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狭すぎる部屋だ

すぐに味噌汁の美味そうな匂いが、部屋の中に漂う

ぐぅぅ

雪乃の腹が鳴った

何だ、あるじゃないか食欲

雪乃が飛び起きて来て、オレを睨む

うるさい、うるさい、うるさぁーいっ

うるさいのは、お前だ

とにかく食え席を外してやるから、落ち着いてゆっくり食べろいいな

オレは雪乃にそう言った

ふんっ

雪乃は、オレを無視してまた、ごろんと横になる

本当に動物だな、こりゃ

それ、誰に言われて持って来たのよ

寝転んだまま雪乃がオレに言った

え克子姉に言われて雪乃が、腹を空かせているだろうからって

そうやっぱり

雪乃ははぁと息を吐く

あんたって結局、いつも人に命令されて行動しているだけなのね

自分の意志ってものが無いのよ何でも、人に言われたことを素直にうんうんと聞いて、従っているだけなのよ最低よね

あんたが自分で何かを決めたことなんてあたしを最初にレイプした時だけなんじゃないのいいえ、あれだって弓槻先生に何から何までお膳立てして貰って、あんたはただ弓槻先生の計画通りに行動しただけじゃない

あんたには、自分が無いのよ

昔、学生時代に警備員のアルバイトをしていたら

一緒の現場を担当していた男の子が、東京都のとある島の出身でした

その子との会話

うちの高校って、ビーチの前にあるんですよ

だから、六月過ぎるともう大変なんです本土から、どんどん観光客が来ますから

て、ことは

そうなんですよ学校の前に、毎日水着のお姉ちゃんがたくさんうろうろしているんですよそんなんじゃ、学校なんて、もう行ってられないじゃないですか

うんそりゃあ、目の毒だ

だから、もう六月の半ばになったら、みんな高校なんて行ってられませんビーチに行って頑張らないと

えそれってつまり観光客のお姉ちゃんをナンパするってこと

何言ってるんですかトウモロコシ焼くんですよ

ト、トウモロコシ

観光シーズンに稼がないで、どうするんですか

あそっちを頑張るのね

197.あなたは私の何なのさ

オレには、自分が無い

うん、そうだなそうかもしれない

オレは、雪乃の言葉を肯定する

そうよあんたは、弓槻先生に命じられたことなら何でもするんでしょ人間じゃないのよロボットよレイプ・ロボットよ

雪乃はまた壁の方を向いて、ごろんと寝転がる

吉田そうなのですか

ミッチィが、オレに尋ねる

うんミナホ姉さんに言われたことら、どんなことでもするよ

レイプでも、人殺しでもですか

ああ多分、すると思う

オレの答えに、雪乃は

ほら、あたしの思った通りよあんたには、何もないのよっ

ミッチィが、ジッとオレを見ている

そりゃあミナホ姉さんのこと、信用しているから

ミナホ姉さんはいつもオレたちのことを考えてくれているミナホ姉さんが誰かを殺せって言うのなら、それは黒い森にとって必要なことなんだろうしレイプしろって言うのも、やっぱりそうなんだろうと思う

しかし弓槻様だって、判断を間違われることはあるでしょう

それは大丈夫だよミナホ姉さんは大事な判断をする時には、必ずマルゴさんと克子姉の意見を聞いているから三人とも、オレなんかよりは遥かに頭の良い人たちだし三人集まれば、大抵のことは間違わずに済むだろう

オレはあの三人の女性の知性を信じている

それに寧さんだって、すっごく頭が良いし何か問題があれば、渚だって連絡してきてくれるしオレが、自分で判断する必要なんか無いんだよ

雪乃が、オレをチラッと見る

バッカじゃないのあんたなんて、あの人たちに利用されているだけなのよ

雪乃はそう言うけれど

それなら、それでもいいし

オレのその発言に、雪乃はギョッとする

でももう、そういうレベルは、とっくに越えてきたんだオレは黒い森のメンバーだし他の人たちのことを心から信頼しているオレたちは、もう運命共同体なんだよ

オレも、メグも、マナももう黒い森の中でしか生きられない

いや克子姉やマルゴさんだって、黒い森の中だからこそ、実力を発揮できる

渚だって完全に黒い森と決別できているわけではないし

何よりミナホ姉さんは、黒い森そのものとして融合している

なら弓槻先生が死ねって言ったら、あんたは死ぬのね

雪乃がまた、当たり前のことを聞いてくる

死ぬよ命令じゃ、仕方ないじゃないか

雪乃がブルルッと震える

気違いなんじゃないのあんた

オレは、気が狂っているのだろうか

いいや自分では、そう思わない

ミッチィが厳しい顔で、オレを見る

ど、どうしたのミッチィ

吉田はわたくしに、みすず様のためになら死ねると言っていたではありませんかあれは、嘘だったのですか

うん、死ぬよみすずのために死ぬのは、全然苦じゃない

でも、今弓槻様の命令があれば、いつでも死ぬと吉田は言いました

みすずはいや、みすずもオレの家族だオレの中では、黒い森のみんなと同じくらい大切な存在だだから、死ぬ気で守るし命だって掛ける他のみんなと一緒だよ

他のみんなと同じ

ミッチィの顔が、いよいよ険しい

ああ、オレはみすずだけじゃないメグのためにだって死ねるし、マナのためにだって命を掛けれる克子姉や渚のためだって

どうして、みすず様が一番にならないんですかっ

他の女たちよりも、みすず様を優遇するのが正しい姿でしょう違いますか、吉田

ミッチィが叫ぶ

みすず様は天使ですあんなに純真で可愛らしい方はいらっしゃいません吉田は、他の誰よりも、みすず様に帰依し、深く深く心の底から崇拝するべきですっ

ミッチィにとってはみすずは、そんなにも崇高な存在なんだ

いや、みんな同じだよみんな、同じぐらい大事だどの人も、オレの中では一番なんだ

そんなのは変ですちゃんと優劣を付けるべきです

優先順位か

ああもし、今、オレたちが沈む船の中に居るんだとしたら誰を最初に救命ボートに乗せるか、オレの中での優先順位は、確かにあるよ

みすず様が一番先ですみすず様よりも大切な存在なんて、いないんですから

オレはみすずを崇拝するこの小柄な少女に告げる

誰を先に乗せるかなんて、そんなことはどうでもいいんだっ

絶対に全員助けるんだから

全員助ける

驚く、ミッチィ

そうさオレは死んだっていいたった一人で、沈む船に残されて溺れ死んだっていいだけど他のみんなは全員、助けるみすずも、寧さんも、メグも、マナも、克子姉も、渚も、マルゴさんも、ミナホ姉さんだって絶対に死なせるもんかっみんなみんな、助けるんだっ