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クラス委員の山峰さんが立ち上がって、二人を調停する

不承不承ながら遠藤は席についた

では、みなさん今日も楽しい一日を過ごしてねっ

女教師は楽しげにそう言うとスッと教室から出て行った

なあに、あれあの先生、やっぱり頭がおかしいんじゃないの

うん、ちょっと酷すぎるよね他の先生に相談する

もう少し様子を見てからにしようよまだ担任が代わってから二日目だし

そっかでも、こういうのってセクハラだよね

女の先生の場合でも、セクハラになるの

うーん、よく判んないな

でも、とりあえず、イジメじゃない差別じゃない

白坂さん、気にしちゃダメだよ

うん白坂さんの純愛は、あたしたちみんなが知っているからねっ

クラスメイトの女の子たちが、次々に白坂さんを励ます

うんみんな、ありがとう

白坂さんは、笑顔で友人たちに礼を言う

白坂雪乃は、もう処女では無い

白坂雪乃は、恋人ではない男とセックスしている

このクラスの中で、オレだけが白坂さんの真実をしっている

白坂さんの生身の肉体の感触を知っている

オレだけが

午前中の授業はほとんど寝ていた

仕方がない、オレはとにかく眠かったのだ

三時間目の数学の授業中にふと目を覚ますと白坂さんも相当疲れているのだろう、うつらうつらと居眠りしているのが見えた

あの優等生の、白坂さんが

ははっオレと一緒だね、白坂さんっ

昼休みになった

雪乃、弁当、どっかに食べに行く天気がいいから、屋上とか行こうか

えー、ここでいいよ教室で食べようケンジのお弁当箱、こっちに持っておいでよ

遠藤と白坂さんの恋人同士の会話

白坂さんはすっかりいつもの笑顔に戻っている

無理に作り笑顔をしているのか、遠藤と一緒にいるのが本当に嬉しいのかそれは、オレには判らない

えーっ、屋上行こうぜここだと、みんな居るしさぁ

朝の先生との対決で、クラスメイトの二人への関心が高まっている

卒業まで、キスもセックスもしないことを条件に、先生公認のカップルとなった二人だし

いいじゃない、みんなに見せつけてあげましょうよっ

笑う白坂さん可愛らしい笑顔

そんなら、ここでもいいけどさ

遠藤は照れて白坂さんの机に、自分の弁当箱を持って来る

オレは白坂さんが屋上に行きたくない本当の理由を知っている

今日午前中ずっと、白坂さんは自分の席に座りっぱなしだ

トイレすら行っていない

つまり白坂さんは、処女喪失の鈍痛でガニマタで歩く姿を遠藤に見られたくないんだろう

おそらく今彼女のスカートの中のパンティーは、垂れてきたオレの精液でベタベタになっている

本当に可愛い可愛いなあ、白坂さんは

あれっ、雪乃、今日は弁当じゃないんだ

白坂さんは、朝、弓槻先生に手渡された克子さんの包みを開いていた

他に食べる物が無いのだから仕方が無い

痛む身体で、購買まで行くわけにもいかないし

包みの中身は、サンドイッチだった

プラスチックの容器に入れられ綺麗に包装されている

うわっ、凄いなそれ、どこで買ったんだよ

克子さんの仕事は完璧だった

どっから見ても、街の大きなパン屋さんで買ったものとしか思えない

えっと駅前に新しいパン屋さんができたでしょあそこで買ったの

白坂さんが、適当な嘘を付く

へえ、あそこって朝からやっているんだ

うんそうみたいよ

あなたは今、恋人に嘘を付いています

心が痛いですか

罪悪感を感じていますか

オレも自分の席で、こっそりと包みを開ける

白坂さんと同じ物を食べていることを、他のやつに知られてはいけない

もっとも、オレに注目しているやつなんて誰もいないだろうけど

サンドイッチを一つ、食べてみる

美味い

克子さん、本当に料理が上手なんだなぁ

夕べの晩ご飯も、サンドイッチだったよな

で朝は、パンだった

そして、今またサンドイッチ

克子さんちょっと、パン好き過ぎじゃね

弓槻先生の趣味かもしれないけれど

美味しそうねっ一つ、貰っても良い

見上げると山峰さんが居た

ど、どうぞ

いただきっ

山峰さんの細い指が、端っこのサンドイッチを取って、ぱくりと食べる

うわっ、美味しい吉田くん、これ、どこのお店で買ったの

え、駅前にできた、あ、新しいパン屋あ、あそこで買った

とのあえず白坂さんの嘘をコピペする

少しノイズが出ているけど

う、うんそ、そうみたい

ってどの店のことなのか、オレは知らないんだけど

美味しかったじゃあ、これでチャラにしてあげるわねっ

な、何を

朝の救急箱のこと気にしなくていいからねっ

ああ山峰さんは

オレが朝の件で、彼女に気を遣わないようにわざわざ、自分から出向いてくれたんだ

ほんじゃあねっ

ニッと笑って山峰さんは教室から立ち去って行った

その背の高い後ろ姿をオレは見送る

こんなに優しい子だなんて知らなかった

もっともまだ入学して一月しか経っていないんだけど

ああ、ごめんね、ケンジ夕べは電話に出られなくて

耳に白坂さんと遠藤の会話が聞こえてきて、ハッと我に返る

オレ、何度も掛けたんだぞメールだって、送ったのにさ

ごめんごめん夕べは妹の勉強を見てあげてね、何か、くたびれちゃって、そのまま寝ちゃったのそれで、朝まで気付かなかったの

すらすらと嘘を並べる白坂さん

そんな可愛い笑顔で嘘がつけるんだ白坂さんは

そうだったんだじゃあ、しようがないな

あめでとう、レギュラー

へへへレギュラーって行っても、取りあえず次の練習試合に出して貰えることがせ決まったってだけなんだけどな

でも、スゴイよ一年生で一人だけでしょ試合はいつなの

五月の一日うちの学校に西高のチームが来ることになっているんだ

観に行くよ応援するから

うん頼むよ

五月一日頭の中にメモをする

それでさ雪乃、明日の土曜日は部の練習が早く終わるんだけどさあ、

そうなの

うん監督が何か用があるんだってだからさ、夕方、ちょっと港公園の方とか行ってみないか

それはデートの誘いか

そ、そうだねうん、いいよそうしよう

へえあの二人、明日の土曜日、デートするんだ

白坂さん、そんなに簡単に約束していいの

君は、オレ専用の売春婦なんだぜこの一週間は

よかったオレ、ゴールデンウィークは、ずっと野球部の合宿だからさあ、明日を逃したら、しばらく雪乃と遊べないからさ

でも、全部ずっとじゃないんでしょ

ああ、合宿は四日の午前中まで五日は一日丸々休みなんだどこか、少し遠出しようか