この拘禁室の鍵は、電子式だろうからロックの解除も、さっきの部屋からやってもらうしかない
こっちはオーケイだよっドア、開けて
Darlingコウイウのはもっとスマートにやった方が、楽しいネ
イーディが分厚い金属のドアを、ドンドンッとノックする
OPEN SESAME
カチャン
電子ロックが解除される
ツツツツツツーッッ
そして、拘禁室のドアがゆっくりと横に開いていく
ハーイ、元気ダッタカ
イーディが、中で驚いている天童乙女に微笑む
あ、あんたたちっ
天童乙女の顔が、みるみるうちに怒りに赤く染まっていく
今の今まで、何していたんだよっ
だんっと、立ち上がってオレたちに詰め寄ろうとする
散々あそこに居る3人ムスメに、文句を言われ続けていたからな
オレたちという、フラストレーションを解消できる相手の登場に
一気に、不満を爆発させる
HAWOOO
イーディが気の塊を、天童乙女に放った
ぬぅぅッッ
そのまま、天童乙女は後ろにペタンと尻餅を付いた
天童乙女だけじゃない
彼女の後ろに居た、金髪、赤毛、眉無しパーマも気の風に、ビクッと震える
壁際でうつむいていた中学生の双子と、地味な女の子もハッとオレたちの方を見た
ぐったりしていた徳大寺園子さんとシゲヨさんまで
アタシたちには、アタシたちの都合がアルのネッアンタたちに合わせてアゲルわけにはいかないノヨッッ
イーディが、ハッキリと強くそう言う
その間に、オレたちは全員部屋の中へ入る
CLOSE
イーディが低い声でそう言うとドアが、スルスルと閉まっていく
あちょっと待てよ
天童乙女がそう言うがもう遅い
ドアは閉まり、ガチャリと自動的に施錠される
状況説明とあなたたちの今後を相談しに、やって来たんだ
物騒なことをお考えになってはいけませんわあなたには、それはできませんから
月子が天童乙女に微笑む
ああ、頭の中でオレたちを人質にするとか、傷つけるとか考えたんだな
あなたの心に刻みましたわたくしに従いなさいという命令はそのままになっていますから
月子は昼間のパーティで、天童乙女を捕獲した時に
そういう命令をしていた
公様このお部屋には、天童乙女さんほどの使い手はいませんわ
ささっと、部屋の中の少女たちの心をスキャンする
ああ天童乙女が話していたことが本当なら
この部屋の少女たちの中には、天童乙女と一緒に武術を習っていた子もいるはずだ
大丈夫ヨもし、全員で掛かって来てもアタシ1人で倒せるネ
イーディは、構えを崩さない
一体何が、どうしたっていうんだい
ようやく、天童乙女が口を開く
あたしがあんたたちに協力したらこの子たちは助けてくれるっていう約束だったろ
ああ、オレもそうしたいと思っているさだから、こうして話をしに来たんだ
話なんかより何か食い物を寄越せよっ
そ、そうだよっ飲み物とかさ気が利かねえんじゃねぇの
そうだよオメェが誰なのか知らねえけれどさもう少し、待遇を良くしろってんだよっ
オレの話をしに来たという言葉を聞いて金髪、赤毛、眉無しパーマが喚き始める
危害を加えにきたんじゃないと判ったら一気に態度がデカくなる
つーか、何なんだよオメェら
おい、コーラ持って来いよコーラ
アタシ、スプライト
ホントどうしようもねえな
あたしらはオヤジたちに無理矢理連れて来られただけの被害者なんだからなっ
そうだよっ、こんなとこに閉じ込められんのはジンケン蹂躙だよっ
オメェ、香月家の関係者かだったらよ一流ホテルに宿とって、豪華なディナーぐらい食わせろってんだよっ
そうだよ、そうだよ金持ってるんだろっ
金持ちだからって、ふざけやがって
何か言えよこらぁぁ
彼女たちは虚勢を張っている
本心では怖いんだ
巨大な力によって、1室に閉じ込められていることが
自分たちの中で一番強い天童乙女がイーディの気合いだけで参ってしまったことが
月子の何とも言えない、不思議な雰囲気が
余裕たっぷりに、ニコニコ笑っている寧の美貌が
唯一、文句が言えそうなオレたぢを見てギャアギャアと喚いている
他の子たちは怖くて見れないからオレだけに、フラストレーションを放出している
一緒に捕らえたお前たちの親たちとはもう二度と会えないと思ってくれ
な、な、何だ
そ、それどういうことだよ
オイ、コラいい加減なことをヌカスと
香月家の力であいつらは全員、処分することに決定した骨一つ残らないだろうそういうことになる
そう呟いたのは徳大寺園子さんだった
待って下さいあたしなら、どうなっても構いませんからパパはパパを助けて下さい
必死になって、オレにそう言う
残念だけれどオレには、どうすることもできないこれは、香月家の決定だから香月の家に害をなそうとした者は全員、処分する
でも、パパはパパは、気が弱いだけで周りの人たちに脅されてそれで、一緒になっていただけなんです
オレはさっきモニター画面で見た、可哀相なこの子の父親を思い出す
他のヤクザたちに虐げられていた徳大寺を
そんなことは関係無いオレたちの知ったことじゃないし知るべきことでもない
1人残らず全員、処分されたということにならないとまた、あんたの父親みたいな人間が生まれる香月家に手出しすることは、殺されに行くことと同じなんだってことにならないと脅されたぐらいで、馬鹿な連中に付き合う人がまた出て来るから
だからあの徳大寺という人も、処分されなくてはいけない
天童貞男たちに強制されることを断る勇気を
いや、天童貞男みたいな男に支配されない知恵を
あの人が持ち合わせていなかったことが、悪かったんだ
あなただってそういう弱いお父さんだったからこそ、こうして巻き添えになってしまったんじゃないですか
関西から無理矢理、東京へ連れて来られて
他の大人のヤクザたちの暇つぶしに犯され続けた
あたしのことは、どうでもいいんですっパパは
オレだって、あなたのことなんかどうだっていいんだよっ
第2のあんたみたいな子を作らないようにするためには、あんたのお父さんも処分するしかないんだよっ
シンとなる部屋の中
そ、園子に怒鳴るなよっ
天童乙女が、オレに文句を言うが
うるさいヨ黙ってナ
イーディが、睨んで制する
園子さんは、自分のお父さんのためならオッサンのヤクザたちの慰み者にされても構わないのかもしれないけどさ
園子さんの眼をジッと見る
オレたちが、寛大な処置をすることでまた関西から、鉄砲玉のヤクザが派遣されてそいつらもまた娘を連れて来てレイプされ続けるかもしれないんだよ