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中に、膣内に出してくださいっ!お兄様のぉっ!子種ぇっ!精液、ください、あぁっ!犯して、中に出して、孕ませて!おなかっ!わたしの、おなか、おっきくしてっ!赤ちゃん、作ってくださいっ!

マリナの両脚がOlの腰をぎゅっと締め付け、秘部がぐりぐりと押し付けられる。言葉だけでなく全身を持ってOlに種付けをねだるマリナに、Olの限界も訪れた。

ではイくぞ!しっかり孕めよ!

はいっ!ちゃんと、妊娠しますっ!お兄様の、赤ちゃんっ!ちゃんと、孕むからぁっ!

腹の中でOlの男根が一際大きく膨れ上がるのを感じ、マリナはぶるりと身体を震わせる。一瞬の後、その先端から白濁の液が吹き出して、膣内を犯していくさますらはっきり見えるかのような質感。

それを感じながら、マリナは自分がほとんど無意識に膣口をキツく締め付け、Olのペニスを絞り上げるかのように腰を上下させていることに気がついた。

マリナ。それは

程なくしてOlもそれに気づく。その動きは、マリナの権能によって齎されたものであった。すなわち、最善手。目的に辿り着くために最も優れた手段を講じる力。

つまり今マリナは──神としての力を使ってまで、全身全霊で孕もうとしている。

膣口で浅ましくちゅうちゅうと精液を啜りながら、マリナは顔から火が出そうなほどに赤面した。

では、またな

はい。いってらっしゃいませ、お兄様

マリナの居城から少し離れた場所。月面に穿たれた巨大な井戸の前で、マリナとOlはそう言葉を交わした。

こうしてOlがマリナに会いにこれるのは一月に一度。満月の晩だけだ。それ以外では塞の神の力を持ってしても、大地から遠く離れたこの地に辿り着くことはできない。

ここで引き止め、夜を明かしてしまえばと、マリナはいつも思わずにはいられない。たった数刻Olの足を止めれば、少なくとも次の満月までは共にいることが出来る。

しかし、それは許されることではなかった。ただでさえ広大な国を治め、無数の寵姫を有する魔王であるOlが、忙しい合間を縫って丸一晩、マリナのために時間を割いてくれているのだ。それ以上を望めば、Ol自身はともかくとして、彼の愛妻たちが黙っていないだろう。

この度の結果は、その時にはわかるでしょうか

下腹を擦りながら、マリナは微笑む。そして言ってしまってから、まるで試すような真似をしてしまったな、と反省した。

何。できていなければ、できるまで試すだけの話だ

だが事も無げにそう答えるOlに、マリナは思わず彼の首に抱きついて口づける。

マリナ。あまり誘惑するな。名残惜しくなる

ごめんなさい

あながち社交辞令でもなさそうなOlの言葉に、マリナは渋々身体を引いて彼から離れた。

それではまた、一月後

ええ。また月の満ちるときに

小さく手を振るマリナに目配せをして、Olは井戸へと降りる。

──それが。

魔王Olがこの世界でかわした、最後の言葉となった。

第1話新たなダンジョンで目覚めましょう-1

いない。いない。いないいいないいない!

タンスを開け開き、ベッドの下を覗き込み、ゴミ箱をひっくり返し。

一体どこに行っちゃったのよ!?

薄っすらと涙さえ浮かべつつ、半狂乱で彼女──魔王Olの第一の配下であり、最も信を置かれた右腕であり、最愛の妻の一人でもある淫魔リルは、叫んだ。

そんなところにいるはずがないでしょう

いつになく苛立ちを滲ませた口調で言いながら、各地に使わせた分体達の視界を探るのはOlの一番弟子にして半人半スライムの魔女、スピナ。

ねえ、ソフィア。本当にダンジョンの中にはいないんだよね?

うん三回も全体走査をかけたけど、どこにも見当たらないよ

不安げに眉を寄せて問うのはダンジョンで育った少女、マリー。そしてダンジョンを司る神、ソフィアがそれに答える。

月からは帰ってきてるんだよね?

ただ一人、いつもとそう変わりない落ち着いた態度で問うのは、英雄のユニス。

そのはず例の地上に繋がった井戸に降りたところまでは見送ったって。マリナ様もパニックに陥ってるから、隠しているとかは無いと思う

難しい表情をしながらも、マリナを信仰する氷の女王、ザナはそう答えた。

ねえ!マリナの最善手の力とかいうので、探せないの!?

マリナの能力は、強力であるがゆえにそう気軽に目的を設定できるものではない、とは聞いていた。だがマリナ自身が狼狽えるような状況であれば、話は別なのではないか。

やってるわよ!やってるけどないの!あいつに、繋がる糸が!

一縷の望みを託してリルが問えば、ザナは堪えきれずに怒鳴り声をあげた。マリナの能力は目的を達成するための最善の手を導き出すものであって、何でも出来る万能の能力ではない。

その目的を達成する方法が一切ない場合、何もできない。

嘘、でしょ

その意味を悟って、リルはぺたんと地面にへたり込んだ。

あたし──

ぽつりと、ユニスは決意を秘めた声色で、呟くように宣言する。

あたしの能力なら

やめなさい

だがそれを、スピナが止めた。

なんで?あたしの能力なら、Olがどこにいようとそこに行ける!

ユニスの英霊としての名は跳ね駒。その権能は自由自在の転移である。ことに、その能力の根本をなすOlがいる場所へは、ユニス自身が場所を把握していなくとも転移することが出来るという、規格外の性能を持つ。

それで安全に戻ってこられるのであれば、ザナの啓示にそう出ているでしょう

だがしかし、欠点もあった。転移する前に、転移先の状況を知ることが出来ないのだ。

お師匠様は、何らかの原因で未曾有の事態に巻き込まれています。おそらくこの世界にはいない。魔界か、もっと別の場所か。いずれにせよ、月の女神の力の及ばぬ地に。であるならば、ユニス。あなたの能力も通じない可能性が高い

英霊の能力とは、すなわち神の力の残照のようなものだ。神自体の格の差を差し引いても、神そのものであるマリナの力と、既に滅んだ神の力を更に英霊の数だけ分割したものとでどちらが強いかは明白だ。

だったら、なおさら!

アークを親なし子にするつもりですか?

スピナの一言に、ユニスはたちどころに勢いを失った。

アークユニスとOlの間の子、アルクレインはもうすぐ三歳になる。だいぶ言葉も達者になったが、もしユニスが帰ってこれなかった場合、その理由を説明しても理解できないだろう。

Olにとっては唯一の男児でもある。リルやスピナ、他のダンジョンの面々とて彼を無碍には扱わないだろうが、Olとユニスの庇護がなくなれば、つまらない諍いに巻き込まれないとも言えない。

それでも、と言いかけて、ユニスは握りしめたスピナの拳から血が垂れ落ちているのに気がつき、はっと息を呑んだ。