いきなりオレが現れて桜子さんとセックスしたなんてことを話したら
話がこじれるだけか
ホントあなたの普通は、普通の人の普通とは違うんだもの
だからあたしが、あなたに付いていかないといけないのよ
克子姉も来るの
大人がいないとあなたたちだけじゃ、狩野様に話を聞いてもらえないと思うわよ
ああ桃子姉ちゃんも、みすずもオレも
狩野家の当主夫妻から見たら、ただの高校生か
麗華お姉さんは香月家の家臣という立場があるから、お話には参加できないでしょ
レイちゃんは、香月セキュリティ・サービスの職員だもんな
狩野夫妻からすれば、香月家の使用人だ
だから、あたしがお嬢様の代わりに、黒森家の代表として行くわ
しかし、克子お姉様黒森家は、名家で無いですし今回のことには何も関係していないと思いますが
あら、何を言っているのようちの子が、狩野様の大切なお嬢様をキズモノにしたのよ黒森家の大人が、この子と一緒にお詫びに行くのが普通でしょ
あそうかなるほど
オレ1人じゃ、話にならないのか
オレと桜子さんがセックスしたことは
黒森家と狩野家の遺恨となる可能性がある
大人が立ち合うことで、誠意を見せないとね黒森家が、名家の人たちから非難されることになってしまうわ
克子姉は笑顔を崩さない
あの全て、わたくしが自分で望んでしたことですから黒森家にご迷惑を掛けるようなことにはならないように父と母に説明致しますわ
桜子さんが、慌てて克子姉に言う
そういう理屈は通らないわよこういう場合は女の子の方から誘ったとしても、責任を取らされるのは男の方なのよそれが世間の常識でしょ
克子姉の言う通りだうん桜子さんのお父さんやお母さんからしたら、全部、オレが悪いってことになると思うよ
どんな理由があろうともオレは、桜子さんとセックスして処女を奪ったんだ憎まれるのは仕方ないんだよな
心配しないであたしが一緒に、謝ってあげるから
克子姉が、そう言ってオレの髪を撫でる
ということで克子姉にも、来てもらうことになった
では、参りましょうご案内致します
レイちゃんが、オレたちを先導する
エレベーターで上の階へ
ああ、ここのフロアもホテルの一般客には、解放していないんだな
廊下には、人影は全く見えなかった
歌晏様と狩野様のいらっしゃるお部屋は、あちらです瑠璃子様たちは、こちらのお部屋をお使い下さい
レイちゃんが、カードキーで歌晏老人たちの居る部屋の隣のドアを開ける
ありがとうございますお兄様、おカバンをお預かり致します
ああハメ撮り映像を記録したカメラ類を持って行くのはマズイよな
オレは、カバンを瑠璃子に預ける
ヨミが先に部屋に入る
大丈夫ですっ
巫女の力で、部屋の中をチェックして不審者などが居ないことを確認する
こういうことを率先してするのはレイちゃんと話した効果なんだろう
瑠璃子、美子さん、ヨミ、美里が部屋の中へ入る
こっちも行くわよ
桃子姉ちゃんが隣の部屋のドアへ向かう
オレ、みすず、まり子、克子姉、レイちゃん
それに廊下の外から挨拶だけする予定の美智とセバスティアヌス(山田梅子)さんと、不知火さんが後に続く
ドアは、わたくしが
そして、オレと桜子さんに振り向き
よろしいですね
オレは緊張している桜子さんの手を握る
頼むよレイちゃん
レイちゃんが、ドアの横の呼び鈴を鳴らす
すぐにガチャリとドアが開いた
見慣れぬ黒服の男が、ヌッと現れる
歌晏家か狩野家の警護人だろうと思う
狩野桜子様をお連れ致しました
レイちゃんが黒服の男に言う
はあ、世はゴールデンウィークだというのに
色々とバタバタしています
参ったなあ微妙に忙しいです
1247.桜子・売春したいお嬢様 / 密室の中へ
中から出て来た黒服の男は、レイちゃんにそう言って奥へ向かう
ここの部屋も、普段はジッちゃんが密談に使っているんだろう
だから、廊下には警護役用の待機室が繋がっていて主人たちが居る部屋は、さらにその奥にある
今の人は、うちの警護人じゃないわ狩野家の人なの
桃子姉ちゃんが、桜子さんに尋ねる
いえ多分、父がこちらに来るためにわざわざ雇っていらしたんだと思います
桜子さんは答えた
おそらく、シエのお父様の不知火さんは、お父様に付いて下さっていると思いますが
ああ、不知火さんは先祖代々、狩野家に仕えている警護役の家の人だったよな
今はお父様の警護人は、不知火さん、お一人だけですから
ああ、なるほどね狩野家の現当主が、香月家の施設に来るのに警護人が一人じゃ格好が付かないものね
ジッちゃんが移動する時には毎回必ず、数チームの警護員たちが付く
それこそ、ジッちゃんを直接ガードするチームだけでなく訪問先に先乗りして危険なことがないかチェックするチームや、尾行者をまくための影武者のチームまでいる
オレは歌晏さんの警護の人には、まだ会っていないけれど歌晏家だって、同じだろう
香月家と歌晏家は同じぐらいの家柄と勢力を誇っているのだから
となると家は没落寸前でも、家格だけは香月家、歌晏家と同じ狩野家の当主は
こういう時には他の2家に、色々と合わせないといけない
でも藤宮さん
桃子姉ちゃんは、レイちゃんを見る
今の臨時雇いの警護の人香月セキュリティ・サービスだったら使います
うちでは雇いませんねあのレベルの人は
レイちゃんは、笑顔で答えた
そうよね公ちゃん、判る
桃子姉ちゃんは、今度はオレに振り向いた
例えば一流の人たちが集まるパーティに行かないといけないとするでしょ他の人たちは、みんな高級な自家用車で会場へ向かうだけど、自分は車を持っていない仕方ないからレンタカーを借りるまあ、そういうのと同じケースよね
警護役が高級酒に変わっただけの例え話だよな
この場合、レンタカー屋さんからどんな車を借りるかが大切なのよその人のセンスが判るから他の人がベンツやロールスロイスで来ている会場に車なら何でもいいんだろうって、商用のライトバンとかで来たら馬鹿にされるのは仕方ないわよね
桃子姉ちゃんは、笑ってそう言う
つまり、ジッちゃんや歌晏さんが連れている警護役の人たちは、値段も性能も素晴らしい上にプレミア価値まで付いている超高級車で
桜子さんのお父さん狩野家の当主が、人数を水増しするために追加で雇った黒服警護員たちは、ポンコツ車ってことか
公ちゃんだったら、そういう時どうする大切なパーティに行かなきゃいけないのに、自分の車が無かったら