Выбрать главу

名前/絆†エクシード。

種族/魂人。

エネルギー/1300。

マナ/65。

セリン/0。

おや、エネルギーとマナが何もしていないのに増えている。

なんでだ? ああ、スキルにエネルギー生産力とかなんとかあったな。それか。

スキル/エネルギー生産力Ⅰ。

マナ生産力Ⅰ

エネルギー生産力Ⅰ→エネルギー生産力Ⅱ。

毎時間100エネルギーを生産する→毎時間200エネルギーを生産する。

ランクアップに必要なマナ10。

マナ生産力Ⅰ→マナ生産力Ⅱ。

毎時間5マナを生産する→毎時間10マナを生産する。

毎時間エネルギーを0消費する→毎時間エネルギーを150消費する。

ランクアップに必要なマナ25。

これを見て思った。

「うわ! 三時間分無駄にしてる!」

俺は直に二つのスキルをⅡにランクアップさせる。エネルギーが1150になり、マナが30になった。どうやらスキルのエネルギー消耗はランクアップした直後から発生する様だ。

しかし良く考えると一時間毎にエネルギーとマナが増えるのは良くないか?

でも、通常の種族でモンスター狩ってレベルを上げた方が早いのか? どっちなんだ。

まあいい。どうせ俺はスピリットなのだから、これでやっていくしかない。

そこでスキル欄を見ていて、薄暗い文字でスキルの中にフィッシングマスタリーⅠという物が増えている事に気付く。一応この三時間は無駄では無かった様だ。ちなみにあの程度の量、魚を捌いた程度では解体マスタリーは出現していない。

フィッシングマスタリーⅠを取得しようと説明文を覗く。

フィッシングマスタリーⅠ。

釣竿を使った全ての行動に10%の補正を発生させる。

毎時間エネルギー100を消費する。

取得に必要なマナは30。

取得条件、釣竿によるアイテムの獲得数が10個を超える。

ランクアップ条件、釣竿によるアイテムの獲得数が100個を超える。

ギリギリ取得できるが、取得するとエネルギー効率が毎時間マイナス50になる。

これはダメだ。

下手をすると何もしていないのに死亡って事も考えられる。

フィッシングマスタリーはエネルギー生産力のランクが上がってから取得する事にしよう。そんな風に考えながら、もう一度糸を垂らす。

「ん?」

竿を垂らした瞬間、とんでも無い力で引っ張られた。

「うわっうわわっ!」

いきなりの事で竿を強く握っていた為、俺の身体、今は女の子の身体が引っ張られる。

単純なSTR、スピリットの場合エネルギーが足りていないのか、一応に踏ん張ってみた、が――そのまま落ちた。

バシャーン、ブクブクブクという泡沫の音と共に身体が海水に浸かる。

一瞬、大きな魚が見えたが、直に視界から消えて行った。

くっ! フィッシングマスタリーを取得していたら釣れていたかもしれないのに。

逃がした魚は大きいというが……ともかく上に上がらないとな。

ゲームキャラクターだからか知らないが普段の俺より息が続く。俺は分身である絆†エクシードの小さな身体を見詰めながら橋の上に戻った。

「ふぅ……」

橋に上がると衣服が濡れていた。そういう判定もあるらしい。

というかアイテム画面を眺めるついでにステータス画面を確認したらエネルギーが30減っている。海に落とされるとかもダメージ判定に含まれるのか。

「それ以前に釣竿持って行かれた……」

呆気に取られるとは正にこの事だ。まさか初期資金とポーションを売って買った釣竿がこんな短期間で無くなるとは思わなかった。

「はははっ……良い度胸じゃないか……」

決めた。

あの魚、絶対釣って食ってやる。

商人アルトレーゼ

「ふふふ……」

あれから十分後。

持っていた鱗や骨、魚肉を全て売り払い、もう一度ボロ竿を買い直して戻ってきた。

ちなみに今度は餌も買ってきた。

代わりに全財産が65セリンとすっからかんだ。

ともあれあの魚、絶対に食ってやる。俺は根に持つタイプだ。

対戦ゲームとかでも熱くなって紡と度々やるのだが、生憎と勝率はあまり高くない。あいつ、対戦ゲーム得意なんだよな。一番得意なゲームがFPSという、戦争の申し子とでも扱っておくか。

しかし自分でも思うが海に向かって不敵に笑う女の子とかドン引きだよな。

まあ良い。あの魚……ぬしを釣ると決めた。

それがこの世界に俺がいる理由だと思うんだ。

なんかしょぼい気もするが、このまま黙っていられるか。

「さて、餌を付けてっと」

前回は何も付いてなかった釣り針に餌を付ける。

餌はミミズとかじゃなくて練り餌だ。

一番安い餌なのでしょうがない。金が溜まったらもっと良い奴を買う。今は我慢だ。

ちなみにルアーなんかも売っていたが湖とかもあるかもしれないな。

糸を海面に付けて竿の先に精神統一する。

雲なんかぼんやり眺めてられるか、俺はそんなに暇じゃない!

「来た!」

――アジ獲得。

餌を付けた影響か食い付きが良くなった気がする。

さすがに餌なしで引っかかるバカな魚はそういないという事なのかもしれん。

餌の在庫は30個。30匹釣ったら、また道具屋にいかなくてはならない。

しかし竿が引かれた瞬間、感覚的にいつもと違う物を感じた。

気付いていないシステム的な何かがあるかもしれない。気の所為かもしれないが意識して釣りしてみよう。もしも釣れる魚や品質に影響があるなら大発見だ。

ちなみに品質は絶対にある。

道具屋でアイテムを売った時、一つ一つ値段が違った。

小魚ばかりだったので売却値段はどれも高くなかったが、小さな物で1~3、大きな物で10~30セリンも差があった。

エネルギー生産力がⅢになったらフィッシングマスタリーの取得は決定だな。

「来た……」

今度は直に上げずに様子を見てみる。

やはり何か違う。

オーラの様な、例え様も無い浮き沈みが竿から両手に伝わってくる。

どの瞬間で引き上げるのが良いのか。

引きが強くなり、弱くなる。

若干、弱い時の時間よりも強くなった際の時間の方が短い。

「今だ!」

――イワシ獲得。