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美智が、歌晏老人に頭を下げたままの状態で返事をした

セバスティアヌスも、お祖父様のご命令を実行しなさい

桃子姉ちゃんも、自分の警護役に言う

こちらには、クリスや、藤宮さんがいらっしゃるのですからわたくしたちの警護は問題ないわ瑠璃子さんたちを守っていいわね

セバスティアヌス(山田梅子さん)も、主に答える

シエも美智さんたちと一緒に行きなさいいいわね

桜子さんが、不知火シエさんに言う

歌晏様は、不知火さんに命じられたけれどシエも、お許しがあるまでは絶対に不知火さんと会話してはだめよ瑠璃子様たちがいらっしゃるお部屋には、誰も入って来ないようにして

瑠璃子たちの居る隣室には

オレと桜子さんたちとのセックス映像を記録したカメラ類や

桜子さんが処女だった証の血が付いたシーツとか見られたらかなりマズい証拠物件が幾つもある

はい桜子お嬢様判りました

シエさんも、自分の主人に約束する

自分の主人以外の人間の命は受けない相手が誰であったとしてもそれは、警護役の基本だろう不知火くんよりも、あそこの少女たちの方が警護役の何たるかを理解しているようだな

歌晏老人は、そう言う

頭を下げる不知火父

とにかく君たちは、先に行きなさい

行きなさい、美智

セバスティアヌス

シエ行くのよ

歌晏さんと主たちの命を受け、みすずたちは

もう一度深く頭を下げると美智が、廊下に続くドアを静かに閉めた

これは、不知火父たちにどこの部屋で待機しているか教えないためだろう

とにかく、廊下へ繋がる経路は遮断され

今は、オレたちが居る警護役たちの部屋と奥の部屋が開かれたドアを剥間にして、繋がっている

さて、じゃあお前たちは、こっちに来いそこでは、込み入った話ができない

歌晏老人が、オレたちに言う

ここから先は警護役には、聞かせる必要の無い話だ太一、お前もそっちの部屋に居ろ藤宮くんと一緒に、不知火くんと彼の部下たちを監視していてくれ

ああさっきの黒服の男以外に、もう2人同じような格好の男が、こちらの部屋に居る

この3人は狩野家の臨時雇いの警護人か

歌晏家の警護人はここには、山田青年しかいないみたいだ

他にも来ているはずだけれど歌晏さんが、このフロアには山田さんしか連れて来なかったんだろう

香月家の警護人もレイちゃんだけだ

もっとも、それは今、ここに居るのがレイちゃんだけという話で

このホテルの中には香月セキュリティ・サービスの職員が、たくさん働いているから、いつでも応援が呼ぶことができる

不知火くん、君と君の部下を合わせたら4人太一と藤宮くんと倍の人数がいるわけだが無茶なことはしない方が良い太一と藤宮くんは、不知火くんたちよりも10倍は強いからね

歌晏さんは、そんなことを言った

本当に不知火父が、何かしでかすんじゃないかと考えて、牽制しているみたいだ

御前こちらのことはお任せ下さい

山田青年は、笑顔でそう言う

皆さんは、どうぞ奥へ

レイちゃんも笑ってオレたちに言った

じゃあ、そうさせてもらうわ

桃子姉ちゃんがまず先に、奥の部屋へ入る

あたしも失礼致します

みすずが、桃子姉ちゃんの後を追った

桜子行きましょう

まり子が桜子さんの手を握って2人で、奥の部屋に進む

後に残ったのはオレと克子姉か

よし、じゃあオレたちも行こう、克子姉レイちゃん、こっちの部屋のことよろしく

お任せ下さい克子さん、頼みます

ちょっと待ってくれないか

ずっと黙っていた桜子さんの父親が、口を開く

今回のことは確かに、狩野家の失態です歌晏様や香月様に、ご迷惑をお掛けしてしまったことは、大変申し訳なく思っています

少し乾いた声で狩野家の現在の当主が言う

ですからわたしと娘の話し合いに、歌晏様や桃子さん、香月家のみすずさんが立ち合われることは仕方ないと思っていますまり子くんはわたしにとっては、姉の娘ですし彼女が付いていてくれ方が、桜子が心強いかもしれないだから、話し合いの場に居ることを認めますしかし

狩野典明氏は、ジロッとオレと克子姉を見る

君たちは、何者なのかね

この人は、オレたちのことを知らないんだ

オレは、名家の人間じゃないし

みすずのパートナーってことになっているけれどオレのことを知っている人は、まだまだ限られている

わたしは現在の狩野家の当主だが、君たちを知らない君たちが誰で、どういう目的で桜子に関わっているのか全く判らないそしてわたしはわたしが知らない人間に、わたしの家にとって大切な話し合いの場に居てもらいたくはない

狩野氏は、キッパリと言う

これって、つまり自己紹介しろってことなのかな

あのオレは黒森公って言いますそんで、オレは

とにかく話そうと、オレが口を開くと

君のことなど聞いていないわたしは、部外者は立ち入るなと言っているんだこれは、名家・狩野家の当主として宣言だ

ああ、問答無用でオレと克子姉を、外に追い払いたいんだ

あら、名家っておっしゃるけれどあなた、本当に名家の方

克子姉が、クスッと笑って言う

どういう意味だね

狩野典明氏は、ムスッとして克子姉に尋ねる

名家の方たちそれもご当主の方たちは、皆さん、あたしが何者なのかご存知ですわあたしを知らないなんて名家の世界では、あり得ないことですわ

克子姉は去年の秋まで、黒い森の娼館のナンバーワン娼婦だった

政財界の重鎮たちの中に、克子姉の客だった人たちが何人も居る

その通りだわたしは、彼女が何者かちゃんと知っているぞ

歌晏さんが、笑ってそう言った

彼女のことを知らないというのは、君がこの数年名家の人間として、他家との付き合いを完全に遮断していたということになるな

克子姉が娼婦だったのは5年前からだ

その頃には、もう狩野家の財政は厳しくなっていたのだろう

だから、狩野氏は黒い森の娼館に来ていない

友人に誘われたとしても狩野家には、黒い森の娼婦を買えるような大金は余っていないのだから

そして、娼館に出入りしていないのなら他の名家の人たちは、狩野氏には黒い森の娼婦の話は、絶対にしない

黒い森は、違法な売春組織なのだから

あなたはあなた自身が思っている以上に、名前だけの名家の当主なのよねホントどうしようもないわね

克子姉は、そう言うと平然と、隣の部屋に入って行った

ほら、あなたもいらっしゃい

オレに振り向いて微笑む

オレもドアを潜る

閉めてくれそのドアさえ閉めれば、外にこの部屋の中の会話は聞かれることはない

歌晏老人が、オレに言った