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アンタは、アタマが良すぎるノネだから今までは、アタマの中のイメージだけで自分はできるって思い込んでたノネそれが、今度はゲンジツのゲンバに出て、アタマの中だけで自分はダメなヤツだったと思い込んでいるヨ

アーデルハイトさんが、イーディを見る

真剣な眼差しで

アンタはさ評価の基準がキョクタンなのネ

評価の基準

アンタの中の世界は全然ダメかミンナが賞賛してくれるくらい凄いの2つだけなのネデモ、世の中にはその2つの真ん中にユル―いとりあえず、オーケイとかまあ、仕方ないけれどアリみたいなフンワリした世界もあるノネ

今日のアンタの仕事は、間違いなく合格ネアンタは、アンタに求められている仕事を、キチンとこなしていたネアレ以上のことができなかった自分はダメだっていうのは、間違っているノネ

アーデルハイトさんは何を苦しんでいるんだ

人より常に秀でていないと自分が不安なのよこの子は

そうやって、他の人たちよりも優れた才能と力を見せることで生き抜いてきた子なのよ

売春窟から脱出して

警護のアカデミー入学して、13才でライセンスを取得したというのは

そ、そうですわわたくしはいつだって、他の人たちよりも強くならなければ這い上がらなければいけないんです

それがさっき圧倒的な、美智とイーディの能力に負けた

いや、アーデルハイトさん本人だけが、負けたと感じている

いや、わたくしよりもお二人の方が能力が高いことは、昼間のパーティの時に判っていましたでも、わたくしはもっと自分は動けるはずだともっともっと能力があるはずだと思っていたのです

最初のヤクザを倒した後残りの連中を全員、美智たちに取られるとは思っていなかったのか

しかも次々と起こるトラブルに対して、常に冷静に対処なさっていって

自爆ジャケットを着たヤクザに心月を食らわせたりあのわけの判らないイワサキ・ヒロミを撃退したり

黒森様たちまで、飄々として状況に平然と対処していらしてドキドキして何もできなくなったのは、わたくしだけで

それは違うよーっあたしたちは今日みたいな修羅場は慣れっこだしさっヨッちゃんは、ああいう時にビビらない病にかかっているだけだからっ

そうよこの人はちょっと壊れているのよ、そういう所の頭の回路が

翔姉ちゃんまで

でも、わたくしはわたくしは

イワサキ・ヒロミが自爆ジャケットを着て現れたことに、アーデルハイトさんはビビッたんだ

明確にこのまま死ぬかもしれないという恐怖を、生まれて初めて感じた

でも、オレたちがノホホンとしていたから

いや、それは違うってオレとヤッちゃんと、美智にイーディに、木下さんだろこのメンバーは、ホントにもう慣れっこなんだよ今日ぐらいのことはさ

違いますっわたくしがダメだったんです戦う意志に欠けていたんです

すると真緒ちゃんが、トコトコとやって来て

お姉ちゃんそういう時は、パパに甘えていいんだよっ

ぬししっ真緒判ってたよパパは、お姉ちゃんは連れて帰って来るけれどもう一人の眼付きの悪いお姉さんは連れて帰って来ないって

眼付きの悪いって天童乙女のことか

アニエスも、判っていましたのっ

アニエスもそう言って、微笑む

パパは可愛い女の子が大好きですけれど可愛いだけじゃダメなんですの

おいおい、何を言い出す

パパは可愛くて優しい子じゃないとダメなんですの

うん、そうだよねえユキノちゃんとかだってイジワルっぽいことを言ったりするけれど、とっても優しいもんねぇ

真緒ちゃんが、そう言う

それでパパは、お姉ちゃんのこと好きだよ

はいですのお姉さんは可愛くて、優しい人ですから

2人が、ニッと笑ってアーデルハイトさんを見る

わたくしが優しい

そんなことはございませんっわたくしは生き抜くために心を鬼にして、たくさんの人たちを蹴落としてきたのですから

だーかーらそういうのは、もういいから

そうそうもういいですのっ

クスクスと真緒ちゃんとアニエスちゃんが笑う

これからはパパとそれから真緒と

そうそう、みんなと一緒なんだから

お姉さんは自分の成長に合わせて、ゆっくりと頑張ればいいんですのっ

そうそうパパが見ていてくれるんだから

寂しい時は、いつでもギューッとしてくれますの

アーデルハイトさんは絶句している

役所に謄本を取りに行く

いや、何かよくは知らないのですが母の店の書類を

前は、倒れる前の父が取りに行ってくれていたらしいので

私どこへ行けば取れるんだ料金は

父うーん、多分、あの辺の駅だ

私あの辺じゃ判らないよ

父じゃあ、一緒に行こう

私だから、何という役所に行くんだ

父お前は忘れた場所は大体覚えている

というので恐る恐る、父と家を出ました

父確か、ここで電車を乗り換える

私うん

父確か、ここの駅だったと思う

父確か、こっちの道だ

そして法務局に着きました

父そうだそうだ確か、ここの3階だ

私証明書なんかの交付は、2階って書いてあるよ

父じゃあ2階だ

父確か、手数料が300円だ

法務局の人600円です

父じゃあ、600円だ

法務局ちなみに手数料じゃないんで、後ろの窓口で600円の収入印紙を買って来て下さい

父じゃあ、買って来なくちゃ

覚えていることと、記憶が曖昧なことがゴチャ混ぜでとても怖いです

まあ無事にもらって来れたので、いいのですが

908.夜は楽し / スープとカツレツとカレーとサラダ

もちろん、強制じゃないわよゆっくり考えていいことだから麗華に、あなたと話をするように言っておいたわ

翔姉ちゃんは、アーデルハイトさんに笑顔で言う

藤宮麗華さんでございますか

驚く、アーデルハイトさん

ええ、昔の麗華は今のあなたに、とってもよく似ていたのよ

昔のオレたちの家族になる前のレイちゃん

あの子は、香月セキュリティ・サービスという組織の中にいながら誰とも共闘できずに孤立していたわ何でも自分1人でやろうとして他人に心を開こうとしなかった

ああ、トップ・エリート警護人なのに英国紳士の男装でピリピリしていて、いつも1人で行動していたよな

だから、いつも精神的に不安定だったわ個人でどれだけ高い能力を持っていても、それではハイレベルの仕事はできないわ

アタシはこのFamilyに入って、ホントに良かったと思っているヨ全部、1人でやらなくていいカラさっきだってDarlingやネイたちが敵の注意を惹いて、アタシが飛び出して、最後はミチが突っ込んでクルお互いが何を考えていて、どう動いて、何をしたらいいのか、ちゃんと判り合っているから、スムーズに動けたのネ