ジッちゃんはもう知っている
閣下は、大変、ご心配なご様子でした
もう一つの理由は
瑠璃子は祖父の話題を飛ばして、関さんに尋ねる
もう一つの理由はここで敵を引きつけ、一気に本隊を抹殺するためです
一罰百戒です北九州の組織を丸ごと潰して香月セキュリティ・サービスの本当の実力を世間に示します
北九州の組織というのもそこそこに名が知られていて、ブッ潰したら世間が納得してくれそうな組織を、わざわざ選んだんだろう
裏から手を廻してこちらへ呼び寄せるんだ
香月セキュリティ・サービスの実力をアピールするためだけに
お話は、判りましたわたくしたちについての現況についても
瑠璃子が、関さんを見上げる
その上で関さんは、わたくしに何を求めるのですか
明日大きな財界のパーティがありますその席で閣下と瑠璃子様、みすず様、美子様皆様の仲睦まじい姿をお見せいただきたいと思います
改めて香月家、ジッちゃんと孫娘たちの関係が修復した様子を世間に見せる
それで、グループ内の動揺は治まります
なるほどそうかもしれませんね
冷たく瑠璃子は言った
同時刻にわたくしたちは、東京に上陸した北九州グループを撃滅します
関さんは、真顔で瑠璃子を見返す
ゴールデンウィークの最後に、大きな花火を打ち上げます
お話しは、承りましたしかし、全ては香月様がお決めになられることですからわたくしが今、お答えすることは何もございません
瑠璃子のジッちゃんに対する呼称がお祖父様から、また香月様に戻っている
なかなか根の深い問題になってきたな
ええ、わたくしも瑠璃子様にお願いしてはおりませんから
関さんも強く出る
あなたは、どう思います
ええあなたは瑠璃子様のご主人様なんでしょ
そうだ、オレは瑠璃子の主人だ
オレが命じれば瑠璃子は、嫌嫌ながらでも、パーティの席でジッちゃんと仲の良いフリをしてくれるだろう
少し、時間を下さいこれは、家族で話し合うべきことだと思うから
瑠璃子1人のことだけじゃないだろみすずにも、話さないといけないしミナホ姉さんたちの意見も聞きたいから
香月家との関係は黒い森にとっては、とても大きい
下手なことをして、ジッちゃんに憎まれるようなことになっては困る
お願いしますというより、わたくしたちは、あなたに頼むしかいないのよ
瑠璃子様と、みすず様さらに閣下に一緒に、パーティに出て仲良くして下さることをお願いできる人が
ま、まさかジッちゃんは
ええ、まだ話していないわ今の予定では、明日のパーティはご欠席なさることになっているのよ
そりゃあそうだな
息子が死んで瑠璃子を失った傷心中のジッちゃんだ
財界のパーティなんか、行きたいはずがない
だからあなたに何とかしてもらうしかないのお願い
そういうことかよ
現実はなかなかハードだ
ということで皆様に対する、わたくしからのお話は以上です
関さんはそう言って、頭を下げた
さてと藤宮さん、次はあなたよ
麗華に声を掛ける
な、何ですか
表へ出なさい
外のベランダを、関さんが指差す
あっイーディがまだ体操しているな
表
ええコテンパンにブチのめして、あげるわっ
ニィッと関さんが、麗華を笑う
藤宮さん覚悟なさいねっ
この作品のカレンダーは、去年のゴールデンウィークのものとなっています
これは最初の予定だと、5月までに完結するはずだったんです
何で、こんなに長期連載になってしまったのか
そして去年の連休は、5月6日まででした
今の話が、5月5日で今夜中に、復讐は終わりますから
1日余る、どうしようかと悩んでいました
パーティと戦闘で、何とか最後の花火が上げられそうです
正直、復讐で終わると後味が悪そうだったので
この方が良いと思います
変にいじらないで、最後はお祭りで
448.お姉様が見てる
あのどういうことですか関さん
麗華は突然の関さんの決闘宣言に、驚く
大丈夫よあなたの前に、もう3人ほどブッ飛ばしてきたから
関さんは、ニヤリと微笑む
3人もブチのめしてきた
藤宮さんわたくしが谷沢チーフから、次の香月セキュリティ・サービスの現場責任者に指名されたことは、もう知っているわね
恐る恐る麗華は答える
それは、関さんが谷沢チーフに次ぐ、香月セキュリティ・サービスのナンバー2に就任するということだ
いや、谷沢チーフが現場から離れるという意志を示している以上今後の香月セキュリティ・サービスの警護人たちは、全て関さんの指示に従うことになる
表部門の警備部の方は、別に良いのよあそこは、基礎から根本的に作り直さないといけないからまあ、あそこの部署の人たちは、みんなサラーリマン的な感性しかもっていないしね
ベランダの外に続く、ガラス戸をはさっき、イーディが開けたままになっている
爽やかな潮風が、また部屋の中に吹き込んでくる
だけど裏部門、トップ・エリートの皆さんは藤宮さんと同じくらい、変わった人が多いものね
オレはホテルの闘いの終盤に現れた、トップ・エリートたちを思い出す
みんな、強そうで恐ろしい雰囲気を持っていた
まあ、それでもうちの会社に居る人たちは、ギリギリ社会性があるわねそうじゃなかったら、みんなフリーのまんまでしょうから
うんバンバルビー3のお姉様たちとか、ダダドムゥおじ様とか
あのレベルまで行っちゃうと、組織の一員になるのは無理だろう
それでも居るのようちの社員でも若い女、それもわたくしみたいなオンナに指図されるのは、真っ平だっていう人が
もしかして、関さんは
谷沢チーフは、そういう連中は、全部、自分が黙らせるって言って下さったんだけどわたくし、嫌なの責任者になる以上は、自分の力で何とかしないとね
どなたと、闘われたのですか
麗華が、尋ねる
武藤さんと、兆野さんと、橋本さんよ
トップ・エリートの三銃士じゃないですか
そうね1人ずつ、ブチのめしてきたわっ
フフッと、関さんは笑う
一応、言っておくと大徳さん、張本さんのモンスター2人は、わたくしのトップ就任を了承して下さったわまあ、あの人たちは閣下の専任警護人でいることに満足しているからそれ以上の出世欲とか、セキュリティ・サービス全体の支配とかには興味が無いものそれにわたくしは、あの人たちの元同僚でしょ谷沢チーフ、さすがよね最初から、わたくしの能力を認めさせるために、あの人たちと組ませたのね
気心が知れているから大徳さんたちは、関さんの出世を喜んでくれた