で、ラースペングー化していたブレイブペックルはふっと元の姿に戻って戦闘を再開する。
暴走じゃなくてチャージが溜まったから放った必殺技か?
味方を巻き込まなかったから非常に助かった。
中々便利だな
さっきのアレはなんだ?
守っているから早く攻撃しろペン
うん。命令にも無いし、ランダムで発動する大技って奴で間違いない。
また撃ってくれるとか期待しない方がよさそう。
な、なんだ!? ペックルがなんか大技放ったぞ
ペックルマスター専用のアレだろ
うわいいなぁ
今までの法則的に型落ち品がしばらくしたら出てくるから、その時に試そうぜ
雑魚を吹き飛ばしただけでまだ戦いは終わってない。
入手が面倒だったんだから強いのも納得か確かにこの手のちょっと優秀なキャラやアイテムってしばらくすると上位互換とかが出てきて、今までの奴は入手が簡単になるんだよな。
水の四天王
おいおい。こりゃあやばいんじゃないか!?
くっそきつい。運営イベントの難易度考えろよ!
罠担当、もっと前線に出てくれ。じゃないと復活する罠で身動きできねえ!
とネタプレイをぶっ放していた連中の余裕が徐々に削られていく。
しかもうまく前線を押し上げても津波で押されたり徐々に降る頻度の増す罠を復活させる雨が厄介すぎる。
挙句Cの6辺りから徐々に1に向かって大きな濁った水の玉みたいな何かが大量の魔物たちを引き連れてきているんだ。
あれが1にたどり着いたら防衛失敗なんだろうってことくらいは誰でもわかる。
ボスがあれなのか? 前線組のリーダー達が集中して足止めというか攻撃しているがどうにも攻撃が激しくて押され気味だ。
水玉は水で形作られた鮫を周囲に何匹も展開して襲わせ、水竜巻を出し、津波を引き起こして強力な水鉄砲で撃ち貫いてくる。
どいつもこいつも基本的には水属性攻撃を多用してくるし。
おい、闇影
なんでござるか、絆殿!
襲い来る魔王軍を倒してちょっと前線から下がって回復をしながら闇影に声を掛ける。
ここは手段なんて選んでいられそうもないぞ。アイツを止めなきゃ負けだ
罠と水玉が厄介すぎて頼りになる前線組も攻めあぐねている。
そもそも際限なく出てくる魔物たちを見るにやらなきゃいけない。
絆殿、まさかと思うのでござるが、まさかやるでござるか?
しょうがないだろ! 行け、闇影! アイツの水攻撃にはこれが一番だ!
なんで拙者だけなのでござるか!
そりゃあお前が戦闘が得意で俺は釣り人だからだよ!
嫌でござる嫌でござる! せめて絆殿も一緒じゃないと嫌でござる!
ええい! 駄々をこねるな!
捏ねるでござる! 拙者だけゲーム中ずっと笑い者にされるのは嫌なのでござる!
くっそ面倒な。
だがやらないとイベント失敗だ。
負けるのは非常に面白くない。
いや、俺達が負けたからって失うものなんてあんまりないんだけどさ。
それでも出来ることを尽くさないで何が遊びか。
俺は諦めの悪い男だぞ
今は幼女でござる
ごちゃごちゃうるさい! 結果を出せば黙らせられるだろ! 行くぞ闇影!
ううわかったでござる!
という訳で戦場の混乱の中でそっと俺達は前線から少しばかり離れた沼地の中でそっと沈み込んで姿を隠してそれぞれのストレージに潜ませていた強力な防具を取り出して着替えたのだった。
な、なんだ!?
最前線で水玉に向かって雷を帯びた剣で切りかかっていたリーダー格が俺達の接近に気づいて驚きの声を上げる。
わ、なんだあのネタ装備!
河童だ! あんな着ぐるみあるのか!
ネタ装備で来るなよ。釣りマスターと死神様はよ。河童ペアってか
不謹慎だとばかりに前線組の連中が眉を寄せる。
まあ見ていろ。
というか、この手のゲームだとネタ装備が本当はネタじゃない事って多いだろう。
ううこれも活躍するためでござる!
闇影はキュウリの巻物を取り出して魔法を唱えた。
バーストサンダーレインでござる!
水玉の取り巻きにいた雑魚がそれだけで吹き飛び、水で形作られた鮫が半数消し飛ぶ。
ヘイト&ルアーⅡ!
ヘイトを稼いだからか鮫が一斉にこっちに向かって突撃してくるが俺とブレイブペックルが盾となって受け止める。
狙うは本体の水玉だ。すると水鮫は俺に向かって突撃してくる。
ゴスゴスと水の鮫は攻撃してくるがエンシェントドレス着用時よりもダメージは遥かに少ない。
うおなんかすげえ、釣りマスター達半端ないな
水耐性装備か!
良いから攻撃! こっちとしてもこんな装備で戦いたくなかったよ!
気持ちはわかる。ネタ装備で楽しそうだけど
カッパッパー!
うるさい。黙って戦え。
行くでござるよー! はぁああああ! サンダーボールでござるぅうううう!
闇影が相変わらずここでも無意味に雷の玉を作り出して水玉に向かって突撃して押し付ける。
河童に続けー!
せめて釣りマスターって言えええええええええええ!
と言いながら俺は釣り竿を振りかぶって白鯨骨のルアーを当てる。
すると白鯨の尻尾の幻影が現れて水玉を叩きつけた。
闇影の雷の玉も水玉に突き刺さり、ほかのプレイヤー達の攻撃がどんどん命中する。
連撃でござる! はぁあああああああ!
闇影の右手が光り輝き水玉の侵攻先の背後から突き刺す。
その固有技をここで放つのか。
すると水玉がバシンと弾けて中に潜んでいた奴が姿を現した。
うぐまさか人間共にこの水の四天王アクヴォルの姿を晒すことになるとはやるようだな』
というセリフをなんか、大きな人魚っぽい美少女が姿を現して銛を手にして言い放った。
うわぁ、如何にも狙ってますみたいな外見。
仮に醜い本性があっても外見だけで一定の人気が得られるタイプのモンスターだ。
セリフがあるし、ボスモンスターかな?
うほおおおお!
美少女ボス様だぁあああああ!
アクヴォル様ファンクラブ設立決定! メンバー募集中!
ブヒィ! その尻尾で叩いてください!
時代はグラマーだよなー!
やかましいぞお前ら! ネタセリフを言わなきゃいかんのかお前らは! とか言いたくなる戦場チャットが巻き起こる。
絶対に本気では言っていない奴が大多数だろう。
それに引き換え俺達はなんだ? 河童だぞ?
良いだろう。多少歯ごたえが無くては面白くもない。覚悟するが良いわ!』
という、いかにもなセリフと共にアクヴォルと名乗ったボスの姿が変化していく。
カサゴっぽい顔の大きな人魚みたいな姿になり、両腕や尻尾に氷を纏わせ、巨大化した銛を持って振りかざして来た。