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もう、そういうことを大声で言わないでよっ

副部長さんはムムムツっと怒った

ねぇ、ちょっとアレ

あの人ってそうよね

テニスコートの中から、次々にテニス部の女の子たちがこっちに寄って来る

あの藤宮麗華さんですよね

1人の小柄な女の子がレイちゃんに尋ねる

はいそうですけれど

鷹揚にレイちゃんが答えると

きゃぁぁっ

女子テニス部員たちの黄色い歓声に包まれる

ああアーニャの時とは、反応が違う

ロシア系アメリカ人で、美人で金髪でプロポーションの良いアーニャに寄って来たのはどっちかって言うと、男子生徒だったけれど

レイちゃんやっぱり女子には、爆発的な人気があるんだ

ちょっとちょっと待ちなさいあなたたち、まだ練習は終わっていないわよっもう、星崎さん、どうして部外者をここに連れてきたのよっ

副部長のモリさんが、キレる

今日、こちらの学校にわたくしの天敵が来たと聞いて、調査に来ました

レイちゃんはニコやかに、そう言う

昔はこういう融通の利く性格じゃなかったんだけどなあ

レイちゃんも、やっぱり変わってきている

ああ、ニキータさんねっ

見た見たあたし、見ました

あたしも、サインしてもらっちゃいました

藤宮さんもサインして下さい

やっぱりテレビの力は、凄いなあ

みんな、レイちゃんを知っている

それに、レイちゃんは元々、下級生の女の子に人気があるタイプだったっけ

下級生の子らのリクエストに応えていたらいつのまにか、男装の麗人になっていたという

テニス・コートの前はすっかり、レイちゃんのファンの集いと化していた

どう、テニス部の子もみんな可愛いでしょノブ、エッチしたい子いる

可奈センパイがオレの耳に囁く

あたしだけ犯されちゃったのもクヤシイから次は、あたしも犯す方になりたいわ

オレの女はみんなこうなるのか

ほほほほほほ星崎さんっ

そこへ木刀を持った、男子生徒が乱入してくる

困り顔の可奈センパイ

あたしのさっき別れた人

さっき、オレがレイプした後オレのペニスを胎内に挿入したまま、別れ話をさせた

ささささ、さっきの電話はどういうことですかっぼぼぼぼ僕は、なななな納得がいかないですっ

あれって剣道部の主将でしょ確か、学年で2番か3番に頭が良いって言う

背も高いし顔も、オレより遥かにハンサムだ

頭も顔も良いから連れて歩くには良い人だったんだけどねぇ家もお金持ちだしただオコチャマなのよ、あの人

小声で可奈センパイが、そう囁く

ぼぼぼぼぼ僕はわっ、わっ、わー、別れませんよっあああ、あなたとはっ絶対に、別れないですともいや、ホントにマジで

突然、可奈センパイに別れを切り出されて気が動転しているらしい

ここここ、ここを見張っていればずぜずぜ、絶対に、あなたは帰って来ると思っていましたああー、あなたは帰ってくるくるくるくる待ちかねたぞぉぉぉぉ

黙っていれば、ハンサムなんだけどなぁ

ごめんなさいさっきも言ったけれど、あたし、他に好きな人ができたのだから、あなたとはもう付き合えません

可奈センパイは、ハッキリ、そう言う

星崎さん、そういう言い方はないでしょうっゴダイくんがゴダイくんが可哀想よ

え副部長さん

ぼぼぼぼ僕は僕は信じないぞおおおおっそんなの信じない信じないってば、信じないっ

すっかりテニス部の子たちは、みんな突然のイベントを唖然として見ている

そうは言っても本当のことなのあたしも、まさかこんなに突然、恋に落ちちゃうとは思ってなかったんだけどね

可奈センパイはさらに別れた男を煽る

そそそそ、そんな

あなの何百倍も好きになっちゃったのあたしその人のことが

クククと微笑む可奈センパイ

剣道部のゴダイ主将は顔面蒼白となって

だだだだ、誰だっ誰だっ誰だぁぁっ

喚く剣道部のゴダイ主将

相手はだだだ、誰なんですかぁ

うふふそれはね

可奈センパイは寧とマナの間に居る、オレをチラリと見る

ええーっ

あれってパン屋の子よね

女子陸上部の子と婚約しているんじゃなかったっけ

えまさか、二股

電撃が迸った様にに、そんな声が次々と聞こえる

まままままま、まさかぁぁおおお、お前かぁぁおーまーえー、なーのーかぁぁ

ゴダイ主将の血走った眼がオレを睨む

ゆゆゆゆゆ、許せんっせせせせせ、成敗してくれるぅぅそこに直れぇぇぇぇ

いつの時代の人間なんだ

ゴダイ主将が木刀を正眼で構える

このままでは寧とマナも危険に巻き込む

前に出るか

相手の剣戟を避けるだけなら工藤流6級のオレでも、何とかやれるかも

オレは距離を詰める覚悟をする

わたくしですが何か

レイちゃんが、ニャッと微笑んでゴダイ主将に言った

はははは、はい

だって、ほらこの子、こんなに可愛いんだもの

レイちゃんは、すっと前に出て可奈センパイの頬を撫でる

済まないね君から取っちゃって

レイちゃんの爽やかな笑顔にテニス部の女の子たちは

ハートマークの吐息を吐く

レイちゃんは、撲殺ステッキを握りしめゴダイ主将の方へ進む

君剣道をやっているんだろせっかく、藤宮麗華に会えたんだちょっと遊んで行ったらどうです

そして傍らにあった、大きな石を見る

セェイッ

レイちゃんが、撲殺ステッキでシュバッと、その石を叩く

軽やかだが切っ先が空を切るスピードは、スバ抜けて速い

カツッ

ステッキの先端が、石を叩いた音は軽かったが

大きな石は、そのままパカッと二つに割れた

わたくしは、プロですからどんな時も手加減は致しませんそれだけは、判っていて下さい

そして、撲殺ステッキをゴダイ主将に向けて、構える

スゥゥゥっと、深く息を吸い相手を本気で睨む

藤宮麗華、参るッッッ

その裂帛だけでゴダイ主将は、腰を抜かした

あわわわわわわわわわわっ

レイちゃんが、撲殺ステッキを振り上げた瞬間

止めてぇぇぇぇぇっゴダイくんがぁぁゴダイくんが、死んじゃうぅぅっ

テニス部のモリ副部長が剣道部のゴダイ主将を庇って、飛び出した

あー、あんたたち、もう付き合っちゃえば

寧が無責任に呟いた

じゃこの子のことは、諦めてくれますね

レイちゃんが、笑顔でステッキを下ろす

ゴダイ主将はすでに気絶していた

その身体を抱いてモリ副部長が、ワンワン泣いている

はぁー、またやられたわこれも、チームワーク

可奈センパイが、オレたちを見る

そういうこと可奈ちゃんも、早いところチームに参加してね

その方が楽しいよーっ

うふっそうみたいね