スィエル家にとって大事なのはルヴェお嬢様です。ですが俺個人として大事なのは、クゥシェ様。あなたなのです。ですから、どうか!
追い詰められてようやく出てきた、おそらく今までずっと胸に秘めていたのであろう、切実なテールの告白。
だがその告白は、なんの感動も与えなかった。
Olにもそして、クゥシェ自身にも。
申し訳ありません、テール。あなたのその想いには応えることはできません。立場としてもそして、わたし自身の心情としても
すまなそうに、気の毒なものを見る目つきで、クゥシェは答える。恐縮したその態度が、かえって偽りのない答えであることを示していた。
時間を稼ぐための狂言とわかっていても、クゥシェが自分を選んでくれた時テールは嬉しかったに違いない。そこに、自分への想いが込められているのではないかと期待してしまったのだ。
でですが
お前はそろそろ黙っていろ
これ以上聞くべき言葉もない。Olはテールに沈黙をかけなおし、クゥシェの石化を解いた。
彼女は姉とは違って即座に攻撃してくるようなことはなく、するりと衣服を脱ぎ捨てる。浅黒いルヴェとは違い、雪のように白い肌。小柄なルヴェよりも更に小さく華奢な体躯には、しかし姉と比べても遜色ない二つの膨らみが実っていた。
大きなリボンでくくった長い黒髪を一度、さらりとかきあげると、クゥシェはOlの前に跪く。
そしてしばらく己の頭ほどもあるその剛直を見つめた後、困ったように顔を上げ。
あの、おじさま
その青い瞳でOlを見つめながら、問うた。
どうしたらいいかおしえてくださいますか?
これは勝負だろうが。お前は敵に教えを乞うのか?
その申し出に呆れたようにOlがそういうと、クゥシェは困ったように眉を寄せる。
ですが、性交とはお互いに気持ちよくなるための行為ですよね?どうしたら気持ちよくなるのか、相手に問うのはいけないことなのでしょうか?
ふむ一理あるな
Olはクゥシェの言葉に唸った。少なくとも一方的に快感だけを押し付け、一人善がりに気持ちよくなっていたルヴェよりもよほど本質を突いている。
いいだろう、教えてやる。ただしこちらに都合のいい情報を吹き込む可能性はわかっておろうな
そんなことをわざわざ仰るなんて、意外とお優しいんですね、おじさま
くすりと笑うクゥシェに、Olは食えない娘だと内心独り言ちる。
お前の言う通り、性交とは互いに気持ちよくなるための行為。本来ならば、愛し合う者同士が愛情を確かめるため子を成すために行うものだ
我ながら青臭いことを言っている、とOlは思うが、クゥシェは先ほどのように茶化すこともなく、真剣なまなざしでそれに耳を傾ける。
故に、簡単なことだ。愛せ。一時的なものでも良い。生娘であるお前に技巧など期待できぬ。それよりも心構えの方がよほど重要だ
クゥシェは目を閉じ、胸に手を当ててしばし黙り込む。まるでOlの言葉が己に浸透するのを待つかのように。
わかりました。では始めますね、おじさま
そしてそう宣言すると、まず彼女はOlの一物を小さな両手で捧げ持つようにして、先端に恭しく口づけた。その刺激に膨らんでいく肉茎を支えながら、ちゅ、ちゅ、と音を立てて何度もキスを落としていく。
これはとOlは目を見張る。
クゥシェにとってOlは自分たちを拘束した憎い男。姉をいいように嬲った仇敵なのである。たとえそうでなくとも先程であったばかりの見知らぬ相手だ。
だがとてもそうとは思えないような、愛情のこもった口淫奉仕だった。
動きは辿々しく、技巧は拙い。上手い下手で言うのであればルヴェよりも更に下だ。だが勝負の話であれば、姉よりもよほど強敵と言えた。
ここがいいのですか?
淡い青の瞳がOlを上目遣いに見つめ、反応をつぶさに観察する。ちゅ、と裏筋に口づけ、震えたそれを丁寧に舌で舐め上げる。
快楽を感じなくするスキル
その合間に、クゥシェはぽつりと呟いた。
なんてものはあったとしても使いません、よね?
無論だ
正々堂々とした戦い。そういう名目で始めた勝負だ。真っ向から確認されれば、そう答えざるを得ない。そして答えてしまえば、Olはその言葉に縛られる。自分自身さえ縛るからこそ、契約は意味を持つのだ。己自身で言ったことを反故にすれば、あらゆる呪いは効果を失う。
先ほどの方は、たしか、こう
クゥシェはダメ押しとばかりに胸を持ち上げ、Olのモノを挟み込む。柔らかな白い肉が赤黒い肉塊を挟んでぐにゃりと歪む様は、あたかも神聖で無垢なものが邪悪で粗暴なものに蹂躙されるかのよう。
その征服感と背徳感に加え、崩れてしまわないのが不思議な程に柔らかい乳房に一物を挟まれる快楽は、暴力的といってもいいほどのものだった。
だがそれは、Olにとってはむしろ好都合だった。胸と舌での奉仕というのは、簡単そうに見えてなかなか難しい。事実クゥシェはちゃんと胸で挟むのにすら苦戦していた。Olの一物はかなりのサイズだから挟むことそれ自体は難しくはないが、そこから奉仕しようと胸を動かすとすぐに外れてしまう。
ましてや先ほどのフローロのように乳房を左右交互にずり上げながら先端を口でしゃぶるなどというのは、かなり高等な技術なのである。動作に手間取れば意識はうまくやることに集中してしまう。しかしクゥシェの恐ろしさとは、技巧ではなくその献身的な所作にあったのだ。
とはいえ、クゥシェもすぐにそれに気づいたらしい。
少し悩む様子を見せた後、彼女は後ろを振り向きフローロに視線を向ける。
あの、そちらの方フローロさまと仰いましたでしょうか。一緒にお願いできませんか?
そして、とんでもないことを言い出した。
いいですよー
待て、流石にいいわけがあるか。お前も承諾するんじゃない!
あっさりと頷き近寄ってくるフローロをOlは怒鳴りつける。
でも、おじさまはそちらの方が気持ちよくなれますよね?
そうですよ!一人より二人、おっぱいが二つより四つの方が、Olも嬉しいでしょう?
真摯な眼差しでクゥシェが言い、フローロは悪戯っぽい笑みを浮かべながらそれに追従する。
確かにそのような条項は定めてはいなかったか
まさかフローロが敵に回るなどとは流石のOlも想定はしていなかった。事前に禁じておらずフローロ自身が同意している以上、止めることはできない。
チッ好きにしろ
はーい!じゃあOl、やりにくいので横になってください!
なんでそんなに楽しそうなんだ、と思いつつもOlはフローロの指示に従いベッドに横たわる。
じゃあOlのおちんちんを、二人のおっぱいで挟んじゃいましょう