とにかく、少し理解し合う時間を作ろうよそうでないと、オレも不知火さんにどうしてあげたらいいのか判らないからさ
別にいいでしょ、不知火さんも,これで、桜子と一緒に居てもいいっていうことになったんだからさ
まり子が、笑顔でシエさんに言う
そ、そうですねで、では裁縫係として、よろしくお願い致します
不知火さんは、オレたちの提案を受け入れてくれた
はぁーあ
と不意に桃子姉ちゃんが、溜息を吐く
今日一日見てて思ったけれど公ちゃんて、思っていたよりもずっと大きいのよね
いやオレのチンコは、そんなに大きくないよ
桃子姉ちゃんには、オレと桜子のセックスをじっくりと見られている
いや、別にオレも他の男のチンコの大きさなんて、あんまり良く知らないけれどさ中学で寮生活をしていた時に風呂場で、メッチャクチャ、チンコがでかいやつとかに会ったことがあるからさなんつーか、500ミリのペットボトル大勃起していない時で、そういう凄いチンコのヤツラがこの世の中にはたくさんいるからさ
公ちゃんの男性器がそこまで大きくないのはみすずたちにとって良いことだと思うわよペットボトル大とかナンセンスよちょっとした恐怖映画の怪物だわ
桃子姉ちゃんは、そう言うと
違う違う、わたくしは別に男性器の話とかしたいわけじゃないのよっもうっ
え違うんだ
とにかく今日は、わたくしも桜子のことで精一杯だったわだから、このまま帰りますけれど次は
今度はわたくし自身のことで、公ちゃんと向き合うわ
そうでないとそろそろ、わたくしも限界だもの
何が限界なのだろう
またね公ちゃんセバスティアヌス、まり子、お祖父様の部屋に戻るわよ
桃子姉ちゃんは、すっと身を翻すと部屋の入り口へと向かう
ああ、また今度桃子姉ちゃん
オレが桃子姉ちゃんに声を掛けると
ええ近々また会いましょう
桃子姉ちゃんは、笑顔でオレに振り返った
黒森様どうか、桜子のことをよろしくお願い致します
先に狩野聡子さんのお迎えの人が来た
香月セキュリティ・サービスと、聡子さんの実家の神崎家の人たちだ
これから狩野家へ行って、お子さんの典靖くんと身の回りの物を持ち出して神崎家へ戻る
本家の嫡男が連れ去られることについて、狩野家の分家やわずかに残っている家臣が抵抗するかもしれないがそこは、歌晏家と香月家の意向ということで押し切るらしい
まあ、狩野典明氏の押し込めも含めてジッちゃんと歌晏老人で、狩野家内部の根回しはほぼ終わっているはずだから
大きな問題はならないだろう
下手に逆らったら、本当に狩野家が潰されるかもしれないということは狩野家の人たちもよく判っているだろうし
はい、桜子のことはオレに任せて下さい
狩野聡子さんは、最後に深々とオレに頭を下げて部屋から退出した
部屋に残っているのは
オレ、克子姉、みすず、瑠璃子、美子さん、美智、美里、桜子、不知火シエさんの9人となる
狩野桜子様、お医者様がいらしていますので参りましょう
そう言ってやって来たのは香月セキュリティ・サービスの滝さんだった
久しぶりだなあ
桜子が、オレに言う
うん不知火さんも付いて行ってあげてよ一人じゃ、心細いだろうから
ということで桜子と不知火さんも部屋から退出した
これで7人
桜子さんがいなくなった途端
はぁぁ、あたしってダメな女ですわね
そういうことを言っていると、本当にダメな女になってしまうわよ
克子姉は笑顔で言う
人生は長いんだから今日ダメなら、明日は取り返せるように頑張りなさい
そうですわ、みすずお姉様みすずお姉様が不甲斐ないようでしたらお兄様も香月家も、わたくしがいただきますわ
みすずお姉様とお兄様の公式パートナーを解消して名家の皆々様たちの前で、瑠璃子がお兄様と結婚式を挙げても構いませんか
わたくしも自分の欲を抑えすぎていたと思います競い合いましょうお互いにお互いを磨き合いましょうみすずお姉様そうでないと、お兄様を狩野家の桜子さんや歌晏家の桃子お姉様に奪われてしまいますわ
そうね旦那様の公式のパートナーという立場をいただいて、少し浮かれていたと思うわあたしも、覚悟し直さないといけないわね
部屋の内線電話が突然、鳴り出した
美智が電話を取る
はいかしこまりました、少々お待ち下さいご主人様、香月様からでございます
オレは美智から受話器を受け取る
あ、代わりましたオレです
ああわたしだ
確かにジッちゃんの声だった
香月から聞いていると思うがどうしてもわたしが顔を出さなければならない重要な案件があってねこの後も別の会談が控えている
ああ、何かどこかの国の重要人物が来ているんだっけ
だから、今日そこで起きていたことについて全てを知っているわけではないが、わたしの代わりに関くんモニターしていてもらったからだいたいのことは今、報告してもらった
ジッちゃんの代わりにオレたちの様子を翔姉ちゃんが監視していたんだ
お前たちにやり込められて、歌晏のやつがヘコんでいるのだそうだな
いや、あのそれは
気にするなわたしもかつて、瑠璃子の時にお前にヘコまされたことがある
えそうだったっけ
わたしたちのような立場だと、人に叱責させるようなことはなくなる皆、わたしたちの機嫌を伺って悪いことも遠回しに言うからなわたしにとって瑠璃子の件は良い教訓になった瑠璃子をお前に売り飛ばしたのはわたし自身だがお前に瑠璃子を奪われたように感じているよ
今の歌晏もそうだろう全て自分の手の中で、お前や桜子くんたちを操っているつもりだったのにいつの間にか操りの糸は切れていて、お前たちは自立していたこういう体験は、歌晏にとっても新鮮だと思う
実際黒森家は、わたしたちから自立しているマルゴくんはついに、わたしに援助を求めなかった彼女は自分の才覚だけで、格闘技の興行を開催しようとしている
マルゴさんはスポンサーを見つけるために、香月家のパーティでレイちゃんと闘って見せたりしていたけれど
ジッちゃんには香月家からは、何の援助も求めていないのか
何から何まで香月家にすがるのは危険だということを理解しているんだろうまた、そういう立場になるのは面白くないとも感じているんだろう本当に独立心に満ちた強い女性だと思うよ御名穂くんや克子くんもそうだが黒森家の女性は、本当に強いわたしは彼女たちに敬意を払う
克子くんが言う通りわたしは、お前のお情けでお前たちの家族に入れてもらっているだけの人間だわたしは、お前にジッちゃんと呼ばれることが本当に嬉しいのだ後はできれば、わたしが生きている内に、みすずでも瑠璃子でも美子でもいいから、お前との間に赤ん坊を見たいそれだけを強く望んでいる