おや? そこそこ趣味人みたいな感じだろうか?
そういえば顔文字さん、全体的に和風狐耳魔法使いぽいけど、農夫みたいな装備をしている。
一流戦闘ギルドのマスターがそんな考えとは意外だ。
いや、むしろこのゲームのシステムに理解が深いって事かも知れない。
ステータス画面に表示される部分以外にも隠しステータスや経験が影響している所があるしな。
姉さんを見ると。
誰も彼もアンタみたいに最初からネタプレイなんてしないのよ。しっかりと戦って稼げるようになってからサブ要素に手を付けたりするものでしょ
まあ、この手のゲームでいきなり釣り専門で遊ぶなんてせず、魔物相手に戦ってそれなりに強くなって稼げる様になってからサブ要素に取り組むってプレイはわからなくもない。
俺の場合は姉さんや紡が稼いで強くなった後に引き上げて貰う予定だったし、二人もその予定だった。
田舎で1から開拓するというのは夢じゃったんじゃが色々と忙しくてのう
どうやら最初からエンジョイ気質のある人だったみたいだ。
ただ、円滑にゲームをプレイする軍資金が欲しくて戦闘を優先した感じか。
そうこうしている内にパーティー、ギルドが大規模化していって農業をやっている余裕が無かったとかだろう。
じゃあ開拓イベントはモロ好みって所だった訳か
そうじゃな。隠されたイベントを見つけて開拓地を得た時はとても嬉しかったものじゃ
と、顔文字さんは背後に広がる砂漠のオアシスとその周囲にある建物を見せる。
オアシスの近くには畑が沢山あるようだ。
そんな一流の人がなんで俺に? 姉さん経由なのはわかるけど親しい友人から優先して呼んでいったりするもんじゃない?
効率主義で使えそうな人材を呼んでいった結果、姉さんが最終的に後回しになったとかじゃないのか?
こう姉さんって闇影枠だったんだーとか紡が言ってたし
ちょっと絆。闇ちゃんの噂は知ってるけど私をその枠扱いしないでよね!
見知らぬギルドの人たちとの開拓生活といっても俺が出来る事なんて釣りくらいなもんだ。
いや、開拓を促進するために効率の良い人材で俺が呼ばれたとかか?
姉さんがいると言ってもなアルトもいる感じか?
あ、そうそう。ならアルトも呼ばれてる感じ?
お主のギルド専属をしておる商人じゃな。呼んでおらんぞ? 奏にも聞かれたの
ウサウニー
ええ、来てないわよ
え? アイツ、呼ばれてないの?
俺の質問に顔文字さんと姉さんが頷く。
じゃあ別の開拓地に呼ばれたって事か?
いったい何個あるのかわからないけどいや、開拓時にあった宝箱のボタンを思い出すに四箇所はありそうだ。
あくまで可能性だけど。
どちらにしてもアルトとは合流出来なかったって事で良いか。
食料が残り少ないピョン。早く植えないとみんな動けなくなっちゃうピョン
と、話をしているとサンタ帽子を被ったウサギが顔文字さんに近づいて声を掛けていた。
そっと視線をウサギに向けていると顔文字さんも気付いて指さす。
アレはこの開拓地でのお助けキャラであるウサウニーじゃ。カルミラ島で言う所のペックル枠じゃな
そうだろうなとは思ったけど
腹減ったアピールしてるけど、大丈夫かココ。
ウサギとブラウニーが力を合わせてーウサウニーになったんだピョン! っとか言っておったぞ
ブラウニーも確か妖精だったな。
じゃあ他の開拓地域にも似た様なのがいそうだ。
開拓地にはそれぞれいるって事なんだな。俺は宝箱を開ける際に四つのボタンで魚を選んだらペックルが出てきたんだけど
四つ? 妾が見た時は一つじゃったな
となると先着順か?
俺が魚を選んだ結果、ペックルが出て残りが三つになった感じだろうか。
つまり砂漠なのに畑なのは運が悪かったな。
考えてみれば海にある無人島でペックルとか、相性的には最高だった気がする。
もしも砂漠でペックルだったらどこかに釣り場があるか。
多分あのオアシスが希望になるんだろう。
可能性はあるのう
となると開拓地は合計4つである可能性が高まるか。
妾が見た時は人参のボタンしか無くての。押したらこのウサウニーが出てきた形じゃな
なるほど雇用したペックルはどうなった感じ?
帽子が送られてきてこのウサウニーに渡した所、新しくウサウニーが召喚されて能力が引き継がれた形じゃ
コンバート機能付きなのか。管轄は別って事なのかも知れない。
で、さっきのウサウニーの報告はこの開拓地の状況報告に他ならない。
食糧不足って事なんだろう。
開拓もそこまで進んでない感じか?
それでじゃの友人をという話なのじゃが、ここからは暗い話になるんじゃが
と、顔文字さんはこのプラド砂漠で起こった話を語り始めた。
顔文字さんも開拓地を授かった事によって意気揚々とイベントに励んだ。
やがてウサウニーに聞かれてフレンドを呼んでいった。
呼ばれた友人達もカルミラ島の島主パーティーの如く、成功を掴めるとやる気に満ちた返事が得られた。
結果、砂漠のダンジョンが開かれた。
ここまでは順調だったらしい。
砂漠で得られるドロップ品がカルミラ島で得られる品と大して差が無い事に気付くまでは。
元々前線組を自負する程の者たちのギルドだった訳で、カルミラ島が開かれた段階でやりこんでいた訳で既にクリアしたダンジョンと同じ難易度では歯ごたえが無い。
挙げ句開拓には相応に時間が掛かる。
進めているようで全く進めていない様な焦りが開拓メンバーに起こり始めた。
しかもミカカゲへの攻略もあったどっちを攻略するのが正しいのかという迷いも大きくなっていく。
あっちの方がより俺達は強くなれたんじゃないか? って話がよくされる様になっていった。
妾も色々と頑張っておったし、徐々に開拓も進んでおったのじゃよ。じゃが外界の者たちの方が高難易度のイベントがあると人を呼ぶ毎に装備品から何までここより強力な装備を持ってこられてのう。主にカニ装備に始まった品々じゃな
まあ、汎用性ではカニ装備は相当有名だもんな。
出店は俺達の所からだった訳で。
仕舞いには呼んだ所で型落ち開拓地に呼ぶんじゃねえよ!』と罵倒までされる始末少しでも遅れを取り戻そうとみんなダンジョンに潜りきりになり、妾は一人開拓をのう
うわ未だに戦う事しか頭にないって偏ったゲームプレイをしている連中がいるのかよ。
アルトが言葉を濁していたのはこういう部分の事だろうな。
呼んだ当初は島主パーティーよりも遙かに強くなれるとやる気を見せていたんじゃがなあやつ等仕返しに来ても追い返してやると毎日恨み節を呟く者もおったぞ