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姉ちゃん一人か

見ての通りっ、吉田ちゃんもいるよっ

何だこのガキはっ何でお前、マスクなんかしているんだっ

オレも理由を知りたいですっ

あの外人がいないんなら丁度良いこの間の礼をしてやるよっ姉ちゃん、オレたちの相手をしろよっ

そうだヤマダの兄貴のとこに連れてこうぜっ

そりゃいい姉ちゃん、援交ビデオに出て貰うぜノーギャラでなっ

この前の治療費と慰謝料、その身体で払って貰うぜっ

奈島センパイは、最高の笑顔で答えたッ

やっだよーんっ

チンピラたちが、一斉にセンパイに襲いかかるッ

捕まえろっふん縛れッ

バチバチバチッ

電気の火花が飛び散るッ

焦げ臭い匂いッッ

チンピラの一人が倒れるッッ

奈島センパイもスタンガン、持っていたんだッッ

吉田ちゃん、ぶん殴れッ

瞬間センパイの指示通りに、身体が動いたッ

オレは倒れ込んできたチンピラの肩口に、ブラックジャックを振り回して打ち込むッツ

ズシッと重い手応えッッ

チンピラの肩がベコッと凹むッッ

ええっ

一撃で骨が折れたッツ

ブラックジャックって、こんなに威力があるのかよっ

てめえら、やりやがったなッツ

残りチンピラ三人が、一斉に刃物を抜いた

風の様にマルゴさんが出現するッツ

シュッセェッハァァァッッ

わずか三発で残りの三人も、地面に転がる

お前たちは二度目だよなっ

マルゴさんは、チンピラの一人の足を思い切り蹴った

一撃で足が変な方向に曲がるッ

躊躇無く、折った

次のやつは腕をその次のやつは太ももを折るっ

チンピラたちは、うぎゃああと大きな声を出して呻いている

お前は、寧をビデオに出すとかふざけたことを言ってたから三倍な内臓破裂と膀胱破裂どっちがいい

地面に転がったまま、恐怖するチンピラ

マルゴさんの顔が冷酷に微笑む

睾丸破裂にしておこうっ

破壊力抜群の鋭い蹴りがチンピラの股間を潰すッッ

ギェェェェェェェッッ

チンピラの絶叫

マルゴさんは、なおもグリグリっと股間を踏みつぶすッツ

野獣だ

マルゴさんは野獣

もう一組、チンピラを病院送りにして俺たちは風俗街から逃走した

警察やチンピラの仲間が来ないうちに、現場を後にする

こんな見回りを毎晩やっているんですかっ

オレは早足で歩きながら奈島センパイに尋ねた

まっさかたまにだよ弓槻先生の命令があった夜だけまあ、一月に一回か二回かな

でもさっき、あたしたちの縄張りがどうのとか言ってませんでした

あんなの言いがかりを付けるための言葉遊びだよ縄張りなんて、どうでもいいじゃんっそんなの欲しくないしあたしたちは、ただ単に目に付いた地元の不良とかチンピラとかヤクザさんをブッ潰しているだけだよっ

えっ何で、そんなことを

オレの問いに、マルゴさんが振り向いた

あたしたちは、この街のヤバいやつらに顔と名前を売っているんだ

顔と名前を売る

ブラック・フォレストのねっブラック・フォレストは、最凶にヤバくて、危険で、狂ってるって評判を広めているのよんっ

この街のアンタッチャブルな存在になるために

何だって、そんなことを

吉田ちゃんもがんばってよねっ

さっきのブラックジャックの一撃は良かった思い切りの良いやつは、伸びるこれからも頼むぞっ

そうだ他人事じゃない

オレはブラック・フォレストのメンバーなんだ

弓槻先生の車に戻る

警察と病院には、もう話をつけてあるわチンピラさんたちの上の組織の皆さんたちにもね

いきなり、先生はそんなことを言った

吉田くん不良とチンピラ狩りをやっている分には、どこからも文句は出ないようになっているから安心なさいもっとも、ターゲットになった不良さんとチンピラさんは、こっちを目の仇にしているらしいけれど

それくらいの火の粉は、自分たちで何とかする

マルゴさんは、笑って言った

吉田くん、今夜はあたしの屋敷に泊まりなさいいいわね

二日連続の外泊

構わないでしょうどうせ、吉田くんの家には誰もいないんだし

やっぱり、知ってるんだオレのことも

えー、何吉田ちゃんて、一人暮らしなのぉっ

奈島センパイが驚きの声を上げる

一人暮らしっていうかそんなようなものっていうか

何それっ

失踪中なんです

オレは真実を語った

父親と母親が離婚して母親は家を出てって、父親は失踪中です

オレは中学の三年間を山奥の全寮制の男子校で過ごした

で、帰って来てみればこの有様だ

親父は会社の仕事がオーバーワークだった上に、上司と部下に挟まれて人間関係でも悩んでいたらしい

その上、お袋との折り合いが悪くなっていて

お袋は、オレの高校が決まると同時に離婚を決意した

オレはせっかく自宅から通える高校を選んだのだから、家に残った

こんな時に家を出て行くお袋が許せなかったし

でもそれらのことが一気に親父を追い詰めたらしくて

四月の三日オレの高校の入学式の日

親父は、遠いところへ行きます申し訳ありませんの書き置きを会社の机に残したまま戻らなかったらしい

家にはオレには何のメッセージも残していない

最初の一週間ぐらいは心配していたけれど二週間を過ぎた辺りから、もうどうにでもなれっていう気持ちが強くなっていた

まあ、親父の会社は現在はまだ休職扱いにしてくれているし家には、預金通帳は幾つか残されている

いざとなれば家を売ればいいし

少なくても、卒業までは何とか生活できる

なぁんだ、うちと同じじゃんっ

奈島センパイが、オレに微笑みかけてくれる

うちもそうだよっお父さんは、行方不明なのママはあたしが殺したんだけど

せ、センパイ

あたしもそうだ両親に捨てられたミナホが拾ってくれなかったら、インディアン居留地の中から出られないまま、酷い死に方をしていたと思う

マルゴさんもそう言ってくれた

今夜は、あたしが抱っことして寝てあげるねっ

奈島センパイが、オレをギュッと抱き締めてくれた

雪乃とは違う柔らかくて温かい肉体

セックスしてもいいけれど、寧はまだ妊娠しちゃダメよっ

車のエンジンを始動させながら、弓槻先生が言った

どうしてっあたし、早く赤ちゃん欲しいんだけどっ

センパイが先生に文句を言う

ルールを忘れたの出産したら、抜けてもらうわよ

そうだ、そうだった

弓槻先生の玩具には、そういうルールがあった

それは困るぅぅっあたし、まだマルちゃんといっぱい遊びたいし

あたしもそうだだから、すぐには妊娠するな寧

マルゴさんが、奈島センパイに優しく言った