それはそうさ吉田くんは、いつも君たちの期待を裏切らないようって精一杯がんばっているし絶対に、断らないだろ
断らない
君たちが心に不安を感じて、吉田くんに抱いて欲しいとねだったら吉田くんは、どんなに疲れていても、君たちを必死に抱いてくれるよね
メグとマナが顔を見合わせる
うんお兄ちゃんは、いつも一生懸命だから
マルゴさんが二人に言う
でもそんなことを続けていたら、吉田くんの身体も心も参ってしまうんじゃないかな
さっきの、緊急放送室での雪乃さんの公開レイプだけどねミナホは、別に白坂家への復讐の一環としてあのイベントを組んだわけじゃないんだ
復讐じゃない
ミナホはあのイベントを通して、君に雪乃さんを見捨てる決心をしてくれるだろうと思っているんだよ
オレが雪乃を見捨てるために
そのためだけに、あんな大掛かりなイベントを組んだ
だから早朝の段階から、吉田くんが雪乃さんと恵美ちゃん・マナちゃんたちと比較するようなイベントを繰り返したんだ
視聴覚室での雪乃とのセックスとオレの教室でのメグ・マナとのセックス
今の吉田くんは、何もかも一人で背負い込んでしまおうとしているだろでもどんなものにも限界はあるそうだよね
吉田くんは、そろそろ自分の限界に気付くべきだよ君一人の力で、全員を救うことなんてできないんだから
まず誰を助けるか誰を守ることを優先するか
今までも何度も言われてきたこと
優先順位
状況に余裕があればもちろん、リストアップした全ての人を助けることができるしかし限界を超えてしまえば順位の下の方の人間は助けられないよね
全員は救えない
君がスーパーマンだとしても全ての人間は、助けられないそのことを理解してそれでも、より多くの人間を救うためには優先順位の下位の人間をあえて見捨てる覚悟は必要なんだよ
見捨てる覚悟
最初の計画ではミナホは、君に雪乃さんが遠藤くんレイプされるところを見せるはずだったんだだから、あの場には恵美ちゃんにも来て貰った
そしてオレに、メグを選ばせ雪乃を見捨てる
そういう決意をさせようとした
計画を変更したのは早朝の視聴覚室での君と雪乃さんのセックスを観察した後だよ
あの早朝のセックス
雪乃との罵り合いながらの
あのセックスは、とても不思議なものだった君たちは、陵辱者と被害者という関係からスタートしたはずなのにまるで、親しい友人の様なセックスをしていた恋人同士というのとは違う恋愛感情は無いのに、お互いの間に信頼関係が築かれている奇妙なセックスだった
確かにオレと雪乃の間には
おかしな信頼感がある
それで、ミナホは気が付いたんだ今すぐに雪乃さんを処分することは、吉田くんの精神によくないってね
雪乃は処分される寸前だったんだ
吉田くんにとって雪乃さんは、まだ何かしらの意味のある存在なんだよだからミナホは、このまま雪乃さんを連れて行くことにしたんだ君のためにね
だから、形式上は君に雪乃さんを助けに行くかどうか選択させたもちろん、君が雪乃さん救出を選ぶことは判っている恵美ちゃんの反対を押し切ってね
全部ミナホ姉さんには、お見通しか
それでも君に自分の意志で選択したことを心に刻み込ませたかったんだよ状況の流れとか、運命じゃない君が選んだことだよね
それならミナホもあたしも、雪乃さんまでは認めてあげるよ吉田くんが守ろうとしている女のリストに入れることをね
雪乃はオレの女ではない
しかしオレにとっては
いつも、オレの心の中の優先順位のリストの中に存在している女だ
常に一番、下だけど
いつも、雪乃のことも意識している
でもここから先は、ようく考えて行動してね君のリストは、もういっぱいだよ今だって、限界に来ている
君が限界を越えれば全員が死ぬことになるかもしれないいつでも、余裕を持って自分の両手を伸ばして手が届く範囲に、自分の女を集めておくんだよいいね
オレは頭が悪いし
特別な能力も無い
自分にできることの範囲をそろそろ見極めないと、みんなに迷惑が掛かる
恵美ちゃんとマナちゃんもそろそろ、吉田くんに求めるばかりじゃダメだよ吉田くんの心と身体の限界を考えて
二人が小さくなる
あたし自分の気持ちばかりを優先にして、ここのところヨシくんに求め過ぎだったって反省しています
マナもお兄ちゃんに、甘えすぎていました
いやもちろん、寂しくなったらいつでもオレに頼ってくれていいんだぞオレはそのために居るんだから
ありがとうお兄ちゃんでも
うんあたしたちも、ヨシくんに頼られる女の子になりたいから
メグマナ
少しはガマンすることも覚えて女を磨くよ
あたしも良い奥さんになれるように、頑張るから
メグもオレに誓ってくれた
ということだから吉田くん、君のリストはとりあえず
マルゴさんが言う
寧と、恵美ちゃんと、マナちゃん渚さんと、克子さんそれから、みすずさんと美智さん最後にオマケで、雪乃さんということでクローズしてくれるかな
ミッチィが驚く
わたくしもですか
マルゴさんが微笑む
これは吉田くんが誰を大切にするかの優先順位リストだから吉田くんは、とっくに工藤さんのことを身内だと思って、大切にしているよ
ミッチィが、口籠もる
マルゴさんそれだと、まだ足りません
ああ、そうかミナホのことを忘れていたよミナホは、吉田くんよりずっと年上だし、黒い森全体の保護者だけれど吉田くんのリストに入れておいてくれるんだねミナホ、きっと喜ぶと思うよ
いえミナホ姉さんだけでなくオレのリストには、マルゴさんも入っています
マルゴさんが、驚く
はいオレにとっては、マルゴさんも大切な家族です身内ですお姉さんだと思っています
ええっとあたしは
戸惑うマルゴさんに寧さんが
マルちゃんそういう時は、ありがとうって言っておけばいいのよっ
あ、ありがとう吉田くん
心の中の白い紙にリストを作る
ミナホ姉さん渚克子姉マルゴさん寧さんみすずメグマナミッチィそして、ちょっと離れて一番下に、雪乃
これがオレの今の家族だ
守らなければいけない人たちだ
今は、この人たちを守ることだけに集中して
それ意外の人間のことは割り切る
オレの力では誰も守れない
自分の今の限界を知るんだ
食事を終えたところでオレとミッチィは、外へ行く準備をする
克子姉と寧さんが交代して今度は、寧さんが食事タイムに入る
吉田くんこれを持って行って
マルゴさんが丸い碁石みたいなものを3つほどオレに手渡した
上にスイッチが付いている