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わずかな金だけを与えて、その後全くフォローしなかったこと

桜子くんは、名家の娘だ気高い娘だ自分が狩野家の中で、何不自由なく安穏と暮らしていた時に実の母親が、自分の知らないところで生活に困窮し売春婦に身を堕とし売春婦のまま死んでしまったと知ったのはショックだろう

歌晏さんは、オレを見る

彼女の珠に深い傷ができてしまったのだ真実を知った桜子くんが、自暴自棄となり死んだ母親を理解するために自分も売春行為をしてみたいと考えたのも仕方ないことだと思う

歌晏さんはオレたちの全てを知っている

ここのホテルはジッちゃん専用で、盗聴したりはできないんじゃなにかったのか

いや、オレたちにそう思わせただけで

ジッちゃんと歌晏さんは、オレたちの行動を全て監視していた

どの部屋を使うか指示したのはジッちゃんだ

ジッちゃんしか知らない監視システムがあの部屋に仕掛けられていたのかもしれない

結果的に言えばわたしも、香月同様、お前に桜子くんの相手をしてもらって良かったと思う

歌晏老人はそう言う

お前じゃなければロクでもない男が、自暴自棄な桜子くんの相手をしていたら、彼女の傷はさらに広がったと思う悪い男に騙されて、本物の売春婦となってしまったかもしれないお前だったからこそ桜子くんは、名家の令嬢のまま踏み留まれたのだと感じているよ

オレもずっと、それが怖かった

人間の心の傷は本物の珠と違って、時間が経てば少しは癒える最初の手当が適切なら傷が広がったり深まったりすることはない

とてもよく判りますわ

しかし傷跡は残る傷は癒えるが、消えしないのだよ同じところにショックを受ければ、傷はまた大きくなる

人の心の傷は絶対になくなったりはしない

桜子くんは今日は、お前のおかげで持ちこたえたしかし、これで彼女の傷が癒えたわけではない

また売春したがるってことですか

売春というより贖罪だな桜子くんの本当の母親が生きていてくれたなら幾らでも取り戻しようがあった母親孝行をすることで、困窮していた母親のことを知らなかった罪を償うことができただが桜子くんの本当の母親が死んでしまっている以上

死んだ母親には尽くせない

死んだ母親の苦しみを知るために何も知らなかった自分を責めるために桜子くんは、また突発的に売春しようとすると思う

桜子さんの本当の母親に対するイメージが売春婦だったということしかないからか

だから、わたしは先ほど桜子くんを狩野家から切り離した狩野家の監視ある場所から外して、こちらがチェックできるところへ置いておくしかない

歌晏老人は、桜子さんに君は自由だと言い切った

その上で、お前に頼みたいのだがこれからも、桜子くんの売春ごっこの相手をしてやってくれないか彼女の中で、突発的に湧き上がるやるせない思いは、誰かが秘密裏に解消してやらなければならぬ

桜子さんはこれからも時々、無性に売春したくなるのか

だから、その度にオレが相手をして、不安定な心を安定させなくてはならない

狩野家にも、鳥居家にも、神崎家にも誰にも知られないところで

この傷は、一生治らないかもしれん桜子くんは、誰かと愛し合い結婚した後もお前に売春を求めるかもしれないもし、そうなったとしても、わたしはお前に密かに桜子くんと通じて欲しいと願うこんなことを頼めるのは、お前だけだ

人の心の傷が、そんなに簡単に治らないことはオレもよく知っている

君の公式なパートナーである、みすずくんにも黒森家にも、お願いしたいどうか、彼にこの役目を

他の人たちに知られないように、密かに売春ごっこして桜子さんの心を安定させるのはオレにしかできないことだ

あたしは構いませんわ名家・狩野家の名誉のためにも桜子さんがそういうことをなさることは隠さないといけないことは判りますし

黒森家としてはお断り致しますわ

笑顔で、そう答えた

驚く歌晏老人

克子姉は、オレの腕を掴んで

この子は、男娼ではありませんから名家の皆様のご都合で、お役目としてセックスしたりは致しません

仕方ないから、セックスしてあげなきゃいけないなんて考えは、絶対にしてはダメよそんなの、あなた自身にとっても、桜子さんにとっても良いことではないわ

真剣な眼で、オレに言う

桜子さんが、自分でこの人の女になると決心しこの人の子供を産む覚悟をして、あたしたち家族の一員になるのでなければ、これ以上のセックスも売春ごっこもしてあげる必要はないのよ

昨日あったこと

ふらついて頭を打った父の様子がおかしい

さっきまで自分で歩いてトイレに行っていたのに

急に歩けなくなった動けなくなった

腰に力が入らずにベッドから落ちて、おしっこを漏らした

慌てて母が熱を測ると39度もある

ゴールデンウィークだし、救急車を呼ぶとどこの病院に連れて行かれるか判らないので

大通りまでタクシーを捕まえに行って、前に父が緊急手術をした大学病院へ

前の時も夜間診療で連れて行ったから3年ぶり2度目

父は病院に着いたときは、完全に腰が抜けてしまって入り口で車椅子を借りる

それから診察を受けて

前回は、大動脈瘤破裂で緊急手術で、そのまま3ヶ月入院したから

今度も覚悟はして言ったのですが

結果的には、風邪のウィルスのせいではないかということで

夜遅くにまたタクシーで、父を帰宅させました

薬が効いたのか、朝になったら何とか自分でトイレに行くぐらいには改善していました

ホッと胸を撫で下ろしたのですがああああああ

たった1日で、痴呆が劇的に悪くなっている

またお漏らししたので、ついに老人用おむつを買って来ました

これを書いている間も、何度も騒ぎを起こしているので

リアル・イズ・ヘル

1252.桜子・売春したいお嬢様 / 偏見と覚悟と決心と

・鷹倉夜見子/14歳鷹倉神社の巫女の3姉妹の真ん中強気な性格のロリ巨乳ヨミ

歌晏様が名家の一員である桜子様を大切になさっているようにあたしたちもこの子のことが大切です家族ですから

この子が家族に向けるべき愛情をお役目として桜子様に注ぐのは間違っていますし、黒森家は断固として拒否致します

わたしの頼みが聞けないというのかね

歌晏老人は強い眼で克子姉に言う

克子姉は、圧力に屈しない笑顔のまま、歌晏老人の眼を真っ直ぐに見返している

君たちは、娼婦をわたしたちに売ることを生業にしているはずだそんな黒森家が、わたしの願いを無視するというのか

歌晏老人の機嫌を損ねたらミナホ姉さんがこれから再開する黒い森の新しい娼館は、間違いなく経営危機となる

一番の顧客である政財界の人たちが、歌晏老人を恐れて娼館に来てくれなくなるだろう