そうだこの男は
そりゃ、歌晏家の桃子姉ちゃんの方が大事なのかもしれないけれどさ桜子のことで話に来ているのに、全然、桜子を見ないなんて
高橋さんは桜子さんのことを人間として見ていなかったんですわ
名家と名家の政略結婚高橋家は狩野家の家柄を、狩野家は高橋家の資産を手に入れるための相手だとしか思っていなかったからだから、こんなことになったんですわ
そういう契約で結婚する相手だとしか感じていなかったから
桜子さんの出生の秘密を契約違反だと文句を付けてきた
桜子さんに対する愛情とかは、最初から全く無かったんだ
ホント、公ちゃんとは全然違うよね公ちゃんは、桜子のことを心配して横からチラチラと桜子の顔を見ていたでしょ
そりゃ見るよ心配だから
オレの答えに、桜子さんは恥ずかしそうな表情になる
あの人の親高橋家の当主の方は、今頃、お祖父様たちが対処して下さっているわあの人ほど、馬鹿じゃないから記憶を改変するようなことまでは、しないで済むはずよ
ジッちゃんと歌晏さんが並んで高橋家の当主に、桜子さんの秘密の隠蔽を命じているんだ
ご当主の方が、お祖父様たちの怖ろしさは、よーく判っているからあの人なんてまだ若いから、お祖父様たちに叱られても反発して、ムチャクチャなことをしでかしかねないでしょだから、あの人だけ、こっちに呼んだのよ
直接、あの人と会うことで桜子の気持ちの整理もできると思ったしね
婚約破棄に関するショックはこれでどうにか踏ん切りが付くだろう
これだけダメなつまらない男だったんだから結婚しなくて、正解だったんだ
桜子さんに関する醜聞が広まらないということも香月セキュリティ・サービスが保証したし
さて、その上で桜子、あなた、この後はどうするの
桃子姉ちゃんは桜子さんに尋ねる
まだ公ちゃんに遊んでもらい続ける
昨日の夜突然母が
大変、大変お父さんたら忘れていたのよ
え、何を
金曜日に、いつものお医者さんに行ったでしょそれでお薬を処方してもらったんだけれど薬局に行ってないのよ
お薬がまだあるからいいと思ってたんだって
それで夕食後のお薬が足りなくなったから、薬局に行ってないの思いだしたんだって
ちょっと待って、金曜日に処方箋を書いてもらったんだよね
そうなのよ、だから今日中に薬局に行かないと、期限切れになっちゃうのよ
でも、もう夕食後の時間
駅前の薬局なら、8時30分までやってるはずよあんた、行ってきて
というわけで、冷たい雨の降る中を全力疾走して父の薬を買って来ました
なんだかなぁ
1232.桜子・売春したいお嬢様 / 裸でぶつかり合うということ
さて、その上で桜子、あなた、この後はどうするのまだ公ちゃんに遊んでもらい続ける
元許婚者の高橋青年がヨミに記憶改変されている様子を見ながら
桃子姉ちゃんは桜子さんに、そう尋ねた
これで取りあえずあなたの秘密は守られるわ今まで通り狩野家の娘として生きていくことができるのよ
桜子さんの売春希望は間違いなく、自暴自棄からの行動だ
自分の出生の秘密を知ってしまったこと特に、本当の母親が売春婦として死んだということに対するショック
父親が、その事実を隠していたということまた、本当の母に酷い仕打ちをして、苦しい状況を全く助けてあげなかったという事実
そして、何より婚約者の家である高橋家に、その事実を全て知られてしまったということ
高橋家から、自分の出生の秘密が他の名家や世間に伝わってしまうのではないかという不安
そんなことになったら、桜子さんの将来はメチャメチャになる
幾つもの衝撃が重なって桜子さんに、母親の辛い体験を自分も経験しなくてはならないと思い込ませた
ヨミが巫女の力で高橋青年の記憶を削り取り高橋家や高橋家の雇った人間たちの口は、香月セキュリティ・サービスが徹底的にふさぐと決まった以上
桜子さんの不安の要因は、半分に減った
少なくとも桜子さんが、これから先も名家の世界で生きていくことができるということは、香月家と歌晏家が保証している
公ちゃんには悪いけれどここで切り上げて、家に帰るという選択もあるのよ
桃子姉ちゃんはそう言うけれど
いや、その選択は無いよ桃子姉ちゃん
ここで中止することはできないよ
わたくしは今、桜子に話しているのよ公ちゃんは黙っていなさい
強い眼で、オレを見る
だから、今の桜子にはそんなことを決めることは許されないんだってば
オレは負けずと睨み返す
午後の5時までオレは桜子の身体を買っている今は、まだオレが支配しているんだ
桜子さんがオレを見る
何よそれそんなの、お金の問題なら、わたくしが返すわそれでいいでしょ
桃子姉ちゃんは、強硬に文句を言うが
金の問題なんかじゃないよこれは、人間と人間の大切な約束だオレは桜子さんの覚悟を買ったんだ桜子さんは、ほんの1時間前の自分の心を裏切ることができるのか
オレに売春したいと言ってきたのは桜子さんの方なんだ
6時間6000円で身体を売るという約束も彼女自身が了承したことだ
桃子お姉様何もかも、もう遅いんですわ今から、桜子さんの運命を変えることは、誰にもできません
どうしてよ桜子の様子を見る限りはというより、公ちゃんの性格から考えて、まだ桜子の純潔はそのままなんでしょ
まり子の処女喪失を見ているから桃子姉ちゃんは、オレが初めての女の子にはたっぷりと時間を掛けることを知っている
というか桜子がすでに犯されていたなら、精神的にも肉体的にも、もっとズタボロな状態になっている
こんな風にホテルの中を移動して、イタリアン・レストランに来ることはできないし昼食だって喉に通らないはずだ
しかし、桜子さんは自分が注文したスパゲッティを普通に食べていた
ああ、桜子はまだ処女のままだよ
だったらもう一度、ここでこの子に選択する権利をあげるべきなんじゃないかしら
それは許されないんだってば確かに、桜子の肉体はまだ処女のままだけれど心はもう、違うからさ
桜子さんはすでにオレにファースト・キスを奪われている
裸のおっぱいを露出させられ左右の乳首をしゃぶられた
それから、フェラチオを強要されオレの精液を飲んだ
オレはもう桜子に彼女の導火線に火を付けてしまったんだここで止めたらその火は残るよ桜子の中で延焼して面倒なことになると思う
オレではない他の男に突発的に、売春しようとするかもしれない
桜子の内面には今、色んな負のエネルギーが溜まっているそれを全部吐き出させるための準備をオレはしたんだちゃんと最期までやらないと溜め込まれたものが爆発するよ