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グレース・マリンカさんは強い眼で、そう言う

あたし子供の頃から、ずっと力が有り余っていたこの力で、思いっきり誰かと戦ってみたかった叩いたり、ブン投げたり吹っ飛ばしたりしてみたかったでもあたしが本気を出すと、みんなに大ケガをさせてしまうから

この人も見た目は美人だけれど

身体は引き締まって、ガッシリとしている

プロレスなら思いっきり身体を動かせると思ったあたしと闘える相手が居ると思ったでも

ああダイナミック・プロレスリングじゃくっだらないアングルがあるもんね

ミミさんアングル

今日の試合は、こいつに勝たせるとかわざと客の前でケンカさせて、遺恨を作るとか上の人たちが、馬鹿馬鹿しいストーリーを考えて選手たちに演じさせてるんだもんね

あたしは演技とかできないそういうのは苦手

グレースさんは器用な人じゃなさそうだもんな

しかも、明日の明後日も、その次の日もずーっと、全国を回って試合するから本気で戦うなって言うケガしないように、気を付けて戦えってそんなのつまらない心が燃えない

グレースさんは、そう言うと

昨日の格闘技大会の方が面白かった楽しかった

ま、うちらは力をセーブして戦えとかは言わないしな

むしろわたしたちだって全力で戦うことを望んでいるし

ポロンさんとルドルフさんが微笑む

あそこはもう嫌だプロレスはもういい

ああダイナミック・プロレスリングが合わなかったんだね

海賊大王とか、現役の頃からとにかく手を抜くタイプのレスラーだったもんね節制しないから、身体もぶくぶくだったしダイナミック・プロレスリングの他の経営陣たちもどっちかっていうと、そっちのタイプの人ばかりだもんね

現役時代にパッとしなかった人が女子レスラーを集めて、偉そうにしていることが問題なのよ

男のプロレスラーを集めないあたりが嫌やわ女なら騙せるっていう考えだったんでしょうけれど

..ルドルフ聖子さんとポロンさんがそう言う

でも、グレースちゃんあんた、これからどうするの

そうやわどこ行くか決めてるん

今夜、泊まる場所とかあるの

口々にグレースさんに尋ねる

決まってない昨夜はマンガ喫茶に泊まった

それは良くないな

グレースさん実家はどこなん

故郷は島鹿児島と沖縄の間でも、実家はもう無い

家族はいないの

今まで黙っていたライン晴子さんが尋ねる

もういないあたしだけ

じゃあホントに行くところが無いのね

それで帰れる実家も無い

でも、ダイナミック・プロレスリングには帰りたくないんよね

ルドルフさん、晴子さん、ポロンさん

だけど抜けさせてくれないかもしれないよダイナミック・プロレスリングと繋がっているヤクザたちが、グレースちゃんのことを捕まえようとしているかもしれないし

そうねグレースさんなら、レスラーとして稼ぎが期待できるでしょうからヤクザは手放したいと思わないでしょうね

うーん、困ったわ

昨日の大会でも目立ってたからグレースちゃん、ファンも増えていると思うし

Darlingグレースのこと、何とかしてあげてネ

イーディが、オレに言う

ソウヨDarlingなら、全部解決できるネ

ニコッとイーディが、微笑む

オレは改めて、グレースさんを見る

この人はオレの家族ではないからこのまま、このお屋敷に泊めてあげるわけにはいかない

メグ、グレースさんには今夜は、オレたちの家に泊まってもらおうか

オレにはお屋敷に隣接する敷地に、メグと暮らしている設定になっている家がある

そこにはメグの部活の友達や、オレのクラスのやつらが来ることもあるから生活用品は何でも揃えてある

寝室にはベッドもあるしバスルームも、ちゃんとお湯が出る

グレースさんに泊まってもらうことは可能だ

いいだろ、メグ

ええ、いいわ

メグは、笑顔で許可してくれた

それからダイナミック・プロレスリングから、問題なく足抜けしてヤクザにも狙われないようにする方だけれど

ミナホ姉さんに頼むか

裏社会の人に話をつけてもらって

いやこういうことは、ミナホ姉さんよりもむしろ

工藤さんてまだ、お屋敷の中に残っているかな

中国史には宇宙大将軍を本当に名乗った人がいたらしい

6世紀の南北朝時代に

最近知った

あと、昨日ペルシャの歌に合わせて、グレートマジンガーの歌詞で歌うと書きましたが

逆でした

グレートマジンガーの音楽に合わせて、ペルシャの歌詞で歌うが正解です

(昨日の文は直しました)

風呂入りながら、歌ってみて気付きました

30年前のオタク芸です

1260.余韻 / 電話と名前

おーし、話はだいたい判った

食堂に戻って来た工藤父は

ほんじゃ、ちょっくら行って来るわ

ちょ、ちょっと何処へ行くつもりなのよ

工藤遙花が、父にそう言うと

だからダイナミック・プロレスリングのケツ持ちをやっているヤクザを捕まえてそれから、病院送りにしちまった会社のオッサンたちにも会ってくりゃいいんだろ

あんたが会ってどうするのよあんたみたいな、訳の判らない私立探偵なんて相手にされるわけがないでしょ

工藤遙花は、父の本当の仕事を知らない

そうかなオレが一生懸命お願いしたら、全て丸く治まるような気がしてるぜ

工藤父は、グレース・マリンカさんを見て

とにかくその子の契約を解除するようにお願いすりゃいいんだろ後、オッサンたちをケガさせたことについて、訴えたりはしないようにってこともオレが、よーくお願いしてくるからよ

お願いという名目で脅すのか

バカなこと言わないでよあんたみたいな人に何ができるって言うのよ

工藤遙花は、文句を良いながらも父のことを心配しているらしい

ちょっと何で、この人にこんなことを頼むのよこの人は馬鹿なんだから無茶なことをして、おかしなことになったらどうするのよ

遙花は工藤父を呼んだ、オレを責める

おいおい、遙花お前は心配しすぎだってのオレは大丈夫だからよえーと、確か、ここの屋敷の中からは携帯は使えないんだったよな

工藤父は、克子姉に振り向く

ええ外部にお電話なさるんでしたら、これを使って下さい

克子姉は部屋の内線電話を、外部と通話できるモードにする

おお、了解了解だから、遙花、そんな顔してんじゃねぇよオレはよダイナミック・プロレスリングとつるんでるヤクザの組長のことは、よーく知ってるんだよだから出掛ける前に、アポを取っておかねえとな

工藤父は、そう言うと黒スーツの内側のポケットから、手帳を取り出し