はいよろしくお願い致しますお兄ちゃま
麗華は、ペコリと頭を下げる
わたくしも立ち会うわわたくしが、藤宮さんのお姉様だからこの子の精神的なバック・アップはわたくしに任せてちょうだい
翔お姉さんが、そう言った
あの翔お姉ちゃま
恥ずかしそうに麗華が言う
んなあに
わたくしのことは麗華と呼び捨てにして下さい
ああそうね判ったわ麗華
結局実際に年上のお姉様が存在することで、麗華の心はこんなにも安定している
というか翔お姉さんのお姉様能力が凄いんだな
今日はずっとどっしりと構えていて、余裕がある
本当に頼れる大人お姉様だ
あの翔お姉様
瑠璃子が、話し掛ける
翔お姉様もいつでも、わたくしたちのところにお泊まり下さいその翔お姉様にも、お兄様とお二人だけの時間が必要でございましょう
瑠璃子は頬を赤らめる
翔お姉さんとオレのセックスの時間を作るという話をしているのだ
お気遣いありがとうでもね女も20代半ば近くになると、そんなにガツガツしないのむしろ、色々と準備がね
準備ですか
とりあえず、ダイエットから始めたわ彼の前に裸身を晒すには、今のプロポーションじゃ恥ずかしいもの
いや、オレは別にそんなこと気にしないよ翔お姉さんは、今だってとっても綺麗だし
ありがとでもね、あたしが気にするのよっ
翔お姉さんは、テヘヘと笑った
一生に一度のことでしょうしかも、ここまで延々と引っ張ってきちゃったんだから後悔しない体験にしたいのよ理想のプロポーションで理想のシチュエーションであなたに抱かれたいそのための準備に、ちょっとぐらい時間が掛かったっていいわよ慌てる必要なんか全然無いんだからっ
本当に翔お姉さんは、どっしりと構えている
うん判ったオレ、翔お姉さんが望んでること何でもするよ
あったり前じゃないっそうじゃなかったら、お姉ちゃん泣いちゃうわよっ
翔お姉さんは、オレの頬を優しく撫でる
ということでわたくしの方は、夏まで猶予をちょうだいね
夏
夏休みには素敵なところへ連れてってあげるからねっ
ああ翔お姉さんは
もう、自分の処女喪失の場所を決めているんだ
判ったよでもその前に
不思議そうに、翔お姉ちゃんがオレを見る
オレ、お姉ちゃんのことギュッと抱き締めたい
オレはソファにアニエスを置いて、立ち上がる
それから、翔お姉さんを力一杯抱き締めた
お姉さんも、オレを強く抱いてくれる
翔お姉ちゃん
もう一回言って
ええ、わたくしがあなたのお姉さんよ
1分ぐらい、そのまま抱き合っていると
はいそろそろねさあ、麗華のことも抱いてあげて
オレは、麗華と相対する
レイちゃんレイちゃんも、オレのお姉ちゃんなんだよ
抱き合う前にもう一度関係を整理する
レイちゃんは、アニエスや真緒ちゃんやマナのお姉さんになるあの子たちはみんな、オレの家族なんだからレイちゃんもオレの家族になるだからオレとレイちゃんも兄妹だ
はいわたくしは、お兄ちゃまのお姉さんお兄ちゃまは、アニエスちゃんたちの家族なんだから、わたくしの弟そして家族家族なんだからわたくしは、お兄ちゃまとセックスしますいいえ世界の男性の中でただ一人、お兄ちゃまだけとセックスする誓います約束します
麗華の眼が潤んでいる
それでいいね
オレたちはギュッと抱き締め合う
そんなオレたちを翔お姉さんが、さらに抱き締めてくれた
大丈夫よわたくしが付いているからねっどんなことでも相談していいわね、二人とも
うん、翔お姉さん
オレたち3人は、誓いの儀式を済ませる
何なのあんたたち気持ち悪いバッカみたい
雪乃が不機嫌顔で、そう言った
結局さ、マトモな恋愛ができない欠陥だらけの人間が、寄り集まって傷を舐め合っているだけじゃないあんたたちなんてさ
翔お姉さんは
ええ、その通りよだから何
気持ち悪すぎて、見てらんないのよっ
雪乃は、喚く
じゃ、出てけばはい、出口はあっちよ
翔姉さんは、ニコッと微笑む
そういうことを言っているんじゃなくって
じゃあ黙ってなさいよっ
翔お姉さんが一喝する
そんなんだからあなたは、永遠にあたしたちの仲間には入れてもらえないのよっ
入りたくないわよっあんたたちの仲間なんて、こっちからお断りよっ
それなら出て行きなさいって、言っているのよっ
翔お姉さんの言葉に雪乃は気を削がれる
あたしがどこにも行き場が無いこと、知っているんでしょ
ええ、よーく知っているわよそして、ここにもあなたの居場所なんて無いから
翔お姉さんの言葉は厳しい
気安く彼に近付かないでこの子は、あなたなんか助けないわよ
た、助けるわよっだって、こいつあたしのこと、大好きなんだからっあたしに惚れているのよっだから、あたしは一生、この男のことコキ使ってやるんだからっ
雪乃は狂った様に絶叫する
ふーんこの子が、あなたのどんなところに惹かれているって
ジト眼で翔お姉さんは、雪乃に尋ねる
いやオレも気になる
雪乃は自分のどんなところをオレが惚れていると思っているんだろう
優しいところ
何で疑問系なんだ
それから、こっちを見るな
オレに眼で訴えるな
あと、顔ほら、あたし、可愛いから
それは自信があるらしい
胸を張って宣言している
自分が今、アフロだってことは忘れているらしい
じゃあ、あなたに聞くわ
翔お姉さんが、オレを見る
あなたは、白坂雪乃さんのどんなところが嫌い
人に優しくないところ
雪乃は、我が儘すぎる
廻りの人の気持ちなんて、平気で踏みつけにするし
何言ってるのよっあたし、いつも、ものすごく人に気を遣っているのにっ知らないんでしょあんたっ
雪乃の抗議は、無視する
あと髪型
ぬぁんですって
あんたみたいな男に、あたしのファッションセンスの何が判るって言うのよっ
ファッション・キチガイだったっけ
雪乃の部屋の中は服と化粧品がひっくり返りまくった汚部屋だった
鏡
アニエスが口を開く
鏡を見てきた方がいいですの
あんたまで、あたしを小馬鹿にするつもりっー
雪乃は、さらにヒートアップする
麗華ちょっと、この子をトイレまで連れてって
翔お姉さんが指示をする
着替え、用意させてあるから
了解ですお姉様
麗華が、雪乃に向かう
あ、藤宮さんいえ、レイお姉様、どうぞ
瑠璃子が、撲殺ステッキを重そうに両手で差し出す
キッと、雪乃を睨む麗華
雪乃はステッキで武装した麗華に怯む