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普通のVRゲーム機を使ったら一度位ラグが発生するレベルなのだが、驚いた事に乱れ一つ無く、更には解像度も非常に良い。

さすがは専用機材といった所か。

テストを終了します。全ての手順が終了後、ゲームを起動します。

それにしても耳を介さず脳に直接言葉が送られて来るのはあまり慣れない。

SFの世界にでも入り込んだ様な錯覚を覚えるが現代の科学力は思ったよりも高い。

興奮とでも呼ぶのが適切なのだろうが、妙に落ち着かずキョロキョロと周りを見回していると突然ブツンと視界が途切れた。

今のは、ちょっと嫌な感覚だな

ゲームに限らずダイヴ系機械全般に言える事だが、突然視界が消えるのは、テレビの電源を切ったみたいに感じて苦手だ。

まるで今まで暮らしていた場所が現実では無かったみたいな、そんな感覚だ。

It is blessing to your life!

直訳で貴方の人生に祝福を』か?

英語はそこまで得意でないので分からん。

そんな事を考えていると俺の意識は少しずつ薄れていった。

読んでいただきありがとうございます。

リハビリ用に書いていた私小説の量が多少出来たので投稿。

ご都合展開などがありますが、良ければよろしくおねがいします。

メインで書いている方の投稿が滞っている理由は、

活動報告に書いておきます。

解体ナイフとボロい竿

第一都市ルロロナ。

意識を失っていたのはほんの数秒か。

いや、リアルの時間で換算すると1コンマも眠っていないのだろう。

ゲーム会社の説明を信じるならば、この瞬間からリアルはゲームと全く違う時間を流れている事になる。

説明通り、ゲーム終了まで俺達はこの世界で生きていく事になるって事か。

周囲を見渡すと現実以上の光景が浮かぶ。

白い石畳、遠く見える西洋の城よく見ると石畳が若干薄汚れている。例えるなら現実感とでも呼べば良いのか。確かにそこに存在している、そんな汚れだ。

辺りからはログインした奴等が俺と同じ様な反応をして、更には声に出して、雑踏街の様な喧騒が起こっている。

VRMMOをプレイした事はあるが、ここまでレベルが高いのは初めてだ。

先程まで考えなかったが、直接サーバーに接続出来るのも理由の一つなのでは無いだろうか。

さて、感動も程々にゲームでも始めん?

妙に高い声が響いた。

キャラクタークリエイトでは声のタイプまで自由に細かく調整できるのだが、システムをふんだんに使いました、みたいな女声だ。

確か俺は渋くて厳つい野郎の声を作成したはずだ。

間違ってもこんなロリボイスじゃない。

何かの設定ミスだろうか?

嫌な悪寒がする。

俺は現実と同じ様に動く身体を眺める。

どう見ても女の子です。ありがとうございました

思わず呟いていた。

というのも長い漆黒の髪、幼い身体、小さなお手々、小さなお足、貧相なお胸。

衣服は初期装備なのか簡素な白地のワンピース。

ご丁寧にスカートを着ている感覚が再現されていて、股下がスースーする。

絆†エクシード』さんに複数チャットが届きました。参加しますか?

脳内に直接音声が響く。

送り主は紡†エクシード』知らない奴だ。

良く考えると俺の名前に似ている。俺をハメた犯人だな。

俺は複数チャットとやらに参加すると念ずるとチリーンというシステム音と共に二人の声が聞こえてきた。

あ、お兄ちゃん?

やほ~

二人の声が響く。

リアルと同じボイスを使っているのか、声に変化は無い。

あ、お兄ちゃん? じゃないわ! 何でキャラの外見から名前まで変わってるんだよ! 後そっちに愚姉、後で覚えてろよ!

姉の名前は奏†エクシード』二人のセンスに文句を言ってやりたい。

三人共苗字同じ、しかも漢字+記号+カタカナって厨二病末期じゃないか?

だってお姉ちゃん、妹がもう一人欲しかったんだも~ん

あたしも妹が欲しかったんだ!

はぁ

思わず溜息が出た。ゲームの中で溜息を吐く事になろうとは。

俺がどんな外見にするのか聞いてこないと思ったら、昨日の内にデータを書き換えられていたみたいだ。

それにね?

ゲームの世界で何ヶ月、もしかしたら何年も暮らすんだから繋がりが欲しかったの

姉さん

どうやら一応の理由はあるみたいだ。

いや、まあだからって俺を女にするか? 立派な不正アクセスに分類されるんじゃね?

というか俺、ゲーム終了までネカマプレイ強制かよ!

最悪だ。

それにね

ああ

姉弟妹って書くより三姉妹の方が語呂、良いと思うの

これ笑うとこ?

普通に怒る所だよな。

はぁ分かった。もうそれで良いよ。性別が違った方が第二の人生って感じだしな

女兄弟に一人だけ男だと、こういう理不尽は何度も経験している。

楽しいゲームで家族相手に怒るのはお互い面白く無い。ぐっと言葉を飲み込んだ。

お兄ちゃん、これからどうする?

ん~一応釣りスキルを手に入れて、釣りでもしてようかと

マイナーなのやるんだね。絆お兄ちゃん

絆お兄ちゃん

なんだろう、この例え様も無い程のしっくりこない感。

慣れなきゃいけないんだろうけどな。

あたしは普通に狩りの予定だけど、奏お姉ちゃんは?

何を装備するのか決めてないからお店回ってみようかしら

じゃあ別行動って感じかな?

そうだね。後でまた電話じゃなくてチャット送るね

おう

チャットが終了しました。通常会話に戻ります。

さて、当初の予定通り釣りでも始めるか。

確かスキルは習得制だったはず。

俺は意識してカーソルメニューの中からステータス、スキル、アイテムの画面を開く。

名前/絆†エクシード。

種族/魂人。

エネルギー/1000。

マナ/50。

セリン/500。

スキル/エネルギー生産力Ⅰ。

マナ生産力Ⅰ。

アイテム/初心者用武器ボックス、初心者用エネルギーポーション×10、魂人マニュアル。

俺はアイテム欄の魂人マニュアルを選択する。

すると文庫本サイズの本が手元に出現した。

ページを開くと日本語では無い文字が羅列している。

しかし何故か読む事が出来た。魂語と呼ぶらしい。

えっと

魂人は他種族と違いレベル、HP、MP、STR、AGI、INT、MIND、DEX、LUKが存在しない。

それ等全ての数値をエネルギーとし、エネルギーが多くなればなる程強くなる。

エネルギーが増えれば無限に敵からの攻撃を耐える事も可能となるがHPダメージもMP消費もエネルギーから計算するので気を付けなければならない。