楽しく会話できる話題なんて一つも
ゾッとした
オレ雪乃とは、日常生活が送れない
だからさそんな君だから、レイプという最悪の形でしか彼女と接触できないんだよ
ううんむしろ、レイプっていう最悪のコミュニケーション方法を知ってしまったから、それにハマりこんでしまっているんだと思うなっ
ダメじゃん
最低だ、オレ
オレ可能な限り、雪乃をレイプし続けるとしか考えていませんでしたもちろん、そんなのずっとは無理なわけですぐに捕まるか、死ぬかいつか終わりが来るってことも判っていてでも、オレずっとずっと、雪乃を抱き続けたくてああーっ、何だオレオレって、何なんだサイテイですよねっこんなの
オレは自分で自分が判らなくなっていた
とにかく雪乃に酷いことをしているということだけは判った
君という人間の中にある負の部分抑圧された精神を解放させるための代償行為として、君の心はどうしようもなく白坂雪乃という少女に執着しているんだと思うなぜ、彼女がターゲットになってしまったのかは、君自身でないと理解できないことなんだと思うけど
オレ雪乃に執着することで、心の中のストレスを解消している
そうとしか思えないね
でもオレ、本当に雪乃のことが好きなんですッ
だからそれは愛じゃないんだってばっ
寧ちょっと、黙ってて
マルゴさんが、奈島センパイを制止する
もう一つだけ、質問に答えてくれるかな君は今、沈んでいく船に乗っている救助船が到着するが、後一人しか助けられないとする君は、寧と彼女、どっちを助けたいと思う
二人とも助けて、オレが死にます
オレは、即答した
ごめん質問の仕方が悪かった君が溺死することはすでに確実という前提で、二人のうちの一人だけ助けられるとしたら、君はどっちの女の子を救いたいと思う
十秒ほど、考え込んだ
奈島センパイですセンパイに助かって欲しいと思います
それは正直な気持ちだった
白坂雪乃は、助けなくても構わないんだね
自分でも、驚いた
ショックだった
オレ雪乃のこと、愛していない
愛と執着の違い理解できたようだね
でもだったら、オレの中のこの雪乃に対する思いは何なんだろう
オレどうして、こんなに雪乃のことが欲しいんだろう
何で、雪乃を独り占めにしたいって思っているんだろう
心臓が、ドキドキする
めまいがする
胃の中が気持ち悪い
落ち着いて、吉田ちゃん大丈夫よっ別にあたしたちは、吉田ちゃんを責めているわけじゃないんだからさっ
あああたしも寧も心の中に君と同じ様な危険な闇を持っているそれをはっきりと自覚しているんだ
だから、判るんだよ今の吉田ちゃんの状態がさっ
あたしたちは、君が今体験している場所を通過してきているっ
そうだよっ、あたしは吉田ちゃんのセンパイなんだよっお姉ちゃんなんだっ
君の執着とは、別の種類の闇だけどね
あたしたちも、自分の闇から抜け出せないでいるんだっ
二人がオレのセンパイ
あたしの場合はね月に何回か、物凄い破壊衝動に襲われるどうしても、人間をそれも自分とは無関係の見ず知らずの人を傷つけたくてしょうがなくなるんだ
マルゴさんが、辛そうな表情でオレに告白する
それって、夕べみたいなことですか
昨日のは違うよっ夕べの見回りは吉田ちゃんのテストためのイレギュラーだから
本当に飢餓状態になった時は、あんなものではない
相手を身動きできなくして、それからじわじわと、いたぶり続けるもんねっ
数時間は、衝動が止まらないんだよ
マルゴさんが拳を握って力を込める
おそらくたくさんの人の血を浴びた、呪われた拳
この衝動は、普通のスポーツや格闘技では解消されないんだあたしは、自分より強い人と闘いたいわけじゃないからあたしは自分より弱い人間をいたぶりたいだけなんだよひたすら、痛めつけたいんだ
マルゴさんの暗い微笑み
あたしはさっ、火を付けたくなっちゃうの大きな炎が見たくなって何もかも、燃やしたくなっちゃうのっ
夕べの炎上する車を思い出す
そうだ燃える炎を見る、奈島センパイの眼は異常だった
克子さんは、激しく男にレイプされたいという衝動に苦しんでいる
レイプ願望
克子さんが
克っつんのセックス衝動は自傷行為と同じだから
あの人は、セックスで自殺したいって思っているんだたくさんの男に繰り返し、無理矢理犯されてセックスに殺されたいって
克っつんセックス、苦手なくせに
彼女は精神的に不安定で、危険なんだそれで、弓槻先生は克子さんを常時監視できる状態に置いている
それで、克子さんは先生の家のメイドをやっているんだ
実は、先生の方が克子さんを監視している
今は将来、パン屋を開業したいっていう偽の願望を弓槻先生が与えたから、それでも割と安定してきているけれど
うん克っつん、パンを作るの止めたら、発狂しちゃうよね、きっと
偽の願望
作られた希望
それで克子さんは、パン作りに没頭している
弓槻先生本人だって、暗い闇を抱えている
あの人は、人を不幸にするのが自分の生き甲斐だと思い込んでいる
でも実際は、先生が自分は不幸にならないといけない人間だと思い込んでいるんだけなんだよねっ
だけど、その暗い思い込みに日々、呑み込まれていっている
自分を不幸にするために、毎日、一生懸命色んなことを画策しているんだよっ
あたしたちみたいなリスクの高い子供ばかり集めているのも自分と似たような存在を探した結果なんだろうけど
先生は破滅したがっているんだよっ社会的にも、人間的にも、自分が持って生まれてきたもの全てを巻き込んでさっ
でも、あの人持っている能力が高すぎるんだよそんじょそこらのことでは、破滅できないどんどん、先生の闇の世界が拡がっていくばかりでね
先生はこの学校を、先生の地獄に変えようとしているんだよっ
初めて会った時、
先生はそんなことを言っていた
この学校を地獄にするって
あたしたちはみんな、同じ様な心の病を抱えている普通の子と同じには暮らせない他人を傷つけて、不幸にしていかないと自分の心に押し潰されてしまう
うん心の中の暗い部分が、自由にさせてくれないのっ呪われてるよねっ吸血鬼みたいに他の人を犠牲にして生きていくの
でも、弓槻先生は、こんなあたしたちでも生きる価値があると言ってくれた
世の中はさっ弱肉強食なんだからあたしたちが、誰かの犠牲になって生まれて、育ってその結果、こんな風に歪つな存在になっちゃったんだから
あたしたちだって誰かを犠牲にしてでも、生き続ける権利があるって鬼にだって、悪魔にだって、生まれてきてしまった以上は生きる権利があるって先生、そう言ってくれたんだよ