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好き勝手に言い放って、世間を騒がせるだけで、誰も責任を取らないんだから

ノストラダムスという言葉の響きは、妙に怖いけれど

ノートルダムのことなわけで

ノートルダムが我らの貴婦人という意味で、聖母マリアを指すとなると

おどろおどろしさも半分くらいになる

1231.桜子・売春したいお嬢様 / 桃子姉ちゃんの怒り

・高橋慶彦/23歳名家・高橋家の令息狩野桜子の許婚者だった

椅子は勧めないわよわたくしたちはあなたと、そんなに長く面談するつもりはありませんからそちらで立っていなさい

名家・歌晏家の令嬢桃子姉ちゃんは、狩野桜子さんに一方的に婚約破棄を通告した名家・高橋家の青年に告げる

あ、あのなぜです

高橋青年はこの場に、桃子姉ちゃん、みすず、瑠璃子、美子さんと名家を束ねる歌晏家、香月家の令嬢たちが全員勢揃いしていることに驚いている

ということはこの男は、あくまでも桜子さんだけに会いに来たのだろう

このホテルに桜子さんが来ているという情報だけを聞いてきて

ああ、桜子たちの格好のこと体育祭でする余興の練習でもしていたんだと思うわわたくしもよく知りませんけれど

桃子姉ちゃんは、わざと桜子さんと瑠璃子とまり子さらに不知火さんと美里までが、お揃いのチアガールのヘソ出しミニスカート姿なことについて言及する

それは、つまり高橋青年に、桜子さんは婚約破棄のことで大したショックを受けていない学校の友人たちとチアガールの練習をするぐらい元気なのだということを示している

いわゆる効いていないぞアピールというやつだ

もっとも桜子さん自身は元許婚者の襲来に、すっかり真っ青な顔になってうつむいている

何とか平静を保っているのは隣から桃子姉ちゃんとまり子が、桜子さんの手を握ってあげているからだろう

高橋さんこそよく、桜子がここに居ることが判ったわね

桃子姉ちゃんは、皮肉っぽい笑みを浮かべて高橋青年に言う

それは香月家にお尋ねしましたら、桜子さんはこちらにいらっしゃると教えていただけましたので

香月家には、香月セキュリティ・サービスという名家の人間専門の警護をするという名目の私兵組織兼情報収集機関がある

名家の人たちについての情報は逐一掴んでいるはずだから桜子さんの現在位置だって知っているはずだと思ったのだろう

あら、高橋さんは確か、メール一通で桜子にサラナラなさったんじゃなかったのどうして、今更桜子に会いたいのかしら

桃子姉ちゃんは全てを知っている

いや、高橋家は狩野桜子さんとの婚約破棄についての一件を、全て香月家に報告したということだから

ジッちゃんから、報告の内容が歌晏さんに話されそれを桃子姉ちゃんも聞いて来たと考えるべきなんだろう

それは、その高橋家といたしましては、今回のこと狩野家が桜子さんの出生について隠し事をなさっていたことは、当家に対する重大な瑕疵であると考えだから、僕と桜子さんの婚約については破棄せざるを得ないという結論に達したのですが

隠し事桜子さんが、狩野家の正統な娘ではなかったということ

父親は確かに、狩野家の現当主だが母親は、銀座のお店にホステスのアルバイトに来ていた女子大生だった

つまり不倫の子

しかも、その母親は狩野家から追放された後、売春婦に身を堕として亡くなった

ええ、そうらしいわねでも高橋家からの婚約破棄の通告はもうすでに全て済んでいるはずよねそれなのにどうして、高橋さんは改めて桜子に会いに来たのかしら

桃子姉ちゃんは尋ねる

高橋青年は、戸惑いながらも言う

高橋家は、高橋家として今回のことに関しては、婚約破棄するしかないと判断したわけですが

あなた個人はそうじゃないってことかしら

桃子姉ちゃんは、煽り気味に尋ねる

いや、そうではありません僕は祖父や父の決定には従いますというかこの決定は、妥当なものだと思いますし高橋家も、狩野様や歌晏様、香月様ほどではございませんが名門の家系ですから

不倫の子で、売春婦の娘とは結婚できないということか

ですが、その名家の一員として、香月様には婚約破棄についての詳細をお話しなくてはならないと考えて、父が報告させていただきましたのですが大変、ご不興なご様子だったそうで

名家の存続と保護について、日頃からジッちゃんは色々と行動している

だから、名家同士の婚姻に関しては、ジッちゃんに報告しなくてはならない

ましてや婚約破棄なんてことになったら

当事者からの直接の報告が行われる前に、ジッちゃんが香月セキュリティ・サービスの情報網でその事実を知ったりしたら

ジッちゃんの激しい怒りを買うことになる

だから高橋家の現当主は、真っ先にジッちゃんに詳細を報告した

うちのお祖父様も、とっても怒っていらしたわよ

だから、わたくしがここに居るんです

高橋家は今最も家柄が高く、勢力もある大名家の香月家と歌晏家の当主に睨まれている

で、ですが今回の件での瑕疵は、全て狩野家にあるわけで高橋家としては、こうするより他になかったわけで

慌てて弁明する高橋青年

あなたのお気持ちは判りますけれどでもやり方というものがあるんじゃありませんこと

桃子姉ちゃんは、チクリと刺すように言う

一方的なメールだけで済ませてしまおうだなんて長い期間許婚者だった16歳の女の子に対して、可哀相過ぎる対応だとは思いますわよわたくしは

で、ですから僕はこうして、桜子さんに直接会いに来たんです

高橋青年はそう言う

それってうちのお祖父様や香月様が、予想以上に怒っていらしたから少しでもお怒りを鎮めるために、直接会ってちゃんと話をしたという既成事実を作っておこうっていうそういうお考えなのよね

桃子姉ちゃんは笑顔で、高橋青年を追い詰めていく

いや、あのですが、今回の件は本来ならば、狩野家の方が高橋家に謝罪に来られるべきことのはずです何度も申し上げますが婚約破棄するしかないような重大な瑕疵があったのは、狩野家の方であって、高橋家ではありませんっ

少しキレ気味に話す高橋青年

桜子さんは、叱られている子供ようにただ力なく、うつむいて下を見ているだけだ

あなた何か勘違いしているんじゃないのかしら

判らないの今、この部屋の中のこういう状況を見て

クスッと高橋青年を嘲笑する

桜子のことをわたくしは、自分の妹だと思っているわ今までもそうだったしこれからも、ずっとそうよ

桃子姉ちゃんは、桜子さんの手をギュッと握りしめて言う

あたしも同じ気持ちですわ桜子さんはあたしの妹です

わたくしにとっては、大切なお姉様ですわこれからもずっと