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隠れた場合、アルトが真剣に目を凝らし場所を探知して追撃を掛けるが、その間もハーベンブルグ伯爵が攻撃してくる。

地味に嫌な連携だ。

硝子の注意を受けて背後にソウルイーターが次元の穴を通して移動しているのに気付いた。

これは避けられない。

避けられないなら、無意味に攻撃を受けるのだけは防ぐ。

おらっ!

ケロベロススローターをソウルイーターに向けて振るう。

ソウルイーターの攻撃と俺の攻撃が交差する。

所謂、肉を切らせて骨を断つ。

あるいは捨て身の一撃。

受けるダメージはケルベロスと比べると控えめな670ダメージ。

一応ギリギリシールドエネルギーの範囲なのでマイナスにはなっていない。

輪舞二ノ型・吹雪!

俺の攻撃に合わせて硝子はスキルを使う。

桜の花びらが吹雪くような演出が発生し二つの扇子でソウルイーターを切り裂いた。

お怪我は大丈夫ですか?

ああ、硝子の言い方だと傷は浅い。まだ行ける!

ソウルイーターへ武器を向けながら状況報告をしながら動く。

紡さんと闇子さんにはあちらを任せていますが大丈夫でしょうか

紡は対人の方が得意だからな。闇影も幽霊よりは骸骨の方が怖くないだろう

そうですね。絆さん

助けに来てくれてありがとうございます

今更何を言うのかと思えば感謝の言葉か。

さっきも聞いたが硝子はこういう所がしっかりしている。

感謝の言葉は必ず告げるし、悪い事と思えば謝る。

それを言い出したら俺だって沢山感謝の言葉を言わなければならない。

男って奴はそういうのが恥ずかしかったりするんだけどな。

嬉しかったんです

俺もだ。あいつを倒したら、聞いてほしい事があるんだが良いか?

はい。必ず!

若干死亡フラグを立てた様な気がするが気の所為だ。うん。

そしてソウルイーターへと飛ぶ硝子の後に続いて不意を突く。

本当、これが終わったら戦い方の基本とかを教えてもらおう。

しぇりるさん。行けますか?

ん。ボマーランサー

もはや固定砲台と化したしぇりるがアルトを守りながら頷く。

アルト、悪いがお前少し邪魔。

いや、そもそもアルトの本領は戦闘ではなく、商売だとは思うが。

銛スキルを受けたソウルイーターは少しよろめく。

その隙に硝子と共に攻撃を繰り返す。

さすがにリミテッドディメンションウェーブなだけにケルベロス程強くはない。

そしてハーベンブルグ伯爵を受け持っている二人に視線を向ける。

ホーリーバースト!

ええええぇぇぇぇ!?

闇影が光魔法使っている!

キャラがブレてるぞ。

お前はドレインバカだろうが!

ま、まあ闇影はそこ等辺を考えられない位骸骨船長が怖いのかもしれないが。

にしても、光魔法使えるとか初耳だぞ。

俺は現実から目を逸らす、もとい現実に戻ってくる為にソウルイーターに視線を戻す。紡? 闇影の一件で完全に俺の心から吹っ飛んでいった。

多分大丈夫だから問題ないさ。

視線をソウルイーターに戻すと硝子が俺を難しい表情で見ていた。

絆さん。先程使っていた剣を貸して頂けませんか?

エネルギーブレイドを? 何をするつもりだ

こちらから与えるダメージがあまり効いていません。おそらくは属性的問題があるのかと私は考えております

確かに、随分と攻撃を繰り返しているがダメージが入っている様には見えない。名称がソウルイーターだからな、霊属性みたいな無属性攻撃に抵抗があるのかもしれない。

その点、最初の一撃は妙に効いた気がする。

影から引き摺りだした挙句、苦しそうにしていたからな。

わかった。でも気を付けろよ。外したら終わりだ

承知しました。必ず当てて見せます

柄だけの剣、エネルギーブレイドを投げ渡すと硝子はあっさりと手に取った。

片方の扇子を腰帯に差すとさながら短剣と剣を持った剣士の様に扇子とエネルギーブレイドを構えてソウルイーターを睨みつける。

そして脳を冷たくするかの如く呟く。

五万充填

おいおい、入れ過ぎじゃないか?

大丈夫です。必ず当てて見せますくっ!

剣を向けた直後、ソウルイーターはまるでこちらの攻撃を読み取った様に回避行動にシフトした。

おそらく威力の高い攻撃に反応するAIでも積まれているのだろう。

現代のプログラムなら可能だろうが嫌な行動パターンだ。

硝子、こちらで誘き出して見せる。安易に振るな。最高の状況で最高の一撃を与えるぞ

はい! 信じます

こちらの動きを読み取ってしぇりるはソウルイーターの影をボマーランサーで当てようとしているが、回避行動にシフトしたソウルイーターは泳ぐ様に次元の穴を移動して簡単には当たらない。

その間、俺達の後ろでは紡と闇影が死闘を繰り広げている。

早くしなければならないが。

ああ、クソッ! ちょろちょろと魚みたいに逃げ回りやがって?

次元の穴。

黒い影をまるで泳ぐかの様に移動するソウルイーターを例えての言葉だったが、凄く的を射ている。よくよく見てみれば獣っぽいが大きな魚類にも見えるソウルイーター。

まさか。

仮に外れていてもヘイト&ルアーⅡは敵のヘイトを稼ぐ事ができる。

俺を狙って攻撃してきた所を硝子のプレイヤースキルなら当てられるはず。

燃えるじゃないか。

俺はステータス欄、スキル欄などを呼び出して準備を始める。

エネルギー/57630。

マナ/12070。

セリン/68780。

スキル/エネルギー生産力ⅩⅡ。

マナ生産力Ⅸ。

フィッシングマスタリーⅧ。

ヘイト&ルアーⅡ。

解体マスタリーⅤ。

クレーバーⅤ。

スライスイングⅡ。

高速解体Ⅳ。

船上戦闘Ⅴ。

未取得スキル/エネルギー生産ⅩⅢ、マナ生産力Ⅹ、フィッシングマスタリーⅨ、舵マスタリーⅠ、夜目Ⅰ、一本釣りⅠ、都市歩行術Ⅰ。

一本釣りⅠ。

釣竿を使った補助スキル。

釣りによって魚やモンスターを釣り上げる為のスキル。

一回の使用に300のエネルギーを消費する。

取得に必要なマナ1000。

取得条件、釣竿によって釣り上げたモンスターが1000匹を超える。

ランクアップ条件、釣竿によって釣り上げたモンスターが5000匹を超える。

なんとも都合良く欲しいスキルが未取得スキルに入っている。

スキル説明から、おそらく巨大ニシンや巨大イカの様な大物を釣り上げる為のスキルだ。

条件はモンスターキラーフィッシュみたいな奴か。

俺も随分と釣りを続けているからな。何匹魚を釣ったかなんて覚えていない。