その、はしたない女と思わないで欲しいんだが
今しかない。そう思い、ナジャは率直に言った。
私をその、抱いて、くれないか?
いいのか?
目を見開くアランに、ナジャは頷く。
この後、Olに無理やりされる可能性もある。そうでなくとも、無事帰れるかどうかもわからない。こんな稼業だ、覚悟はある。それでも、初めてくらいは、好きな男に抱いて欲しい
わかった
アランはゆっくりと、優しくナジャを抱きしめ、そっと唇をかわす。そのまま首筋に唇を這わせながら、ベッドに押し倒していく。
ナジャ
レオナと呼んで
普段の男勝りな態度とは打って変わった、弱弱しい口調でナジャはそう囁いた。
私の真名は、レオナというんだ。レオナ・ジャーヴィス。それが、私の本当の名だ
ざ。
綺麗な名前だ。レオナ
あっ
アランはナジャの服を捲り上げる。その豊かな胸元から、赤い茂みを備えた秘所までが丸見えになった。
あ、あまり見ないでくれ恥ずかしい
どこも恥ずかしい所なんてないさ。綺麗だよ、レオナ
んんっ
胸に舌を這わせるアランに、ナジャはぴくんと身体を震わせた。戦いに明け暮れた剣士の体だが、その肌には傷は殆どない。ナジャ自身の剣士としての腕の高さや癒し手のShalの技量ももちろんあるが、何よりもそれはアランが守った肌だ。
出会ったその時からアランは常に誰よりも前面に出、攻撃をひきつけた。そして体勢を崩した敵を屠るのがナジャの役割だった。
最初は線の細い頼りない男だと思ったものだったが、その評価はすぐに覆った。そして、それが信頼に変わり、やがて愛情に変ずるのはそれほど時間はかからなかった。
唇は胸からゆっくりと下り、腹を通って脚の間の茂みの奥へと辿り付く。
レオナ、脚を開いて
そっと脚を押すと、ナジャは顔を真っ赤にしつつもそれに従って両脚を開き、誰にも見せたことのないそこを晒した。
駄目だ、アラン、こんなの恥ずかしすぎる
両手で顔を多い、ナジャは情けない声を上げる。
可愛いよ。レオナ
言って、アランはそこに舌を差し入れた。
あぁっ
初めて気恥ずかしさからではなく、確かな快楽にナジャは高く声を上げる。アランの舌は縦横無尽にそこを蹂躙し、その度にナジャは波に翻弄される小船のように身体をよじり、声を上げた。
ア、アラン、私、もう大丈夫だと、思う、からっ
このままでは、わけもわからぬまま我を失いかねない。ナジャが声をかけると、彼女を怯えさせないようアランはゆっくりと彼女に覆いかぶさり、目を見つめた。
じゃあいくよ
アランは不思議そうにナジャを見つめた。それで、ナジャは一瞬自分の目がかすれたようになったことに気付く。目をぱちぱちと瞬かせるが、特に異常は見られない。
い、いや、なんでもないその、一思いにやってくれ
言って自分で情緒の無さに情けなくなるが、アランは優しく笑みを浮かべ、ナジャを抱きしめた。途端、ずぶりと貫かれる感覚がナジャの背筋を駆ける。じんわりとした痛みと共に、彼女は女としての幸せに包まれた。
大丈夫だ、これしきの痛みなんとも無い
心配そうに見るアランに、ナジャは微笑みかけて見せた。内臓を抉られる様な痛みは辛かったが、アランに与えられていると思えばそれも不思議な満足感を彼女に与えてくれた。
ただ、そのぎゅっとしてくれ
アランは頷き、ナジャを抱きしめるとゆっくりと抽送を始めた。
んっ、ん
しばらくそうしていると、最初は苦痛に声を押し殺していたナジャの声に、だんだんと甘いものが混じってくる。
突き入れながらアランが彼女の胸の先端に口をつけると、喉を反らせるようにしてナジャは鳴き声を上げた。
ああっ、あ、あ、あぁっ、アラン、アランっ
こんなにも甘くいやらしい声が自分から出るのか、とナジャは驚いた。アランの頭をかき抱く様にして、ナジャは快楽に身を任せる。
レオナ愛してるっ!
あぁ、アランっ、もっと、もっとして、もっと激しくああっ、アラン!
いつの間にか抽送は激しさを増し、水気を帯びた肉のぶつかり合う音が牢獄に響く。
レオナ、イくイくぞっ!
アランっ、中に中に、出してえぇぇっ!!
ざざ。
叫んだ瞬間、再びナジャの視界がブレた。
しかしそれがなんなのか考えるまでも無く、ナジャの一番奥までアランの物が突き入れられる。まるで鈍器で頭を殴られた時のように火花が散り、ナジャは身体を大きく反らせた。
~~~~~~~~~ああああああああ!!
自分が叫んでいた事にすら気付かず、絶頂するナジャの奥深くにアランはたっぷりと精を吐き出す。満足いくまで射精の快感を堪能し、アランがナジャの秘部からペニスを引き抜く時には、彼女はぐったりと気を失っていた。
アランはベッドを降りると、彼女の頭を軽くなでて囁く。
中々良かったぞ、ナジャとやら
その顔からは先ほどまでの優しい表情は消え、代わりにニヤリとした邪悪な笑みが浮かんでいた。
第10話欲にまみれた冒険者どもに絶望を与えましょう-3
あっ、ああっ、アラン、アランッ!
ベッドに横たわったアランの上で、ナジャは一心不乱に腰を振っていた。あれから幾度も肌を重ね、痛みを感じる事は全くなくなっていた。二人とも遠慮なくお互いの身体を貪り、愛欲にふける。
初めて肌を重ねた日、意識を失ったナジャが目を覚ますとアランの姿はなくなっていた。ナジャがおきてしばらくすると朝餉が黒アールヴによって差し入れられ、それから半日後、夕餉が届けられると共にアランが戻ってくる。
別々の間何をしていたのか問うと、アランは言葉を濁した。言いたくない事であれば無理には聞くまい、とナジャは彼を心配しつつも、問いただすのをやめた。
共に夕餉を摂ると、どちらからともなく手を絡ませ、再び睦みあう。情交の疲れで眠りにつき、目を覚ますとまたアランがいない。そんな生活の繰り返しが、ここ数日ずっと続いていた。
囚人生活はとにかく暇の一言だった。狭い監獄の中で、出来る事は何もない。とりあえず身体が鈍ってしまわない様に腕立てや腹筋などの筋力トレーニングを行うが、器具も訓練用の武器もない狭い室内では限界がある。食器を使って何とか脱走できないかと、壁を掘ろうとしてみたり、錠前を壊そうとしてみたりといった努力は全て徒労に終わった。
恐らく魔術で補強がかけてあるのであろう。壁や錠前は傷一つつかず、逆にスプーンやフォークなどの食器はすぐにぐにゃりと曲がって使い物にならなくなった。