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雪乃と関さんは一緒に、ジッちゃんのお台場のからくりホテルの中をダンジョン・クエストした間柄だ

もっともパーティを組んだっていう感じじゃないな

雪乃は、そんなに役に立たなかったしほとんどオレにしがみついて、ワーキャー叫んでいただけだったし

関さんにとって、雪乃は仲間という意識は低いと思う

ええ、よく知っているわ白坂雪乃さん白坂守次氏の係累の方は、香月セキュリティ・サービスの敵対者だってこと、判ってるわよね

白坂家の今となってはもう前当主である白坂守次氏は、雪乃の大叔父だ

白坂本家は、守次氏を失脚させ、雪乃の父親である白坂創介を追放することで、香月家に詫びを入れた

わたくしたちは、あなたと仲良くすることはできないわましてや会社の経費で、ご馳走するなんて

関さんの笑顔に、雪乃は

わ、判ったわよっ自分のお金で払うわよっ

いや、雪乃お前の持ち金は、市川さんの家が盗んできた金の残金とオレがやった3000円だけだろ

それだってサンダルとサイダーを買っちゃってるし

な、何よこれっどうして、どの食べ物もこんなに高いのよっサンドイッチが2000円とか、ボリ過ぎでしょうっ

メニューを見ながら、雪乃は喚く

いや、それはしょうがないだろ高級ホテルのルーム・サービスなんだし

あたしこのソーセージとポテトの盛り合わせねっ

それでも食べるのかよっ

いや、どう見ても酒のおつまみだぞ、それ

しかも、そんなんでも1590円もするし

もうこの際食べられれば、何でもいいわよっ

雪乃の刹那主義は凄すぎると思う

あ、そであなたたちは何にする

関さんが、オレたちに尋ねる

その前に教えていただけませんか

さっき、わたくしたちを襲って来た方々はどういう人たちなんですかそれに、香月セキュリティ・サービスは、どういう理由でわたくしたちと接触しているのでしょう

瑠璃子様の警護を、わたくしたちがするのは当然ですわ

しかし今のわたくしは、香月家の娘ではありませんわたくしは黒森様の女です

閣下や瑠璃子様のお心の中のことまでは、わたくしどもは関知致しません瑠璃子様は、瑠璃子様ですどちらへ嫁がれようが例え、どなたかのセックス奴隷になられようが、生涯わたくしたちがお守り致しますそのための、香月セキュリティ・サービスですから

関さんは全て判っていることを、瑠璃子に示す

香月セキュリティ・サービスは、そもそも瑠璃子様をお守りするために、閣下がお作りになられた組織です様々な名家の方々に対する要人警護のビジネスだって、あくまでも、瑠璃子様警護のついでにやっていたことですあるいは、カムフラージュとして

ジッちゃんは初恋の女性の面影のある瑠璃子を溺愛していた

同じ孫娘であるみすずよりも、瑠璃子の方をより深く

だから、みすずは両親と同居しているが瑠璃子の方は、両親から引き離し、自ら養育していた

美子さんと二人だけに隔離し一切、他の男とは接触させないように

瑠璃子の父、重秋氏に対する不信もあってジッちゃん自身の個人的な警護員を、大組織に拡充したのが香月セキュリティ・サービスの基礎だ

他家の警護ビジネスが先にあったのではない

もちろん、ジッちゃん自身や、みすずや、香月グループの重役たちを重秋氏や他の敵対者たちから守ることも重要な任務だったが

ジッちゃんの中では瑠璃子の警護が最重要だったことはいなめないだろう

というか困るんですあんまり、閣下と瑠璃子様のご関係が疎遠になられるのは

関さんは、フッと微笑む

閣下やっぱり、ちょっとお元気が無いですわ瑠璃子様を手放されたことで、気落ちなさっているんだと思います

いえ、別にわたくしは瑠璃子様が、この人の元へ行かれたことを批判しているわけではありませんわたくしも、これで良かったと信じていますあのままではいずれ、もっと大きな問題になったことは確実でしたし

ジッちゃんは瑠璃子に対して、邪恋を抱いていた

もし、ジッちゃんがもっと若かったら孫娘を押し倒していたかもしれない

今のジッちゃんは、もう老齢でセックスをするには、心臓が持たないと言っていた

それでもあのまま放っていたら、ジッちゃんは自分の命を捨てる覚悟で、瑠璃子を襲ってしまっていたかもしれない

そんな危惧を他ならぬ、ジッちゃん自身が、強く感じていた

だから、ジッちゃんは

瑠璃子をオレに、売り飛ばした

自分の邪恋を断ち切るために

しかし、ジッちゃんの瑠璃子への未練は

ジッちゃんの望むシチュエーションで、オレが瑠璃子の処女を奪う様子を鑑賞することで

オレの行為を通して心の中で、瑠璃子を抱こうとした

オレを自分のチンコの延長だと、思い込もうとした

そんなことではいつまでたっても、ジッちゃんは瑠璃子から解放されないから

オレたちは、改めてジッちゃんの前で、セックスした

ジッちゃんの意志と関係無くオレたちは、オレたち自身の決意からセックスしていることを示すために

ジッちゃんに心の底から、瑠璃子を諦めさせるために

それには成功したけれど

瑠璃子を失ったジッちゃんの消沈は計り知れない

関さんのおっしゃりたいことは、判りますですが、わたくしはもうお兄様の所有物ですそしてわたくしは、そのことに満足しています香月家に戻る気は、ございません

きっぱりと瑠璃子は、言った

違うよ瑠璃子関さんは、そういうことを言っているわけでは無いんだよ

オレの言葉に瑠璃子が振り向く

関さん、言っていたじゃないかジッちゃんや、瑠璃子の心の中のことには関知しないって

関さんがニコッとオレに微笑む

ジッちゃんが、瑠璃子をオレに売り払ったことも瑠璃子が、一生オレの女になる覚悟をしてくれたこともオレたちだけが知っていて、オレたちだけがそう決めて、やっていることだオレたち家族の外の人間は知らない

瑠璃子は、ジッとオレの眼を見ている

もちろん、オレたちはオレたちの意志を通すさオレたちの人生なんだから、誰にも文句は言わせない

だけど、関さんはオレたちの心は、それで構わないから外の人たちに対しては、別のアピールをしなくちゃいけないって言っているんだよ

別のアピールですか

うんだって、香月家はたくさんの会社を持っていてたくさんの人たちが、香月の名前の下で働いているんだろ

その人たちが安心して働けるように香月家の内部は、何の問題も無いみんな、仲良く幸せに暮らしているというアピールが必要なんじゃないか

ですが

瑠璃子はお祖父様に嫌われてしまいました

お祖父様の前ではしたない姿を晒したのですから