月子たちの母親以前の巫女
巫女は、ヤクザたちの抗争の仲裁をする度に
双方の親分とセックスして子供を産む
その子供の誕生によって抗争は、終止符を打たれる
かつての巫女様たちがお産みになった子供たちはどうなったのだろうかって
今、オレの眼の前にも
月子とルナという仲裁の子が居る
旦那様鷹倉様たちの名前のルールは、もうお判りですよね
月子ルナ
名前にツキの付く娘は仲裁の子だ父親はヤクザの親分
名前にヨミの付く娘は神主と巫女の間に生まれた娘
そして、このご姉妹のお母様の名前が葉月様で今、鷹倉神社にいらっしゃる方の名前が清美様
ハヅキツキ
キヨミヨミ
ツキヨミ
ツクヨミ
しかも姉妹
お二人ともさらに先代の巫女様からお産まれになられた
おそらく葉月さんは、仲裁の結果のヤクザの子
清美さんは先代の神主さんとの子
そうやって鷹倉神社は、巫女の血を繋いでいったのですわね
ツキの娘とヨミの娘が、交互に巫女になることで
古代日本のことは、適当に書いているだけなので
八岐大蛇が風土記に載っていないのは、本当ですが
私も、昔、家にあったデニケンの本を元に、大学のレポートを書こうとして、途中でトンデモ本だと気付いて焦ったことがあります
古代日本関係は、安彦先生のナムジが面白かったです
でも、邪馬台国は、最近は畿内説の方が強いらしい
678.月の子
そもそも、鷹倉神社の巫女の仲裁の儀はアマテラスとスサノオがセックスすることで、身の潔白を誓約したウケイが元になっていると思います
セックスして、産まれた子が良い子だったということで敵対的な態度を改め、友好関係を結んだ証とするいうことですこの伝説で、アマテラスのモデルになっている女性は、間違いなく古代国家の巫女的な存在だったはずですから
巫女とセックスして子を産ませることで、和睦する
古代伝説との違いは、古伝では巫女アマテラスの所属する国家と、スサノオが首領である国家、2国の間の誓約であったものが鷹倉神社の場合は、2つのヤクザ集団の抗争を、第3者である鷹倉神社の巫女が仲裁するという形になっていることですだから、鷹倉神社の巫女は、両グループのトップとセックスしなければなりませんが
ヤクザさん的には、それで正しいんだよ同じ女とセックスした男は、穴兄弟だからさ仲良くなるしかないよねっ
DNA鑑定が発達するまでは生まれた子供が、どちらの方の子供か正確には判りませんしこのシステムで良かったのだと思います
成長したら、顔が似ているとか判る要素は増えるだろうけれど
いや、でも自分の子かもしれないと思って、生まれた時から見ていたら、何かしらの情が湧くか
それは判ったけれど何で、ツキの娘とヨミの娘を交互に巫女にするんだ
正確にはいつも必ず、交代していくわけでは無いのでしょうけれど
ちょっと、頭の中でイメージしてみて下さい今鷹倉神社に、1組の神主と巫女がいます
えあうん
そして、この神主と巫女の間の子には運良く、男の子、女の子、両方居るとします
男女の子が居る
それなら男の子は、次代の神主に女の子は、次代の巫女になれば、一番問題はないですよね
うんそれは、そうだな
どっちも鷹倉神社の正統な子供なんだから
では、次の世代はどうしますか神主と巫女は、実の兄妹です
実の兄妹で子供を産みますかそれでもし、男女の子が生まれたとして、さらにその子たちに神主と巫女を継がせますか代々そうしますか
そんなことをしたら、どんどん血が濃くなっていくだけです代が下がって行くと、肉体や精神に問題のある子が生まれる危険が増していきます
それに現実には、そんなに都合良く、神主と巫女の子供に男女が揃って生まれるはずもありません
眼の前に居る3姉妹だって神主の血を引いているのは、真ん中の夜見子だけだ
男の子は生まれていない
外から奥さんとか、お婿さんを貰うわけにはいかないのか
オレは月子に尋ねた
鷹倉神社の神主の嫁は、巫女と決まっていますそして、巫女の修行は、幼い頃から始めなくてはなりません他家から、巫女の候補者となるような娘をもらい受けるわけにはいきませんし
月子は答える
そこで仲裁の子が必要になったんですわ
仲裁の儀の結果に生まれた子は男の子の場合も、女の子の場合もあったでしょうし
なるほど仲裁の子は、神主と巫女との間の子が欠けていた場合のスペアにはなる
それに各世代の神主と巫女も、仲裁の子たちを生みっ放しにしておくというわけにはいかなかったでしょうから
ああ抗争を集結させた誓約の子なんだから
生まれてすぐに死んだとかじゃ、話にならない
きちんと育てて、成長させないといけない
仲裁の儀に関わった親分さんたちもご自分たちが、お元気な間は、仲裁の子たちを支援してくれるでしょうし
抗争していたはずの両グループの親分がどちらも、生まれた子を援助してくれる
自分の子かもしれない子なんだから
そういうサポートがあるのなら神主も仲裁の子を、自分の子と同様に大切に育てますわそれは、神社にとっても金銭的や社会的な保障になるわけですし
何かトラブルが起きたらヤクザの親分たちが助けてくれる
そういうコネクションは切らない方が良い
そうなるといっそのこと、仲裁の子を次の神主や巫女にするというプランもアリになりますよね
仲裁の子はお母様の巫女の血とお父様のヤクザの親分さんの血が半々になっていますこの子たちが、巫女や神主を継げば血が濃くなっていくということはありません
ああ仲裁を受けるヤクザたちは、全部、違う家系の人なんだから
巫女の血が、色んなヤクザの血で薄められる
ですが、今度は逆に血が薄くなり過ぎる怖れがありますだから、正統な神主と巫女の間の子が居る場合は、そちらの子が優先となります
仲裁の子がツキ神主の子がヨミでしたわよね
みすずが夜見子を見る
夜見子は神主の子だ
前の巫女は葉月様つまりツキ仲裁の子です
3姉妹の母親はツキの子だ
そのお子様の中に神主との正統な娘がいるならば、血の濃度をキープするために、次の巫女はヨミの系譜の子となります
やはり夜見子が、次の巫女になるというのは既定路線だったんだ
だから長女の月子は、ずっと夜見子に遜っているし
夜見子自身も、自分が鷹倉家の代表者として振る舞っていた
夜見子は、巫女の力の片鱗を見せていた
しかも、夜見子がそういう力を使っているのを父母である神主と巫女は黙認していたように思う
それも、夜見子が、次の巫女になるのだから、多少のことは多めに見るということだったのだろうか