雪乃ちゃんの面倒はあたしが見てあげるわ
渚がクスッと笑った
あたし、明日の朝は花市場へ行くから先に真緒と休むわ
そしてオレに言う
オレが渚とキスをすると
パパ真緒も
オレは、真緒ちゃんのほっぺたにもキスをする
ちょっと、あんた
雪乃が、オレを睨むから
オレは、雪乃にもキスをする
最後に、オオカミさんチームミッちゃんとイーディは、お屋敷の警戒システムの監視をしててっあたしたち、観てられないからっ
以上全員、自分の仕事は判ったよねっ
わたしは何をする
女子プロレスラーのグレース・マリンカさんこと尾上ジュンさんが言う
ああ、そうだこの人だけ残って、今夜は泊まるんだった
いや、いいよグレースさんは、お客さんなんだからさっ
そういうわけにはいかないわたしは色々と世話になってしまっているわたしにも何かさせて欲しい
グレースさんは、そう言った
警戒システムの監視は、ミチだけでもできるネ
ダカラ、ジュンはアタシと一緒に、仕事が終わったみんながすぐに入れるように大浴場の準備をしてるヨ
えーずるいー
今日は諦めなさいあたしたちは、雪乃ちゃんと小さいお風呂よ
渚が、優しく愛娘に言った
よーし、そんじゃあ全員、作業開始っ
寧の号令で、全員が動き出す
ウサギさんチーム洗い物は、あたしと月子さんと茉莉花さんでしますから寧お姉さん、食堂の方お願いします
メグが、運動部員らしくテキパキと指示を出す
クマさんチームは、2つに分かれるよ簡単な方のパンは、アニエスをリーダーにして年少組で作って難しい方は、お兄ちゃん、指示して
キリンさんチームは、あたしと一緒に来て基本的なことだけ教えたら、クマさんチームに合流して、簡単な方のパンを作るわ
克子姉が栗宮さん・御厨さんと、桜子・シエ2組の主従に言う
ジュン大浴場は、こっちネ
イーディが、グレースさんを連れて食堂から出て行く
じゃ、あたしたちも行きましょうみなさん、お先に休ませていただくわお休みなさい
じゃあ、みんな頑張ってねー
渚と真緒ちゃんと雪乃も退出して行った
いつの間にかミナホ姉さんが、食堂に戻って来ている
先に始めているよ
オレはパン工房に向かう愛たちにそう言うと、ミナホ姉さんの方へ走る
パーティの最初だけ顔を出してそのまま、別室へ行ってしまっていたけれど
久しぶりに、ここに帰って来たらあたしが居なくても、みんなが自立できているから安心しているのよ
オレはミナホ姉さんと、もっと一緒に居たいけどね
ここのところ新しい娼館のオープンのために、ミナホ姉さんはお屋敷を留守にしているから
もうしばらくはしょうがないわ
まもなく黒い森娼館の再開される予定になっている
それより明日から、うちの高校に新人娼婦候補生たちと月子さんとミタマさんを編入させるから
ああ聞いているよ
オレの高校はミナホ姉さんが理事長で、黒森家が裏から支配している
新しくなでしこ科という特別クラスを旧校舎に作って美里たち新人娼婦候補生と月子たちを通わせることになっている
美里も月子もミタマも高3だから半年だけの通学だけど
これで何とか高校を卒業することができる
マナちゃんたちを受け入れてくれる中学校は向こうの都合で水曜日からっていうことになったわ
マナ、ありす、キヌカ、エリとリエが通うことになる私立中学校
そっちも、マナたちのために特別クラスを作ってくれるらしい
エリとリエが毎週、雪乃のテレビに出ているからとりあえず芸能コースということにするんだそうだ
できれば編入日を揃えたかったんだけれどマナさんの書類とか、双子の子たちの書類は色々と手の込んだ偽造をしなくちゃいけなかったから
マナは白坂舞夏の過去を消すために、全ての経歴を作り直さないといけなかったし
エリとリエは両親が死んでいるし、オレたちの家に保護されている理由は明かせないからこれまた嘘の種類を作らなくてはいけなかった
でも、これで色々と動き出すね
様々な理由でこの屋敷に集まった少女たちが
今度はこの屋敷から外部の世界と接触していく
そうね止まっていた時間が、動き出すわ
生まれてからずっと12年間、この屋敷の中に囚われていたアニエスや
5月の連休から、ほとんどの時間、お屋敷の中に居たマナにとっては特にそうだろう
新しい人生が始まる
そうだ工藤さんからも連絡があったわグレース・マリンカさんの契約無事に解除できたそうよ
これで彼女は自由になった
マルゴさんたちと、問題なくアメリカ遠征に行くことができる
そっちは年末か
うん、判ったありがとうじゃあ、オレも一仕事してくるよ
オレは、ミナホ姉さんに微笑む
無理はしないでね名家の方は、香月様や歌晏様がこれ以上、あなたを利用しないようにあたしの方からも働き掛けておくわ
それはありがたいけれど
でも、栗宮さんたちと桃子姉ちゃんのことは、すでに始まってしまっている
ま、なるようにしかならないから頑張れるだけ頑張るよ
オレには、そうするしかない
いつでも、自分のできることを精一杯頑張るだけだ
オレはミナホ姉さんの細過ぎる身体を、抱き締める
なあに、どうしたのよ
んミナホ姉さんも、無理はしないでね
オレは抱き締めたままミナホ姉さんの背中を優しく撫でる
ありがとう良信
ミナホ姉さんは、オレの耳にそう言う
黒森公も、黒森良信もどっちも、オレなんだけれどでも、良信の方が気が楽だよ
黒森公は名家との関係や、裏社会との関係があるから
良信の方はただのバカな高校生のままでいられるし
あなたには苦労ばかりさせているわごめんなさいね
いや、オレは好きでやっているんだよミナホ姉さんが謝ることじやないってば
オレは、そう言ってミナホ姉さんから、身体を離す
そろそろ行かなきゃ
そうねあたしも仕事に戻るわ
オレたちはキスをしてそれぞれの仕事場に向かうことにする
ところで良信今夜は誰とセックスするの
昨日も、今日も自分でも驚くぐらいセックスしているんだよな
通常通りのスケジュールなら、セックス当番が決まっているはずなんだけれど
イレギュラーなできごとが起きたから、当番表も変更しないといけない
寮生活で土日しか、このお屋敷に来られない茉莉花の相手もしないといけないし
新しく家族になった桜子のこともある
これから考えるよ
オレは苦笑してミナホ姉さんに答えた
次話でセックスシーンをやって、この章は終わりですふー