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この道を1分ほど行くと、セレブ専用の高級スポーツクラブがありますおそらく、そこです

そうか、そういう施設ならオレたちが立ち寄っても、大丈夫だろう

見えてきましたねあそこです

道の先に、大きなビルが見えてくる

先導車より、ポイント到着

そのまま、地下駐車場へ向かって

先導車、了解

オレたちの3台の車はそのまま、ビルの地下駐車場へ

ゲートの入り口で、ビルの係員に止められたが

先導車の警護員が何かを示したら、3台丸ごと通してくれた

香月セキュリティ・サービスで、このスポーツクラブの会員権を持っています毎月の会費も、ちゃんと納めていますし

麗華が、教えてくれた

何かの時に、いつでも使えるように常に準備されている

こういう緊急時に使えるような施設は、たくさんあるんだろう

3台の車は駐車場の1画に、並んで停まる

えっとトイレに行きたいのは、イーディだけか

あの、パパ

アニエスが恥ずかしそうに言う

アニエスもですの

と、なると

お兄様アニエスさんには、わたくしが付いて行きます

瑠璃子が言ってくれた

うんアニエスは、お屋敷の外のトイレは初めてだもんな

オレは、女子トイレには入れないし

イーディだけに、アニエスの世話を任せるのは心配だ

頼むよ瑠璃子

あー、あたしも行っておこうかなあ

雪乃がそんなことを言い出す

判ってるわようるさいわねえ

雪乃はアフロのカツラとサングラスを付ける

さっき、ホテルのバイトにあっさりと正体を見破られたんだ

変装して行かないとまた騒ぎになるかもしれない

うちの高校の女子の制服にアフロとサングラスだと

何が何だか、判らない趣味の女になっている

これでブラウスの胸元のボタンを適当に外したらただの不良少女くらいには見えるでしょう

そう言って雪乃は、胸元を開ける

うーんそれでも昔の不良だよな20世紀の匂いがする

オレも付いて行くよ

あまりにも心配すぎる

中本くんたちは、車輌の警備瑠璃子様には、わたくしと藤宮さんが付きます

バンを降りると翔お姉さんが、すでに指揮を執っていた

ここは、おトイレが1階のロビーに行かないと無いのよわたくしに付いてきて

さすがは、翔お姉さんこんな緊急時用の施設まで、ビルの中の間取りを把握している

あるいは、車を降りる前にデータを呼び出して、確認したのか

とにかく、翔お姉さんが、オレたちの先頭に付く

次がイーディ瑠璃子とオレで、アニエスの手を引く

雪乃がその後ろ

殿が麗華

オレは制服だし、瑠璃子はツナギ、雪乃はアフロと訳のわかんない集団になっている

あんまり人目には付きたくない

こちらへ

エレベーターで1階へ上がる

幸いロビーは混んで無かった

まあ、受付には従業員の人たちが何人もいるけれど

あの人たちは大丈夫よわたくしたちのことは駐車場に入る段階で、チェックをしているから

香月セキュリティ・サービスの名前を出した以上はこちらの素性を探ったりはしないわここのスポーツクラブは、社員教育にも定評があるしね

ああ、さっきの岬のホテルみたいに

質の悪いバイトを雇っていたりすることは無いんだ

わたくしも連続でミスはできないもの

さっきのホテルを選んだことを翔お姉さんは、後悔しているらしい

だから、今度のトイレ休憩の場所はセレブ御用達の口の固い施設を選んだ

確かに、オレたちはこんなに怪しい集団なのに従業員たちは、誰もこっちを見ようとはしない

あ、トイレはあそこね

雪乃が隊列を崩して、1人だけでトイレに走る

何よっこういうのは早い者勝ちでしょっ

アフロ頭の女子高生が女子トイレに消える

一方イーディは、アニエスの顔を見ている

イーディさん、先に行って良いかって尋ねているわ

瑠璃子がイーディの意志を通訳する

アニエスは、答えた

そういう時は、どうぞって言うんだよ

オレは、アニエスに教える

この子には、これからそういう人間関係を形成していやり取りの仕方を、一つ一つ教えてあげないといけない

どうぞですのイーディちゃん

アニエスの言葉にイーディも、ぴゅーっと女子トイレに駆け込む

アニエスは、瑠璃子に手を引かれてゆっくりとトイレへ

麗華付いて行ってあげて

麗華が警護に付いてくれる

もし女子トイレに異変があればイーディが騒ぎ出しているはずだ

イーディの危険に対する感覚は鋭い

わたくしたちは、ここで待っていましょう

翔お姉さんはオレに微笑む

そうかオレの警護をしてくれているのか

これから、こういうこと何度もあるからね覚悟しておきなさい

女の子と一緒に生活するということはおトイレの前で、待たされることよ一緒に外出した時は、特にね男の人のトイレ時間よりも、全然長いんだから

そういうもんなんだ

うん覚悟しておくよ

そして改めて、このスポーツクラブのロビーを見渡す

ブルーのカーペットが、敷き詰められていて受付のカウンターは、深紅だ

その隣に売店がある

自動販売機も

ゴールデンウィークも後半だし午後の時間だから、人が少なくて良かったわ

え、休みだからスポーツしに来たりするんじゃないの

ここのクラブの会員になるようなセレブだったら連休は海外か、別荘に行っているわ休めるのなら都内には居ないわよ

クククと、翔お姉さんは笑う

今日辺りから、帰国ラッシュになるんじゃないかしら

いっちばーん

と、言いながら雪乃が、トイレから戻ってくる

そして、オレに

あ、あたしメロンソーダね

飲み物を強請る

お前今、出したばかりだろ

そうよだから、水分を取らないと体内の血が濃くなっちゃうでしょ

あそこの自販機のやつでいいからさあたし、ホテルでトロピカルドリンク飲み損なっているのよっ

しょうがねぇな

オレは、自販機へ行ってコインを入れる

とトイレから、イーディ、瑠璃子、アニエス、麗華が、揃って出て来る

イーディは、オレが自販機からジュースを買っている様子を見て

子犬の様に走って来る

イーディも、欲しいのか

オレが新しいコインを、自販機に入れようとすると

お兄様イーディさん、自分で買ってみたいようですよ

ああこの子は、自販機に興味があるんだっけ

自分でお金を入れるところから、やってみたいそうです

幼児が、バスの降りますスイッチを押したがるようなもんか