然判ってなくて
大粒の涙が、美樹さんの頬に流れる オレとイズミの会話を聞いている中でようやく、心の整理が付いたようだ
わたし自分のことばかりで自分がどういう立場に居るのか、判っていませんでした
寧が美樹さんの背中を、そっと抱いてやる
大丈夫だよっヨッちゃんは、ちゃんと判ってるからねっ
でも自分で自分が許せないんですわたしは
そして、美樹さんはイズミを睨みつける
イズミさんはずっと、姉さんやわたしの邪魔をしていたことを判っていますか
イズミは驚く
昨日イズミさんが、姉さんに付いてきた時にわたしは嫌でした茉莉花さんが、姉さんとわたしが音楽を続けるための手助けをしてくれる人を紹介してくれるという話をわたしは、半分も信じていませんでしたけれどでも、可能性が少しでもあるのなら、それに賭けてみようと思っていましたそれなのに
イズミは変な不良少女メイクに黒の革ジャンを羽織って、真樹と茉莉花に無理矢理付いてきた
わたしたちの人生が掛かっているのにあの恰好は何ですかイズミさんは、わたしたちのことを馬鹿にしているんですか
イズミは茉莉花が、真樹たちをオレに紹介するという話を全く信じていなかった 茉莉花に真樹がダマされているとすら思っていた だから、オレたちを威嚇しようとおかしな扮装で付いてきた、
もし、イズミさんのせいで姉さんやわたしが、香月さんの奨学生になれなくなってしまってたらどうするつもりだったんですか
イズミは黙り込む
アンタは自分のコトしか考えてないノヨそれで浅い考えで、勝手なことばかりしているノネ
昨夜、黒森公さんがイズミさんのことを家族の方たちに説明する時に、イズミさんの言うことは絶対に信用するなって言ってましたよね
美樹さんが言う
わたしはとても酷いことを言うんだなって、昨夜は思いましたでも、今は黒森公さんのおっしゃる通りだと思います
イズミさんが、残されたのは今のままのイズミさんでは、姉さんや茉莉花さんのペットにすらなれないって黒森公さんが判断されたからですわたしも、そう思いますこんなワガママで身勝手なことしかしないペットは飼えません姉さんたちも場合によったら、イズミさんを捨てるしかないってことは、もう覚悟していると思います
そんな!
イズミが、ハッと顔を上げて美樹さんを見る
ペットなら、ペットらしくして下さいっ!あなたが、身勝手なことをすると姉さんたちが困るんですっ
そんなこと言われてもわたしは、どうしたら良いのか
そう言うイズミにオレは
お前がどうしたいかじゃなくって真樹や茉莉花が、どうしたら喜ぶかを考えろよ
率直に言う
イズミはそういう考えが欠落してるんだよそんなんじゃ、マジで茉莉花と真樹のペットには、なれないぞ
うつむくイズミ
もう一度聞くぞ茉莉花と真樹は、お前が今、何をしていると思ってる
公くんさんに、エッチなことをされていると思ってます
なら午後に学校に戻った後、真樹と茉莉花に何て報告したら二人は喜ぶと思う
口ごもるイズミの代わりに美樹さんが言った
黒森公さんがイズミさんとセックスして、とても満足して下さっただと思いますけど
他に考えられないネ
そういうことだよねっ
イーディと寧が笑って、付け足した
真樹姉さんと、これからも一緒に生きていきたいのならちゃんとペットになる覚悟をして下さいそうじゃないなら、二度と姉さんやわたしの前に現れないで下さい
すがるような眼で、イズミは美樹さんを見るが
そんな顔をしても無駄ですわたしだって、今、イズミさんと同じ覚悟をしなくちゃいけない立場なんですから
美樹さんは真っすぐに、オレを見る
わたしはこれからもヴァイオリンを続けたいです真樹姉さんと姉妹のままで居続けたいですだから
わたしは黒森公さんのものになります覚悟はできました
すみません、少し更新が開きました
単純に夏バテです
猛暑でやられてしまってます
1470.イズミという女の子について
わたしは黒森公さんのものになります覚悟は、できました
松下美樹さんは暗い顔で、オレにそう告げた
それは覚悟じゃないただヤケクソになっているだけだ
そう感じた 美樹さんは、自暴自棄になっている まだ14歳のヴァイオリン少女は、そう言って、オレから視線を逸らす 彼女の暗い表情で、オレは確信した
本当に覚悟した人は、今の美樹さんみたいな顔はしない昨夜の真樹みたいに前向きで吹っ切れた顔になるんだ
昨夜香月家の財団の奨学生となって、音楽の勉強を続けると同時に
茉莉花のパートナーとオレの女にもなることを受け入れた真樹は晴れ晴れとすっきりした表情をしていた
あれが腹をくくった顔だと、オレは思う
わたしは真樹姉さんとは違います
何が違うネアナタとお姉さんは、同じ立場デショ
美樹さんも香月家の奨学生となって、ヴァイオリンを続けることに変わりはない オレの女になるという条件も同じ
今のアナタは、頭で理解しているツモリになっているケレド心では何も割り切れてナイネ今、自分が置かれている状況を心の中では不当だと思ってイルダカラスッキリしてないノヨ
このまま、ヨッちゃんのお世話になるっていうことが何となく嫌なんでしょっ
寧も笑顔で、そう言った
ヨッちゃんのおかげで音楽は続けられることになったし、お祖父さんとの関係も改善したよく判んない交際相手との関係も解消できたし、下着画像が拡散する可能性もなくなってでもっ
そこまで言われて美樹さんが、寧を見る
だからといって、それでヨッちゃんの女になって、あたしたちの家族に加入するのは何か違うそういうことじゃないんだって感じてるそうでしょっ
いえあのわたしは
寧を見る
わたしは黒森さんに助けていただいたことには、深く感謝していますだから真樹姉さんの様に黒森さんのものにならなくてはいけないっていうことも理解しています判っているんですそれぐらいのことをしないとしていただいたことに対して、お返しはできないっていうことを
ダカラそれが頭で分かってイテモ、心で割り切れてナイってコトなのネ