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ずっと同じリズムにするのはダメよ攻撃ごとに、どんどんリズムがランダムに変わっていくようにしないとネこんなの実戦の時にはイチイチ考えてられないコトネダカラ、稽古の時からクセを付けておくのヨ

 そう言ってイーディは、ミタマのやった連続蹴りを色々なリズムで何度も再現してみせる

こうしたら、敵に攻撃を予想されづらくなるネ思考の死角を衝かれることの減るヨ

 今度はミタマが、イーディに言われた通りに

異なるリズムでの連続蹴りをイーディに向かって何度も放つ

イーディは、5発目の連続蹴りを避けた後に

ほら、ダメネ

 パンッと、ミタマの軸足を払って体勢を崩す  ガクッと尻餅を付く、ミタマ

リズムがランダム化できてないヨタントン・タカタカトッタン、タタカン・タントントン、トッテカ、トントン、タカトン・タカトントントンの次が、まタントン・タカタカトッタンになっていたネ

あれが天才児のトンデモなさなんだよね

 寧が、マットに倒れたままだったグレースさんに言う  グレースさんも、武の世界に生きている人だから  イーディとミタマの公開稽古が始まったら、泣くのを止めて2人の組み合いを呆然と見ていた

眼の前で起きていることを全て記憶しているし、瞬時に分析して適確な対応ができるんだよイーディは、身体能力がスバ抜けているけれど頭脳も飛び抜けているから

 肉体も頭脳を常人を越えている

でも、それだけじゃ足りないノヨ記憶力と分析力と対応力だけじゃ初めて見たモノには負けるノネ

イーディは稽古をしながら、言う

大事なのは想像力と、洞察力なのネ可能性を見通す能力ヨこの2つを身に付けるためには、色々なモノを見知ってデーターを蓄えておく必要があるノネ

 そう語るイーディの頬に、ミタマの蹴りが当たりそうになるが  イーディは、大きく頭を反らしてギリギリ避ける

今のは面白かったネ安城流の技なのカ

 ミタマに尋ねる

安城流というより、伝統派の空手にある技だ蹴りの前に放った正拳突きで、相手の視界を封じて横から蹴り込む

ツマリ、こういうコトネ

 イーディは、瞬時に技をコピーして返す  自分が仕掛けた技をミタマは食らう  ただし、イーディはミタマの頬を蹴り込まずピタッと空中で足を止めた

なるほど、勉強させてもらったネ

 イーディは、スッと上げていた足を下ろした

こんな風に、アタシも色々と教えてもらっているノネ

 床に倒れたままのグレースさんに、笑顔でイーディは言う

当然だこちらにも差し出せるものがあるからこそこうして、稽古ををしている

 ミタマも構えを解いて、グレースさんにそう言う

お互いに学び合っているノネアタシは、ミタマから安城流拳法をそして、その裏にある日本の武術の考え方を学んでいるノネ

 ニッと微笑む、イーディ

武術にはそれぞれ、その根底に思想があるノネそういうモノも、実戦で対応する時の貴重なデーターになるノネ

 全ては闘いのために

そうまでして強くなりたいのか

 グレースさんが、笑顔のイーディを眩しそうに見上げて言う

強くなりたいわけじゃないノネアタシは護らないといけないからナノネ

護る

ソウヨただ強くなりたいっていうだけナラアタシ個人の問題ネ突っ張り通して、誰かに負けて死んでもあたし1人だけのことで済むノネ

  イーディは言う

アタシには、アタシが護らないといけない家族が居るノネアタシが負けて、アタシが死んだら家族が酷い目に遭わされるかもしれないノネダカラ、アタシは絶対に負けられないし死ねないノヨ格闘技の試合では使わないけれど、家族を護るためにはどんな汚い手も使うネ勝って生き残らないと、意味が無いのよ

わたくしも、そうだ勝たねば主を護れない引き分けではダメなのだ確実に、敵を打ち払う力を持たなければだから、学べる機会があれば、こうして年下のイーディにも教えを乞う

ジュンはとっても素晴らしい身体を持っているヨ身体能力に優れているネプロレスの世界じゃ、能力を持て余していたのもよく判るヨもっと思いっきり、持てる力の全てを使って闘ってみたかったノカ

 笑顔で尋ねるイーディに

わたしは強くなりたいんだ世界中の誰よりも

 グレースさんは、そう答えた

気持ちは判るケレドそれじゃあコドモなのネジュンは、ジュンの内面に溜まっていたフラストレーションを暴れることで解消したいダケなのネそんな感情任せの闘い方じゃ、本当に強くなんてナレナイヨ

 そしてイーディは

強くなりたい理由を自分の外に見つけるコトネ自分のためにでなく、誰かのために闘うノヨそうでないとジュンは、先に進めなくなるヨ

プロレスラーのグレース・マリンカは、もう辞めるんデショただの尾上ジュンに戻って考え直してみるべきなのネ

 どこまでも優しくグレースさんにそう言った

なぜ、わたしにこんな話をする

 グレースさんが、イーディに尋ねる

5歳も年下の女の子に説教されて頭にくるノカ

 イーディは、笑ったままそう言う

そうではないそういうことではなくてなぜ、わたしの様な女のために、こんな機会をわざわざ設けてまで

そんなことも判らないのか

 ミタマがグレースさんに言う

イーディが、わたくしに稽古を付けてくれるのと同じ理由だイーディは、あなたという存在に価値を見出しているのだろう

ソウヨジュンはちょっと意識を変えるだけで、大きく成長スルネソレニ

さっきの対戦だってアタシが一方的に攻めていたようにしか見えなかったダロウケド、ちゃんと意味はあったのネアタシにとっては、ジュンみたいな長身でレスリング系の選手と闘うことも、大切なデータ収集ダカラ

わたしとの闘いに価値があったと言うのか

 驚く、グレースさん  グレースさんからすれば、イーディに一方的に負けたというイメージしか残っていないのだろう

もちろんヨ勉強させてもらったネそして、これからもどんどん強くなるジュンと闘って、学んでいきたいネ

 イーディは、真っ直ぐにグレースさんの眼を見て言う

アタシはジュンにプロレス以外の技も覚えて欲しいと思っているネその方が今よりもずっと強くなるヨ

ていうかさっ尾上ジュンさんプロレス団体を辞めちゃったんだからさ、正式にチーム・クロモリに入らないっ

 寧が笑顔で尋ねる

うちのチームの5人目の選手としてさっ一緒に世界を目指してみないっ

 マルゴさん、イーディ、工藤遙花、剣道マリアに続く5人目か

良い考えだと思うぞイーディたちと一緒なら、あなたも本当の闘わなくてはいけない理由を見つけることができるだろう