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女兄弟に一人だけ男だと、こういう理不尽は何度も経験している。

楽しいゲームで家族相手に怒るのはお互い面白く無い。ぐっと言葉を飲み込んだ。

「お兄ちゃん、これからどうする?」

「ん~一応釣りスキルを手に入れて、釣りでもしてようかと」

「マイナーなのやるんだね。絆お兄ちゃん」

「絆お兄ちゃん……」

……なんだろう、この例え様も無い程のしっくりこない感。

慣れなきゃいけないんだろうけどな。

「あたしは普通に狩りの予定だけど、奏お姉ちゃんは?」

「何を装備するのか決めてないからお店回ってみようかしら」

「じゃあ別行動って感じかな?」

「そうだね。後でまた電話……じゃなくてチャット送るね」

「おう」

――チャットが終了しました。通常会話に戻ります。

さて、当初の予定通り釣りでも始めるか。

確かスキルは習得制だったはず。

俺は意識してカーソルメニューの中からステータス、スキル、アイテムの画面を開く。

名前/絆†エクシード。

種族/魂人。

エネルギー/1000。

マナ/50。

セリン/500。

スキル/エネルギー生産力Ⅰ。

マナ生産力Ⅰ。

アイテム/初心者用武器ボックス、初心者用エネルギーポーション×10、魂人マニュアル。

俺はアイテム欄の魂人マニュアルを選択する。

すると文庫本サイズの本が手元に出現した。

ページを開くと日本語では無い文字が羅列している。

しかし何故か読む事が出来た。魂語と呼ぶらしい。

「えっと……」

――魂人は他種族と違いレベル、HP、MP、STR、AGI、INT、MIND、DEX、LUKが存在しない。

それ等全ての数値をエネルギーとし、エネルギーが多くなればなる程強くなる。

エネルギーが増えれば無限に敵からの攻撃を耐える事も可能となるがHPダメージもMP消費もエネルギーから計算するので気を付けなければならない。

なるほど。かなり変わった種族だ。

要するにエネルギーが多ければ攻撃、防御、HP、MPと全て可能だがレベルも兼ねているのでエネルギーを使い過ぎて死にそうになったら他のゲームでいうレベルダウンした様な感じになるって所か。

今一分からないが、次行こう。

――マナは他種族ではスキルポイントや熟練度に属し、必要に応じたマナを消費する事でスキルを取得する事が可能となる。

スキルは使用する毎にエネルギーを消費する物と、常に消費する物の二種類存在する。

――スキル取得は他種族と同じく、該当する行動を取る事で項目が増える。

魂人の場合は出現したスキルにマナを使う事で初めて効果を得る事ができる。

取得したスキルはエネルギーを消費する事で維持が可能。また必要が無くなったスキルの場合、成長に必要なマナの半分を取り戻す事でスキルランクをダウンさせる事が可能。

尚、総エネルギー量が計算式でスキルによって0を越えた場合、+になるまでランダムでスキルをランクダウンさせる。

どうやら魂人はエネルギー管理が重要な種族って事か。

まあ、なるようになるだろう。

俺はマニュアルをパタンと閉じるとアイテム欄に放り込んだ。

次に初心者用武器ボックスを選んだ。

箱の中には沢山の武器が並んでいる。

どれも初心者用と名が付くだけあって外見は普通だ。

一つ、ハズレじゃなさそうな片手剣を持ってみる。

すると片手剣の簡単な説明文が出現した。が、俺は特に読まずに箱の中に戻す。

奏姉さんも決めてなかった様に公式サイトでも沢山武器紹介があったが、どれが良いのか分からず今日まで決めていなかった。

反応から察するに紡の方は決まっていたみたいだが。

「お?」

一瞬面白そうな武器が表示されていた。箱の中から取り出してみる。

武器/初心者用解体ナイフ。

説明/狩猟した生物の解体用に作られたナイフ。

――武器説明……生物や植物などを解体する為に作られた武器群。

モンスターを倒した際にアイテムをドロップする。

説明短いな。

片手剣は盾が装備できるとか、スキルの特徴とか書かれていたぞ。

これにしよう。面白そうだし。

俺は解体用ナイフを取り出すと決定を選択した。

解体用ナイフを装備っていうか手に持つと装備って事になるのか。

ステータス画面もエネルギーとマナが表示されるだけで、装備欄とかも無いから装備したら強くなったのかが今一分からない。

まあVRゲームにありがちな手に持ったり着たりすれば装備って事にはなるんだろう。

ともあれ、釣りをするには竿が必要だ。

竿が売っている場所はどこだろうか。

道具屋辺りが妥当だよな。

俺はカーソルメニューの中から地図を選択する。

今いる街……名称はルロロナと呼ぶ。

その中で袋のマークが浮かんだ場所を見つけ、その方向へ歩く。

思いの他近く、というか目的も無く歩きながら魂人マニュアルを読んでいたのだが、幸運にも道具屋の目の前に俺がいた。

道具屋は灰色の四角い建物だ。横に袋の看板がちょこんと立っている。

既に何人か人がおり、人間、犬耳尻尾が生えた亜人、耳の尖り肌が白い草人、胸に蒼い宝石が埋め込まれた晶人と様々だ。

……何故か魂人が居ないが、偶然だろう。

道具屋に入ると品物が沢山置かれている。

回復用のポーションに始まり、種、汚れた紙、銅、金槌、鍋、フライパン、すり鉢、クワ、つるはし、スコップ、竿。

竿があった。

しかし木の棒に糸が括りつけられた、少年マンガにでも出て来そうなボロい竿だ。

と言っても、ここで竿を買わなければ釣りができない。

さてさて竿の値段は?

――600セリン。

ステータス欄に載っていたセリンって金の事だったのか。

しかし100セリン足りないぞ。

何か売れる物は……。

先程手に入れたばかりの解体用ナイフ、初心者用エネルギーポーション、現在着ている服。

肌の感触から下着はあるみたいだし、服位無くても後から購入すれば……。

初心者用エネルギーポーションが一個20セリンで売れるみたいだ。

「これを買い取ってくれ」

『はい、初心者用エネルギーポーションですね。一つ20セリンで買い取らせていただきます』