みすずが、そう言う
あなたには何かペナルティを与えますいいですね
今からは心を入れ替えてあたしの名代として、精一杯旦那様に尽くしなさいいいわね
じゃあ旦那様に代わって
ミッチィがさっきとは全然違うへりくだった態度で、オレに電話を戻す
オレが携帯を取ると
美智のペナルティは旦那様が考えて下さいね美智に何でも、旦那様の好きなことをさせましょうあセックスだけは待って下さいそれは、みすずの居る時に一緒に、三人でね
みすずの声は明るいけれど
おい、いいのかミッチィ、すっかり落ち込んじゃったぞ
オレの言葉に、みすずは
いいんですそろそろ、ストレスが溜まってきて、極端な行動を始めようとする頃合いですから
例えば旦那様を倒してしまえばいいんじゃないかとかそういう、ろくでもないことを考えたりすると思いますから
その通り撲殺寸前まで行ったよ
美智は、まだ子供なんです一晩中、緊張して警戒を続けるなんていう経験は、これが初めてのはずですからそして旦那様は、昨夜も恵美さんや克子さんやマナさんとお楽しみになったんでしょう
いいんですよあたしのことは気になさらなくてもあたしも姉妹会の一員ですから
みすずはオレと他の女とのセックスを笑って了承してくれた
でも美智にとっては、警戒状態の中でそういうことをするというのが納得できないと思いますそれで旦那様が不真面目な人に見えてきて警戒態勢の中のプレッシャーやストレスを、みんな旦那様のせいにしてしまいたくなるんです
ですからみすずが、引き締めておきましたしばらくは、少し強めに命令するような口調で美智に接して下さい何かあったら、みすずの名前を出せば落ち着きますから
判ったありがとう
すごいなみすずは
ミッチィのこと、よく判っているんだな
小さいときから、よく知っていますから美智のことはあたしの、大切な妹だと思っています
だから旦那様とみすずと美智と三人で愛し合うのが、今のあたしの夢なんです
みすずはレズの性癖が強い
多分男は、オレ以外は受け付けないだろう
だから三人でのセックスを強く望んでいる
色々大変だと思いますけれど、今が正念場ですから頑張って下さいね
旦那様にお会いできるのは夕方ですね待ち遠しいです
オレもみすずの日本舞踊が早く見たいよ
はい精一杯踊ります今日だけは、旦那様のために
みすずの声は、艶やかだった
昨日は、タイマー設定に失敗して変な時間にアップして申し訳ございません
今日は、0時ギリギリまで書いています
学校パートに入って、色々なキャラクターが同時進行で動いています
さて、どんなことになるのでしょうか
196.遠藤と雪乃の朝
みすずとの電話が終わると克子姉が、オレに言った
悪いんだけど、監禁室の中の雪乃さんに朝ご飯を届けてくれないかしら
見るとテーブルの上の銀盆に一人分のおにぎりと味噌汁が用意してあった
お嬢様もマルゴ様もいらっしゃらないからあたしは、監視装置の前から動けないのよ
二人とも、どこに行ったの
オレは、克子姉に尋ねる
特にミナホ姉さんの行方が知りたい
マルゴ様は、学園内を巡回しているわどうしても、監視カメラとセンサーだけでは不安な場所があるしもう明るいから、一通り、肉眼でチェックなさりたいそうよ
さすがマルゴさんは、いつも先のことを考えて行動している
お嬢様はまた悪巧みの準備よ
悪巧みって何か、岩倉会長も一枚噛んでいるみたいだけど
オレはその内容が知りたい
それはあたしの口からは、言えないわお嬢様のお楽しみを、あたしが奪うわけにはいかないもの
克子姉はそう言って、笑った
ただこの映像だけは、見せてあげるわほんの数分前の映像よ
そう言ってキーを操作する
予備のモニターに映像が映った
野球部のグラウンドに仕込まれた、隠しカメラの映像だった
何しに来たんだよ、お前
怒号がグラウンド内から発せられる
いや、あのオレは
グラウンドの外に白い練習着姿で立っている男
それは、遠藤だった
オレはじゃねぇよ、この野郎てめえ、昨日、自分が何をしたのか判っているんだろうなっ
グラウンドの中から野球部の部員たちが、遠藤を睨み付けている
どの眼も怒りに燃えていた
対外試合の最中に監督批判して、勝手に帰ったんだぞ、お前は
お前、よその学校の部員にあんな様子を見られてオレたちの顔に泥を塗ったってこと、判ってるんだろうなぁ
ゲロッパ校長まで来てたんだぞ監督の立場は丸潰れだ
うちの学校の生徒だって、いっぱい居たんだぞそれなのに、お前
よく、平然とオレたちの前に顔を出せたな
他の学校の野球部を呼んでの練習試合で
遠藤のやつは、監督に交代を命じられたからって
さんざん、人前で監督を愚弄するようなことを言って
試合中に、勝手に帰ったんだっけ
で、ですからそのことを謝罪しようと思いまして
遠藤が金網の間の入り口から、グラウンドの中へ入ろうとする
部外者が、勝手に神聖なグラウンドの中に入るんじゃねぇ
厳しい言葉に、遠藤の足が止まる
部外者
野球部員の中から一人の大柄の男が出てくる
安宅キャプテン
つぶやく遠藤を、安宅キャプテンがギロッと睨む
お前さ、野球部除名になったから
じょ、除名
ああ、昨日、試合の後のミーティングでみんなで話し合って、そういう結果になったから退部届とかいらないからなつーか、二度とオレたちの前に顔を見せるな
野球部のキャプテンは、遠藤に絶縁宣言を叩き付ける
そ、そんな厳しすぎますよ、キャプテン
遠藤はヘロヘロと笑いながら、そんなことを言うが
ていうかお前、今日の職員会議で無期停学になると思うし
大口を開けて、馬鹿顔を晒す遠藤
お前底抜けの馬鹿だろ校長の見ている前で、あんな騒ぎを起こしやがって無傷で済むわけがねーだろ
一時の感情で、あれだけの馬鹿騒ぎを一人でやって
試合の進行は止めるわ、監督の批判はするわ
それを全部校長と他の学校の人間に見られていたんだもんな
普通に考えれば、完全にアウトだ
口籠もる遠藤
自慢の叔父さんの市会議員も何か、逮捕されるらしいじゃねぇか
見たぞ、昨日のニュース
贈収賄疑惑お前の親父の会社も絡んでいるんだってな
遠藤は叔父の市会議員の政治力と
父親の金の力を借りれば、どうにでもなると思っていた
だから昨日は平然と大暴れした
しかし今や、遠藤の後ろ盾は、力を失おうとしている
遠藤は、自分のしでかしたことの責任を自分自身で支払わないといけない