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正しい攻撃のタイミングを掴んでさえいれば、強い力を使うことなく相手を倒すことができるというそのお手本を示しているのだな

 ミタマが、イーディの行動をそう評する

ジュンは身体が大きいししなやかで、頑丈で、力強い肉体なのネそれは天賦の才というヤツネ生まれつき、素材がイイノヨ

女子プロレスの世界なら、その素材の良さだけで周りの選手たちを圧倒していられたと思うヨデモそれはプロレスが、お互いに技を身体で受けて観客に見せるっていうシステムだからの話なのネこうやって、受けずに流すをすればジュンは怖い相手ではないのヨ

ふ、ふざけるなお前みたいな素早い相手でなければ、私は負けない

そんなことないネジュンは一昨日はマルゴに負けたネ今朝はキョーコに負けてたヨ

 そうだ女子格闘技大会ではマルゴさんに、今朝はキョーコさんに破れていた

あ、あいつらは化け物だ

 グレースさんは、苦々しい顔でそう言う

あんな恐ろしいヤツラに勝てるわけがない

 マルゴさんは、無制限クラスの本戦出場者を全員ブッ倒した  キョーコさんとグレースさんの対戦は大人と幼児ぐらいの差があった

じゃ、アタシも化け物ナノカ化け物ダカラ負けるのは仕方ないノカ

 イーディは、笑顔で言う

アタシは、まだ16ダカラジュンより、5歳も年下ヨ身体だってずっと小さいヨこんなアタシに、ジュンは勝てないノカ化け物ダカラ、負けるのは仕方ないと諦めるノカ

 同じ無制限クラスのマルゴさんになら、負けることを受け入れられるかもしれない  伝説的な存在であるキョーコさんなら、なおさらそうだ  しかしイーディは  それもプロの女子レスラーとして活躍していたグレースさんが、高校1年生の少女に負けを認めるのは辛いだろう

わっ、わたしは

文句があるなら、アタシを倒すネグダクダ言っているのは、みっともないヨ

 イーディは、強くそう言う

このぉぉぉぉぉぉッッ

 イーディに突進するグレースさん

何度やってもムダネッ

 掴み掛かってくるグレースさんの腕を取り、イーディは抱きつくように飛び付く

おおっ飛びつき腕ひしぎ十字固め

 実況の寧が叫んだ  体勢を崩して倒れたグレースさんの右腕をイーディは全身を使って、グイッとキメる  がイーディは、完全に間接がキマる前に手を離す

コレでキマりじゃつまらないネ

 驚いているグレースさん

寝技はできないんじゃなかったのか

寝技は得意ジャナイと言ったダケネデキナイとは言ってないヨ

嘘吐いたワケジャナイからブラフでさえないヨジュンは、ちょっと注意力が足りてないノネ

 さっきまでのように、すぐにグレースさんから離れずに  すぐ隣で、ケラケラ笑っているイーディ  グレースさんは、そのまま、すぐ隣に居るイーディを捕まえて、本格的な寝技に持ち込もうとするが

チョチョイのチョイヨ

 逆にイーディの方が、スルルっとグレースそんの背後に廻り込み

ほう送り衿絞めか

 ミタマの言う通りに、グレースさんに寝技を仕掛ける

確か、こんな感じだったネ

むぐぅぅ

 イーディは、グレースさんを絞めるっ

はい、オッケー次に行こうネ

 イーディは、すぐに絞めていた手を離し

アタシ、寝技ってよく知らないケレドジュンになら、寝技でも勝てそうネもう、メンド臭いから、アタシは寝技だけに絞って闘おうカ

ソレトモ、ジュンだけ柔道着を脱ぐカソンナノ着ているから、技が掛けやすいノネアタシでも、スクール水着だけになられたら掛けられる技が減るネ

ふ、ふざけるなっふざれるなっぶざけるなぁっ

 グレースさんは、叫ぶ

わたしは、グレース・マリンカだぞお前みたいな小娘に負けるものかぁっ

ふざけているのは、お前の方だ

 解説役のミタマが言う

イーディに負けたくないのなら、さっさと柔道着を脱げ負けないためには、どんなことでもするという強さがお前には無いのかジタバタしろ今のお前は、圧倒的に不利なのだぞ

 グレースさんの表情が変わる

イーディは天才だだが天才だからといって、努力していないわけではない柔道技もプロレス技も、ちゃんと研究しているその上、グレース・マリンカお前のことも、イーディは事前に全て調べ上げている

 ミタマは、そう言う

当たり前ネアタシは実力があると思った相手のことは、きちんとチェックするヨいつ闘うことになるか判らないし強い人の技は、自分の技を磨くための参考になるネ

ジュンの試合も映像化されていて観ることができるモノは、全部観たネダカラ、技を仕掛ける時のクセもよく知っているノヨ

 イーディが、グレースさんに完璧なタイミングで技を仕掛けられるのは天才的な戦闘センスや、相手の気を読む能力だけではない

ポロンやミミたちの試合も観たけれどジュンの試合は、なかなか面白かったネそしてジュンが、プロレスの世界では満足できないこともよーく判ったネ

 グレースさんは、そのスバ抜けた身体能力で所属していたプロレス団体では圧倒的な強さを誇っていた  圧倒的すぎて、女子プロレスに物足りなさを感じて一昨日の格闘技大会に強行出場したのだプロレス団体を飛び出して

でも、アタシたちと一緒に闘いたいのナラもう少し、本気になってくれないと困るノネ負けたら、本気で口惜しがらないとダメヨそして、負けないためには、なりふり構わず、できるこちは何でもするっていう覚悟が必要なのネ

 イーディは、笑顔でそう言うと

ま、余計な話はこれくらいにするネとにかく、今日はジュンが泣くまでやるヨ負けることに、口惜しくなって涙が出るまで、アタシが負かせ続けてあげるネ

 グレースさんは、立ち上がり着ていた柔道着の上を脱いで、床のマットに叩き付ける

ば、バカにしてっこ、このぉぉぉぉ

ほら、攻撃を仕掛ける時に、右肩が上がるダカラ、フェイントがバレバレなのよ

 イーディが、またスデンとグレースさんを引っ繰り返す

素材はいいけれど、努力が足りないのヨジュンは

 頑健で、体力が有り余っているグレースさんだから

倒されても、倒されても何度でも起き上がって、イーディに突進していく

そんなグレースさんを、イーディは最低限の力だけでパタンパタンと投げ倒す何度も何度も

 そんな様子を、カメラが全校に放送し続けている

あたし、思うんだけれどさ

 寧が、感慨深そうに言った

ほら、マンガとかにもさよく天才は出て来るんだけれどさ生まれついての才能よりもより悲しい体験を乗り越えてきた人の方が最終的には強いっていうパターンの作品が多いんだよね