オレが知らないうちに栗宮さんたちは、どんどんみんなと親しくなっているみたいだ
わたくしたちは和菓子なら作れますが、パンは
ええ、パンは経験がございません
御厨くるみさんも、そう言う
じゃあ、克子ちゃんに習った方が良いですの愛ちゃんも、パンはお上手ですけれど人に教えるのは、苦手ですから
では、克子様わたくしとくるみに、お教えいただけますか
いいのかしら
克子姉はオレを見て、微笑む
栗宮さんたちを最終的に受け入れるかどうかの判断をオレはまだしていない
いいんじゃないかなこれだけ料理が上手な人たちなんだからパンの作り方を教えてもらっておいても、損ではないと思うし
オレたちの家族になるということとは別の問題として
でも、栗宮さんたちはお家にはお戻りにならなくていいの
みすずが心配そうに尋ねる
はい、今日は黒森家の皆様に、わたくしたちのことを理解していただきたいと思って参りましたから
制服と学校に持っていくものは明日の朝、栗宮家の車に届けていただくことになっております
栗宮さんたちは、そう言う
そして、そのまま栗宮家の車で登校致します
香月様のお車には乗せていただくわけには参りませんので
栗宮家は名家の中でも、家格が高いらしい
今は、この屋敷からは毎朝2台の車がみすずたちの送迎に使われている
美子さんと美智や可憐とハイジは毎日まり子とエリカは、週の半分、お屋敷に泊まった時だけ同じ車に乗っている
まり子やエリカは名家の人間でないし、可憐は現在公式には香月家に預けられていることになっているからそれで良い
わたくしが、香月家の車に乗せていただいて登校すると栗宮家が香月家の支配下になったと勘違いなさる方がいらっしゃるかもしれませんし
正式に黒森様の側室にしていただくことを公表するまでは他家の皆様が疑念を抱かれるようなことは避けるべきだと思います
栗宮さん、御厨さんは言う
2人の言っていることは、正しいと思うけれど
やっぱり何かを隠しているよなこの子たちは
あたしに任せておいて
パンの作り方を教えながら色々とお話してみるわ
と、栗宮さんは
わたくしたちのことでございましたらもうすでに
何もかも、お見通しの方がいらっしゃると思いますが
この人たちは、鷹倉神社の巫女のことも知っているから
自分たちの心が全て、読まれているということも判っている
そうだとしてもあたしは、ちゃんと自分の眼と耳でお二人ことを理解したいと思うわ
克子姉は笑顔で、そう言った
でもさ、克子お姉ちゃんがパン教室を始めちゃったらさ明日のパンの仕込みをする人が足りなくならない
お兄ちゃんは、とっても疲れていると思うから休ませてあげたいんだよね簡単な方のパンは、年少組の子たちに任せていいと思うけれど、難しい方は愛お姉ちゃんだけだと大変でしょ
愛は作業は決して遅くないんだけれど
パンを作っている最中に、新しいパンのアイデアとか何かが頭の中に閃いたりすると、動きが止まる癖がある
じゃあ、マナがパンの方に入りなさいよ後片付けの方の指示はあたしがするわ
今では克子姉、愛の次にパン作りが上手いのはマナだから
そうだね克子お姉ちゃんが、栗宮さんたちとお話したいのならマナが愛お姉ちゃんと難しい方のパンを作るよ
大丈夫だよオレも愛とパンを作るからさ
でも、お兄ちゃん疲れてるでしょ
そりゃ、昨日今日と連続で色んなコトがあったから身体はくたびれている
だからこそパンを作るんだよオレは、パン屋を自分の仕事にするんだからちょっと疲れてるからなんて理由で、仕込みを休んだりしちゃいけないんだ
ここのところ忙しかった日には、家族がパンの仕込みをやっておいてくれるなんてケースが何度あったけれど
そういうことじゃダメだ
だからオレが愛と作業するよ
わたくしも美子と、お兄様のサポートを致しますわみすずお姉様、お片付けの方をお願いできますか
克子姉、愛、マナの次にパン付きが上達しているのが瑠璃子だから助かる
桜子がオレの女になったことや、栗宮さんたちが来たことでみすずは、少し不安になっている
いいよ、いいよミィちゃんも、パン作りに行っちゃってっ
振り分けするよっ後片付けウサギさんチームリーダーがメグちゃんで、あたし、月子さん、ミタマちゃん、キヌカちゃん、エリカちゃん、茉莉花ちゃん、まり子ちゃん、カナちゃんもそっちに入って
名前を呼ばれた子が寧の右手に集まる
可奈センパイと茉莉花も今日はお屋敷に泊まるらしい
可奈センパイは、明日の朝、オレやメグたちと一緒に登校すればいいし
茉莉花はまたレイちゃんに送って行ってもらうんだろう
そう言えば、レイちゃんはスナッチたちの運転代行を、香月セキュリティ・サービスの部下に頼みに行ったから、ここにはいない
マルゴさんも、女子格闘家の皆さんを車で駅まで送って行った
パンの仕込みのクマさんチームはヨッちゃん、愛ちゃん、ミィちゃん、瑠璃子ちゃん、美子さん、マナちゃん、アニエス、ヨミちゃん、ルナちゃん、コヨミちゃん、ありすちゃん、可憐ちゃん、ハイジちゃん、エリちゃん&リエちゃん
部屋の中の少女たちが2つに分かれていく
それから、パンの初心者コースのキリンさんチームが克子お姉ちゃんが講師で、栗宮さんと御厨さんあー、桜子ちゃんとシエさんも、ついで習っておいてっ
寧ちゃん、真緒は
真緒は何をしたらいい
真緒ちゃんは渚さんと寝る準備ていうか、もう寝る時間でしょ
えー、パパとお風呂に入りたーい
ダメよ、真緒パパ、これからお仕事なんだから
オレがパンの仕込みを終わらせるまで待っていたら真緒ちゃんが寝る時間が遅くなってしまう
それに今日はパーティの準備に時間が掛かっちゃったから、真緒ちゃんの好きな大浴場の方はお湯が沸いてないよ
悪いけれど今日は、個室のシャワー・ルームの方で身体を洗ってくれるかな
えーパパと大きなお風呂に入りたかったのにぃ
大浴場は今から準備しても、入れるようになるまでに一時間くらいは掛かる
真緒ちゃん、明日は一緒にお風呂に入れると思うから
オレは、しゃがんで真緒ちゃんを抱き締めて言う
今日は小さい方のお風呂で我慢して
真緒ちゃんは、渋々納得してくれた
おい、雪乃お前、真緒ちゃんをお風呂に入ってあげてくれ
オレに急に声を掛けられて雪乃は驚いている
お前どうせ、何もやらないんだろだから
雪乃も母親になる準備をしている
真緒ちゃんの身体を洗ってあげたりするのも、良い経験になるはずだ
判ったわよあたしが面倒を見ればいいんでしょもうっ