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あなたたちだけに教えるけれど本物の高級娼婦は、毎回、お客様とセックスしないのよ上流階級のお客様は、あたしたちに心からリラックスできる時間を望まれているのよ覚えておいて黒い森が提供するのは、穏やかで優しい時間よお客様は、それに大金を支払って下さるの濃厚なセックスなんて、どこにでもあるモノは、高い値段では売れないのよ

レベルの低い娼婦は、毎回毎回、全身を使って、必死にセックス奉仕だけをしてそれで微々たるお金を得るわあたしたちの感覚からしたら、安すぎる賃金ということよでも、黒い森の娼婦はセックスだけでは稼がないのよ

 オレはそれが嘘だということを知っている  白坂創介が支配していた時期の黒い森は変態的なセックスを売り物にしていた  克子姉の話しているのは大昔の黒森楼時代の理想だ  でも、その頃の理想が当時の娼婦から、ミナホ姉さんに伝わって  ミナホ姉さんが、白坂創介の支配する娼館の中で必死になって黒森楼の理想を守り続けて来たというのも事実だ  新しい娼館は、白坂創介の影を一切廃してミナホ姉さんの理想に沿ったものにしたんだろう  だから、希美たちには理想の娼婦の姿のみを語っている

お客様はあなたたちの提供する時間に、充分リラックスなさったらそれだけで満足なさるわ必ずしも、毎回、セックスする必要は無いのよ

 それは理想だ

あ、判りますあたしたちが、黒森公様に感じているような安らかな気持ちをあたしたちがお客様に提供できるようになればいいんですね

 モモカが、素直にそう言う

うんなるほどね

高級娼婦って、そういう仕事なのね

 希美と白旗さんも、納得したようだ

そうよあなたたちならあなたたちと、さらに美里ちゃんも足した4人は、きっとそういうレベルにまで到達できると思うわでも、園子ちゃんと直子ちゃんは

 克子姉は、寂しそうに言う

今の状態ではそこまではいかれないと思うわごく普通のお客様にセックスを提供するだけの娼婦にしかなれないと思うわ

心を閉ざしていて誰も信じていないからですか

 白旗さんが、尋ねる

そういうことよ今のままでは、2人とも先には進めないわよ

 克子姉は断言する

まあ、娼館としてはセックスだけの2流の娼婦も居たって構わないけれど高くは売れないけれど単純に性欲を満たしたいだけのお客様もいらっしゃるでしょうからそれに

 克子姉は、改めて3人の娼婦候補生たちを見る

あなたたちの引き立て役という役目もあるし

 引き立て役

娼館は、全員、可愛くて綺麗な子ばかりっていうのでもダメなのよ少しは良くない子も混じっていないと、良い子が映えないのよだから、園子ちゃんたちも、居てもらわないと困るのよただ

あの子たちには、大切なお客様はお相手させられないわ真面目にセックスはするでしょうけれど、それ以外のことが期待できないから

 バッサリと断言する  希美が、オレを見る

どうして、園子さんたちを黒森くんとエッチさせないんですか

そうですよ黒森公様なら、園子さんたちのことも変えられると思います

そうね、閉ざしている心を開ければあの子たちだって

 そう言う3人に、克子姉は首を振る

変わらないわあの子たちは、この子じゃダメなのよむしろ、あの子たちの相手をしたらこの子の方が、あの子たちの暗さに呑まれてしまうわ

何が違うんですかあたしたちと園子さんたちは

あなたたちは形としては、親に娼館に売られたことになるわけだけどそのことをどう思っている

 3人に問う

それは仕方ないことだって判ってますし

お父さんに言われたからでなく自分で決心して、受け入れたことですから

家族のためですから納得していますわ

 希美、モモカ、白旗さんはそう答える

今でもご両親のことを信じてる好き

 さらに克子姉は質問する

はい信じてますし大好きです

あたしもお父さんや家族を愛しています

憎めないわよ親なんだから

 3人は寂しそうに、そう答えた

あなたたちと園子ちゃんたちの違いはそこなのよあなたたちはご両親を愛しているし、信じているでも、園子ちゃんたちは

 そうだ德大寺園子さんは、父親の見ている前で父親の仲間たちに輪姦された  黒沢直子さんは自分の親が園子さんを犯す様子を見続けていた

親を信じることができなかったのよ本当なら、何があっても子供を護ってくれるはずの親があの子たちを傷付け続けたから

 子供にとって、親だけは絶対に信じられる存在のはずだ  その親が信じられるような人間ではなかったのだから

親を信じられないということは、生まれてから一度も誰かを信じたことがないということよそういう人間の持つ暗さは、底知れないわ

 オレはどうなんだ  オレも生まれてから一度も、親を信じたことはない  いや、オレにはバァちゃんが居た  真実はどうかは判らないけれど  少なくてもオレは、バァちゃんはオレのことを愛してくれていると信じていた  つまり、オレは人を信じるということを経験できていた  だから、迷わずに狂わないでいられたんだと思う

園子さんたちのご両親は今は

白旗さんが尋ねる

詳しいことは教えられないけれど杣庫ちゃんの両親も、直子ちゃんの両親も、もう亡くなっているわ

天涯孤独なのよもう帰る場所が無いのだったら、切羽詰まって必死になるかというとそうもならないのよねあの子たち自身、自分の行くべき未来がよく判っていないから

ああ、夢が無いんですね

 モモカがそう言う

だからいつも、何をしたらいいのか判らない顔をしているんだ園子さんと直子さんは

 戻るべき家も故郷ももう無いのだから黒い森の娼館に居るしかない  だけど、だからといって必死になって、一生懸命に娼婦になるための勉強をするわけでもない  これから先の未来が見えないから

あの子たちが研修に積極的じゃない理由が、やっと判ったわ

うん、つまり黒森くんの出番じゃないのねあの人たちにアプローチするのはあたしたちなのね

そうですねまずはあたしたちが、友達になってあげるところから始めるしかないですね

そうね最高の高級娼婦を目指すあたしたちとしては園子さんと直子さんの心を開いて、リラックスされることもできないといけないわよね

 白旗さんも、真顔でそう言った

ホント、あなたたちは賢いから助かるわ

園子ちゃんと直子ちゃんは、この子じゃダメなのよあの子たちの心を開くとしたら、同じ娼婦候補生の立場のあなたたちだけよ

そういうことなんですね

 白旗さんがうなずく

あたしたちが、黒森くんにしてもらった心の解放を今度は、あたしたちが園子さんたちに