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御免ッ

さっき突き刺したステッキをガザッと引き抜いて

そのまま、麗華は屋敷の中へ走り込んでいく

な、なんなのおっ

きええいっ

ドガァッバキバキッッ

屋内から、破壊音が聞こえてくる

麗華が破壊しているのは雪乃が監禁されている応接室のドアだろう

な、何よっあんた、何なのおっ

雪乃の絶叫が廊下を通して、玄関から響いてくる

ここを脱出するっ

麗華の声

だ、脱出って何のことよっ

問答無用っ

ドカッバキッ

ドッガバッシャガルルルッ

麗華、おい

とんでもない破壊音が、しばらく続く

あの応接室部屋の中、もうメチャクチャだろうな

はぁっ、はぁっ、はぁっ

玄関口から幽鬼のごとき様相の麗華が現れる

麗華は、酷く興奮している

息が苦しそうだ

左の肩に気絶しているらしい雪乃を担いでいた

右手にはもちろん、撲殺ステッキを握りしめている

な、何をやっているのよっ、レイちゃん

その人は、あたしたちの敵なんだよっ閉じ込めておかないといけない人なんだからっ

雪乃のことに対しては、激しい反発を引き起こす

うっ、うっ、うっうるさいっ

麗華は、バンの後ろのドアを跳ね上げて気絶してる雪乃を放り込む

どうするつもりなのよっねえ、レイちゃんてばっ

おっ、おっ、おっ

口を大きくパクパクさせて麗華は、何とか言葉を吐く

おっ、教えないっ

マナは、呆気に取られる

おっ、教えてあげないっ教えてあげないんだもんっ

れ、レイちゃん

そして麗華は撲殺ステッキで、ビュッとオレを差す

また、言葉に詰まっている

おにぃーちゃまっ

オレはお兄ちゃまのままなのか

のっ、のっ、のっ

乗れぇぇぇぇぇぇぇぇっ

バンに乗れって、ことか

のっ、乗らないと全員、ここで征伐するぅっ

麗華は、ブンッと撲殺ステッキを振り回す

せっ、征伐するったらしっ、しちゃうんだからぁっ

パ、パパぁぁ

麗華の異常な様子にアニエスが怖がって、オレに抱きついて来る

大丈夫だよ大丈夫だから

オレは、アニエスをしっかりと抱き締める

オレ、今こんな状態だからアニエスも一緒だけれど、いいか

オレの言葉に、麗華は

きょっ、きょっ、きょっ

きょ

許可っ

あ、そういうことか

レイちゃん、おもしろいっばっち、ぐー

興奮しきって、訳の判らない状態になっている麗華を見て真緒ちゃんが、パタパタと走って来る

真緒、ダメよこっちいらっしゃい

渚が、娘を呼び止める

いいから後で、絵本買ってあげるから

真緒ちゃんは走る進路を変えて、渚の元に

渚は、パッと真緒ちゃんに飛びつきギュッと抱き締める

おっ、おっ、おっ、お兄ちゃま

一拍おいて、麗華がオレに言う

くっ、車にはっ、早くのっ、乗ってれっ、レイちゃんに、トゥギャザーするのぉっ

瑠璃子オレだけじゃ、アニエスの面倒が見きれないから付いて来てくれ

瑠璃子は、真顔で即答した

レイちゃん許可だよな

きょ、きょ、きょ許可っ

落ち着け、麗華

一遍、深呼吸しろ

えっ、それならあたしも一緒に行くよっ

レイちゃん、何か変だもん危ないよお兄ちゃん

確かに今の麗華の様子は、何も知らないマナの眼から見れば発狂したとしか思えないだろう

それは、オレが何とかするから

オレは、マナに告げる

とにかく、マナは今起きたことをミナホ姉さんたちに報告してくれそれから、渚と真緒ちゃんを頼む

今はマナにしか頼めないんだよ

マナは、チュッとオレの唇にキスをして

判ったでも、すぐに帰って来てね

ああ、夕方までには絶対に帰るから

オレは、マナに約束した

えっ、パパどこかいくの

真緒ちゃんが、オレを見上げる

うんちょっと出掛けてくるよ

えー、真緒もいくぅ

渚に抱き締められたまま、真緒ちゃんは叫ぶ

ダメよ、真緒はママと一緒に居るのよ

ママもパパについてこうよ

真緒ちゃんは、食い下がる

もうママ、お店に行かないといけないこと判っているでしょママが働かないと、真緒もママもご飯が食べられなくなっちゃうのよ

うー

真緒ちゃんお土産買ってくるから

パパ、ほんとっ

ああ、約束するだから、渚と待っててくれ

じゃあママと待ってる

よし、真緒ちゃんはオッケーだ

はっ、はっ、はっ早く、乗るっいっ、いっ、いっ急いでっ

麗華が急かす

あ、ああ瑠璃子、頼む

オレはアニエスを抱えたまま瑠璃子とバンの後部座席へ向かう

マナ、大丈夫だから頼むぞそれから、メグには知らせるなメグの部活が終わるまでには、解決させるから

こんなことで練習から早退させたりしたくない

とにかく、ミナホ姉さんや克子姉やマルゴさんに連絡して相談するんだ連絡の方法は、渚が知っているから

判った気を付けてね

そしてマナは、キッと麗華を睨む

レイちゃんお兄ちゃんや、ルリお姉ちゃんや、アニエスちゃんに酷いことしたら、マナが許さないからねっ

酷いことがしたかったら雪乃さんにすればいいじゃないっその人なら、メチャクチャにしちゃったって良いんだからっ

それはどうだろう

やっぱり、マナを連れて行かないという選択は間違っていないと思う

とにかく、雪乃に対する敵愾心が強すぎる

かっ、かしこまって候っ

麗華の返答もハチャメチャだ

オレたちが、後部座席に座ると

LALALALALA

おかしなメロディで鼻歌を歌いながら

イーディが、やって来る

イーディのこと忘れていた

ハフーン

緊迫している状況を見て、イーディが立ち止まる

ここで、下手にマナがイーディをけしかけたら

麗華との本気バトルになる

イーディは、ニッコリ笑って英語で何か言う

それに瑠璃子が、英語で答えた

ふんふんと頷いてイーディは、何かまた答えた

そのままオレたちのバンに向かって来る

瑠璃子何て言ったんだ

イーディさんどこかへ出掛けるのかって、お尋ねになったので

わたくし海までって、答えました

何で海なんだ

あのつい

そしたら、イーディさん日本の海は、まだ見たことが無いから、自分も行くとおっしゃいまして

そのまま、うんしょとバンの助手席に座る、イーディ

いや、マナ何も言うな

こうなったらイーディも乗っていった方が、良いと思う

マナは狂った麗華の牽制には、イーディの存在が効くと感じたらしい

そして、英語で何か言う

マナさんイーディさんに、お兄様とあたしたちを守る様にお願いして下さっています