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ミナホ姉さん、またパーティは始まったばかりだよ

乾杯して、シャンパンを一杯飲んだだけで料理だって何も食べていないはずだ

あたしが居たらお客様たちが落ち着けないでしょ

確かにスナッチたちも、格闘家の皆さんも見た目は若いのに、異様に威圧感のあるミナホ姉さんを不思議そうにチラチラと見ている

あなたたちだけの方が楽しいパーティになるわよ

ミナホ姉さんは居るだけで近くの人たちにプレッシャーを掛けてしまうけれど

みんな落ち着かないだけでミナホのことを怖がってはいないよ

スッと近付いて来たマルゴさんが笑顔で、ミナホ姉さんに言った

あの人たちは、みんなそれぞれの世界で、ミナホ並みに怖い人を見てきているからねだから、普通の人みたいに、怖がったりはしていないよ

ああ芸能界でも、それなりに活躍している2人と

格闘技の世界に身を置いてこれまた、それなりに実績の有る人たちだもんな

普通の人たちよりは規格外の人間に慣れている

でも、今晩中にやらないといけない仕事があるのよ古くからのお客様に新しい娼館のご案内のお手紙も書かないといけないし

業務再開のお知らせは娼館主のあたしが、お一人お人のに手書きで書かないと失礼に当たるわ

娼館の再開の準備は着々と進んでいる

そうじゃあ、また後で顔を出してよミナホ、今夜はこっちに泊まるの

ええ、あっちは今日は珠代さんが、引退したお姉様たちと一緒に新人の子たちの面倒を見て下さっているわ今頃、みんなであたしの悪口でも言って盛り上がっているんじゃないかしら

苦笑して答えるミナホ姉さん

そうかなむしろミナホが娼館の娼婦を守るために、どれだけ闘って来たかを話してくれていると思うよ

マルゴさんはそう言うと

今夜は来てくれてありがとう、ミナホ

笑顔でミナホ姉さんに礼を言う

妹のお祝いのパーティなんだから、来ないわけにはいかないわよ

ミナホ姉さんは少し照れた声で答えた

娼館再開の追い込みの忙しい時にわざわざ、戻って来てくれたんだ

アメリカでミナホがあたしを拾ってくれたからあたしは夢を見ることができたんだ感謝しているよミナホ

あなたは才能のある子よあたしと出会わなくなって、きっと成功していくわよ

ミナホ姉さんの言葉に、マルゴさんは首を振って

違うよミナホに会えなかったら、あたしはまだアメリカの田舎の養護施設の中に居るよそして暗くて思い過去から、一歩も抜け出せないまま、あそこで干涸らびていたと思う

それこそ、あなたの誤解よマルゴあなたは、あなたが思っているよりもずっと強いわ今だってあたしが手伝わなくても、ちゃんと着実に自分の計画を進めていってるじゃない

マルゴさんは香月家の力だけでなくミナホ姉さんの力も借りていない

寧と2人でアメリカ進出の夢に向かって突き進んでいる

そうだよあたしたちは、手伝ってはもらわないよこれは、あたしたちの夢だからミナホはミナホで、今、やらなくてはいけないことがあるんだし自分のことは自分でやるさ

マルゴさんは笑って、そう言う

それでもあたしたちは、いつも、ミナホに力を貰っているんだよミナホを身近に感じ入るんだ

あたしを

不思議そうにマルゴさんを見るミナホ姉さん

そうさ格闘技興行のためにスポンサーを口説きに行く時とかさ面談の前に、寧と一緒に話しているんだこういう人を相手にする時は、ミナホならどうするんだろうっていつも

それで作戦を立てていくけれどあたしは19歳で、寧は18歳だよ20歳も30歳も年上のオジサンたちに色々と言い負かされそうになった時にはさまた、ミナホなら、こんな人には絶対に負けないはずだって自分に言い聞かせて必死で食い下がるんだよ

フフッと、小さく笑う

あたしや寧の心の中にはリトル・ミナホが住んでいるんだよねそして心の中のミナホが、何か困ったことに直面する度にいつもあたしたちのことを叱咤激励してくれているんだどんな時でも、心の中のミナホがあたしたちと一緒に闘ってくれているとっても心強いんだよ

だから、ありがとうミナホいつも、あたしたちの心の中に居てくれてあたしたちの姉になってくれて、ありがとうあたしたちにたくさんの素敵な家族をくれて、ありがとうミナホが居てくれたからあたしは、ちゃんとやっていけている頑張れているんだよありがとう

ば、馬鹿なこと言わないでよあたしなんかが心の中にいたら、小うるさくって溜まらないわよとにかく仕事してくれるわ優勝、おめでとう

マルゴさんにそう言うとそのまま立ち去って、食堂の外へ歩いて行く

うーんミナホお姉ちゃんは、相変わらず照れ屋だねぇ

いつの間にか横から見ていた寧が退室していくミナホ姉さんの背中を見て、クスッと笑った

でも良かったね来てくれてっ

寧もミナホ姉さんが今夜のパーティに来てくれたことが嬉しいらしい

良信くんもありがとう

オレは礼を言われるようなことは、何もしていない

君と出会って、ミナホは変わった昔のミナホならパーティの最初の乾杯だけ付き合うなんてことすらしなかったよ

そうだよねぇ暗い部屋で、あたしたちが楽しんでるのを監視カメラで眺めながら次の悪巧みの準備をしていたよねぇ

ヨッちゃん、後でミナホお姉ちゃんに食べ物を差し入れしに行ってよ今すぐじゃなくていいから

そうだな後で、パーティの料理をお皿に乗せて運んであげよう

オレが返事をすると寧は、食堂の中を見渡して

さてさて皆さんのご歓談は、どんな感じかな

オレも、部屋の中をぐるっと見てみる

もっと盛った方がよろしいでしょうか

栗宮さんと御厨さんは、料理のテーブルのところに張り付いてみんなに給仕している

あの槍姉妹は人間ができすきているよね

ヤッちゃん槍姉妹って

レズっ子なら百合姉妹なんだけれどあの子たちに、そういう雰囲気は無いからどっちもノンケっぽいんだよねぇそんで槍っ子なんでしょだから槍姉妹槍マンとかじゃないんだから良いでしょっ

あなたたち、そこは代わるわお食事して、みんなとお喋りして来なさい

克子姉が槍姉妹に言う

いえわたくしたちは

皆様のために、ご奉仕する立場でございますから

ああオレの女の末席がどうとか言ってたな

でも、まだそういうことになったわけではないんだから

今夜は、あなたたちもお客様なのよ

いえ、わたくしたちの覚悟はできております

わたくしたちにできることは何でもさせていただきたいと思っております

はぁぁ参ったな

アニエスちょっと来い

オレは、アニエスを呼ぶ

アニエスが、パタパタとオレの方へやって来る