ごめんでも、もう、我慢できないよぉ
くちゅくちゅと秘所に自らの指を這わせながら、彼女はそう訴えた。
今回はソフィアと交わる協力をするためのものだと、了解してはいた。いたが、あまりにも濃厚なOlとソフィアの交わりに当てられて、もう限界であった。
そして、それは何もユニス一人に限った話ではなかった。
周りを取り囲んで一心に視線を向ける妻たちの顔を見て、Olはソフィアを見た。
ソフィアはこくりと頷いて、この上ないほど幸せそうな表情で、言った。
みんなで、たくさんえっちしよ
瞬間、Olの姿が数人に分かれた。
これは!?
わたし達は四人が一人になってたんだから逆も、出来るかなって
驚愕するOlに、ソフィアは答える。いくつもの形代を操っている時の操り人形を操っているような感覚とは違い、すべてのOlが意識を持ち、その感覚を共有していた。
そしてそれと同時にソフィアを含む二十七人の妻達もまた、その感覚を共有する。それはソフィアとOlの二つのダンジョンの、睦み合いであった。
ソフィアの奥を突きながら、サクヤを抱き寄せ胸を鷲掴みにし、ユニスの舌を貪りながら尻を掴んで弄ぶ。
リルの胸を両手で揉みしだきながら、ミオの献身的な口づけを受け入れ、馬乗りになったザナに種付けする。
スピナの喉奥に精を流し込みながら、メリザンドとマリーの膣内に指先を突き入れ膣壁を擦り上げる。
ナジャとエレンの褐色の胸を鷲掴みにしつつ、寄せ合ったもう片方の乳首を纏めて口に含んで吸い上げ、オリヴィアのたっぷりした乳房の間にペニスを挟んで犯す。
床に突っ伏すようにして尻を高く掲げ、秘所を指で開いて晒すユツ、イェルダーヴ、Shalの膣内へと交互に突き入れる。
左右から抱きつき口づけをねだるセレスとパトリシアに応えながら、ラーメスの頭を両手で抱え、その口を激しく犯す。
塔のように重なって尻を向けるウィキア、ホスセリ、ノームの六つの穴を、順番に指と口とペニスとで満たしていく。
プリシラ、Faro、テナが顔を揃えてOlのペニスに舌を這わせ、チルとミシャの膣内を指で擦り上げながら、タツキが両手で掬い上げるようにして掲げる乳房を唇で食んでいく。
舌、唇、胸、膣、尻、ありとあらゆる部分で感じる快楽が互いに何重にも重なって、Olは間断なく妻達の身体に吐精する。相手を変え、組み合わせを変え、行為を変えて、何度も何度も。
──太陽がのぼり、そしてもう一度沈むまで。その宴は、続いた。
拝啓。パパ、ママのみんな、おげんきですか?わたしは元気です。
相変わらずトスカンおじいちゃんは厳しいけれど、ダンジョンの運営もだいぶ軌道に乗って、やっと何とか一段落といった感じです。
ザナさんやラーメスさん、サクヤお姉ちゃん達とも仲良くやってます。ザナさんとラーメスさんは相変わらず喧嘩ばっかりしてますけど、あれはあれで仲がいいんだと思います。思うことにしました。
ところで最近タツキお姉ちゃんを見ないんですが、どこに行ったか心当たりはありませんか?タツキお姉ちゃんの事だから心配ないとは思うんですが、心配です。
そう言えばラーメスさんは、結局太陽神の棄教を決心したみたいです。代わりにこれからはわたしを信仰すると言われてちょっと困ってます。
これから寒くなる季節ですが、お体にはくれぐれもお気をつけて。また手紙を出しますね。
──親愛なる、ソフィアより。
Olは愛娘からの手紙をゆっくりと読み上げると、長く息を吐きながら椅子に身体を預けた。
あのあと。Olは新大陸に別れを告げ、己のダンジョンでの生活に戻った。ミシャとの契約は、一年しか持たない。自由自在に境界を操る術をなくし、Olは遠い地の娘と会う方法を失った。
なにせ船で行こうとすれば片道一ヶ月かかる距離である。多忙な王であるOlが娘と会うためだけにそうそう留守にする事もできず、ソフィアの方は己の領域であるダンジョンを離れられない。
航路自体は確立できたから交流はあるものの、こうして送られてくる手紙だけがよすがであった。新大陸での一年あまりの冒険と戦いが、まるで夢物語のように感じられてしまう。
もう一度深く息を吐き、Olは返事をしたためようと羽ペンにインクをつける。
ジリリリリリリ、と侵入者を示す警報が鳴り響いたのは、その時のことだった。
何事だ!
この警報の音は、Olが初めてダンジョンを作ったときから変わらぬもの。即ち、ダンジョンの最奥、Olの住む居住区まで侵入を許した時の音だった。
そこまで侵入するような相手は滅多にいない。ことに、こうしてダンジョンを天と地に分けてからは初めてのことであった。
侵入者はどのような奴で、何人だ!?
それが、何ていうか
Olに問われたリルは、何やら妙な表情で言葉を濁す。どういう事だ、と問い返す暇もなく、いきなりOlの部屋に大量の水が流れ込んできた。しかもただの水ではない。舌先に感じるピリピリとした塩気に、Olはそれが海水であると知る。
おうるー!
そして思考がその存在に至るより早く、飛びついてきたタツキにOlは押し倒された。
タタツキ!?
あいにきたよー!
ぎゅむぎゅむとOlの顔を己の胸に押し付けるように抱きついてくる海の女神に、流石のOlも目を白黒させた。
ここまで泳いで、来たのか!?
船の距離で一ヶ月。難攻不落の罠と魔物に満ちたダンジョン。それを海水とともに、渡ってきたというのか。
そうだよ!
よもやと思いつつも問うたその言葉に、ざばりと周囲の海水を纏うようにしながら、タツキはこくりと頷いた。
明らかに海からは遠く離れているが、海水さえ周りにあれば問題ないというのか。
言うのだろうな
相変わらずのむちゃくちゃぶりに、Olは声を上げて笑った。
リル。タツキの部屋を用意させろ。この調子でダンジョン中を塩だらけにされては敵わん
とりあえずお前はこの中にでも入っていろ
Olはそう言って、ダンジョンキューブを展開し即席の浴槽を作り上げる。
あ、なつかしい、これ!
タツキは海水ごとちゃぷんとその中に入り込んで、踊るようにくるくると泳ぎ回る。そういえば最初にタツキと出会った時も、こうしてダンジョンキューブの中に捕獲したのだった。
しかし自由な奴だ。他の神は己の領域を離れられぬと言うのに
いやと、Olは思う。それは自分も同じことだ。
だって、海はぜーんぶつながってるんだよ
腕を広げ無邪気に言うタツキに頷きかけて、Olは目を見開く。
そうか。はははは!そうか、その手があったか!
すぐさま彼は執務机に座って、計算を始めた。
こちら側とあちら側、どちらが早い?いや、言うまでもない、双方からだ。となれば綿密な計算が必要になる地図をしかし海の上でどうやって