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WOWOOOOO

裏口から侵入した、イーディが天井から飛び降りて来る

ななな、何だオメェは

問答無用ネッWOWOO

イーディは、部屋から出て来たヤクザたちを一撃ずつで失神させていく

トゥリャアッ

美智も開けておいたガラスドアから、店内へ飛び込んで来た

遅いヨ

オトコのヤクザたちは、すでにほぼ全員イーディが仕留めている

ち、ちくしょうっ

天童貞男は手下を見捨てて、店の外へ走り出た

もちろん、目指すのはミナホ姉さんが残したトラックだ

あぶなーいっ

木下さんの楽しそうな声と共に

ばみょーんっと

安城キヌカさんが走って来た天童の上に、落下したッ

ムギュッ

だから、あぶないって言ったのにー大丈夫ですかぁ

ニコニコしたまま、キヌカさんの下敷きになっている天童貞男に近付く

わたくしサルカニ合戦のうすですか

キヌカさんは無表情で、そう言った

あ、でも大丈夫みたいですね打ち所が良かったみたいメンゴメンゴ

そう言って木下さんは、片手で天童貞男の襟首を引っ張り上げると

ちょっと、あっちのお店の中で休んでもらいますねぇ大丈夫、大丈夫ちょっとアクシデントが起きちゃいましたから、今日はもうおしまいでーすっみなさん、バイビー

余りにも明るく飄々と言うので観衆は呆然としたまま

つーか、あんなに美人なのにすっげー力持ち

あれも曲芸なのかなあ

まああれだけ平然と言うんだから、大丈夫なんだろうけど

そこへ安城ミタマさんが

見せ物ではないぞさあ、帰れ、帰れ

いや、あんたたった今まで、見せ物をしていただろ

はーいゲットしてきましたーっ

気絶した天童を片手でブラブラさせたまま木下さんがカラオケ店に入って来る

すぐにガラスドアを閉めカーテンも閉ざす

店の前は安城姉妹がガードしていてくれるはずだ

木下さん翔姉ちゃんに連絡して

オレはすぐにそう言う

この店の中に爆弾か毒ガスかとにかく何か仕掛けられているはずだから

さっきのヤクザは言っていたどうせ刑務所に行くことは、決まっているんだからみたいなことを

天童貞男たちは組織の命令なら、どんなことでもすると聞いた

香月家をスキャンダルに陥れるためならそれぐらいのことは、していくはずだ

木下さんが、携帯電話を取り出す

美智、イーディ残りは

廊下と手前の部屋に居たヤクザたちは男女とも、気絶させた

あと2人ネオトコとオンナ

イーディは、ちゃんと数えている

はぁ、はぁ、はぁあんた、早過ぎるよ

裏からの潜入して来た天童乙女がようやく到着する

アンタ、身体がカタいノネソンナンジャ、ダメヨ

普通の人が入り込めないようなところからイーディはさっさと潜り抜けて来たらしい

そっち部屋に女の子たちが居る園子さんは、多分、一番奥の部屋だ

判ったわみんな助けに来たわよ

部屋のドアに向かう天童乙女をイーディが止める

ミチッ

イーディは、美智に目配せする

美智は、うんとうなずいてドアの前へ

Darlingたちのところまで、下がっているネ

イイカラッ

あわ、判ったわよ

早くネ

も、もうっ

オレたちの居るロビーに走って来る天童乙女

眼と耳を塞いで、身体を縮めてアーデルハイトさんも、木下さんも

ほらほら早く

オレと寧はみんなにそう言う

これだけ離れていても結構、衝撃が来るはずだ

急いでっ

オレたちの様子に天童乙女とアーデルハイトさん、木下さんも耐える姿勢になってくれた

ゆっくりと静かに部屋のドアを開ける音がする

きっと、イーディがやっている

中から女の子たちの声が聞こえないのはやはれ、そういうことなんだろう

オレは、ギュッと眼と閉じ耳を押さえる

心月ッッッ

気が爆発する

美智を中心に気の風がブオオオッと吹き荒れるッッ

な、何うぐぅぅっ

はぐうっ

心月初体験の3人にはキツイだろう

気の爆発がおさまったことを確認するとオレは眼を開け、身体を起こす

部屋の中の人間は全員、気絶させました

イーディは心月の余波を食らったのか、廊下に倒れている

美智の精神統一を確実なものにするためには静かにドアを開けるのは、イーディがやるしかなかった

覚悟の上だ

ちょっ、ちょっと

天童乙女がふらつきながら立ち上がる

あたしの仲間に何するんだよっ

もつれる足取りで仲間たちのいる部屋へと向かう

オレも後を追った

あれを見てもおっしゃりますか

美智が、部屋の中を指差す

中には6人の少女たちと、1人の男のヤクザが倒れていた

オトコのヤクザは片手にナイフを持ち腹には

ダイナマイトを使った自爆装置みたいですね

遅れてきた木下さんが中を覗き込みそう言った

爆発物は、用意されていたんだ

もし、香月セキュリティ・サービスが力尽くで、天童貞男たちを捕まえようとしたら自爆テロを起こすつもりだったんだな

天童乙女に毒物を飲んで死ぬ様に指示したように

天童貞男は、自分たちの命も安いものだと思っている

しかしミナホ姉さんからの連絡で

ヨミという手柄を手にして関西へ戻れる可能性ができたから

無理な自爆は止して爆弾だけここにセットして、タイマーで爆発させるつもりだったんだろう

全員、一気に気絶させるしかありませんでした

最後の部屋も何が仕掛けられているか判りません

残るヤクザは1人

今の子は、さるかに合戦を知らないみたいです

というか、話も改変されていて

お祖母さんは死なないで、ケガするだけとか

牛の糞は登場しないとか

さて、そろそろ大徳寺園子の設定を考えよう

せめて、年齢だけでも

さすがに次話には、登場させないといけないので

906.夜は楽し / 制圧

最後の一番奥のドアがゆっくりと開いていく

敵が、自分から外に出て来た

それは野太いオンナの声だった

デ、テメェら、今、何をしやがったんだよっ

ああ、そのオンナはわずかに開いていたドアの隙間から、廊下の様子を監視していて

美智の心月の余波を食らったんだな

オンナは怒りに歪んだ顔だけを、廊下に出す

身構える美智

至近距離で心月を食らったイーディは、まだ動けないで床に倒れたままだ

オレと天童乙女は、廊下の途中

寧と木下さんとアーデルハイトさんは少し離れたロビーに居る

乙女っ、あんた、あたしたちを裏切ったんだねっ

憎しみの眼で、天童乙女を見る

ヒロミさんっ

天童乙女が、思わずそうを口走った

つまりこのオンナが天童貞男グループの謎のオンナ、イワサキ・ヒロミか

もう逃げられないですよぉ大人しくした方がいいんじゃないですかぁ