そうよあたし個人は別に、あなたたちに迷惑を掛けられても構わないけれどあなたたちには、年下の妹たちも居るんですからね自分のせいで、妹たちが泣くようなことになるのは嫌でしょ
克子姉の言葉に、アニエスが
その通りですのアニエスのせいで、真緒ちゃんが悲しくなるのは困りますの
この場で一番年下のアニエスですら自分より幼い真緒ちゃんのことを心配している
そういうことよだから、慌てないことあたしたちにも、色々と相談してくれていいんだからねあなたたちにはお姉さんズも居るんだから活用なさい
それから、ずっと黙ってオレたちの会話を聞いていた栗宮さんと御厨さんを見て
お二人もね本当なこの人の側室になるんなら、みんなにちゃんと話してくれないと困りますあたしたち全員にも影響するんですから
そのようですわね
栗宮さんは、真面目な顔でそう言った
さてとこの話は一旦終わりねまずは、それぞれ、ゆっくり考えてねそれじゃあ今からファッションショーが始まりまーす最初の子出て来て
克子姉の言葉に月子が現れる
オレの高校の女子の制服を着て
あ、そうか明日から月子も、オレたちの高校に通うんだったよな
新しい娼館の新人娼婦候補生たちと一緒に
はいお邪魔させていただきますいかがですか
月子は、その場でクルッと一回転する
スカートの裾が、フワッと舞った
うん良く似合っているよ
いつもは大人っぽい月子だけど制服を着たら、やっぱり女子高生だ若さが輝いて見える
もう高校には通えないと思っておりましたが黒森様のお力で、高校を卒業することができそうです
月子は18歳の高校3年生だ
今から編入しても、高校生活は半年しか残っていない
それでも、高校へは通った方が良い
月子の高校時代は、今しかないのだから
はい、それじゃあ次の人、どうぞ
克子姉が、食堂の先の廊下に声を掛ける
そうだ、月子たちと一緒にオレの高校に編入されるのは
やっぱりミタマか
うん、ミタマも今年18歳だから、半年後には卒業だ
こうなったか
しかし
ミタマは、ギロッと大きな瞳でオレを睨む
いや、何で月子はちゃんと女子の制服を着ているのに、ミタマはさ
ミタマは何故か男子生徒と同じ制服を着ていた
詰め襟にスボンの学生服
いや、完全に同じではない
ミタマの着ている男子の制服はオレのとは色違いの真っ白な学生服だった
白い学ランに雪乃のテレビ番組でも持っていた、日本刀を鞘ごと持って来ている
どうして、こうなったんだ
それは寧お姉様が
オレは、寧に振り向く
だって、ミタマちゃんならさ普通に女子の制服もあるんだけれどそれでも、こっちの方がインパクトがあって面白そうじゃん
インパクトのためにミタマは男装して、学校へ通うのか
ちょっとミタマちゃん、そのまま大衆はブタだって言ってみてっ
寧は、ミタマにそんなことをリクエストする
クッ大衆はブタだぁッ
そして、またミタマが、言われた通りに素直に演じるし
ねー、面白いでしょっ
いやまぁ
確かに面白いとは思うけれど
女の子に学生服っていうのは
あ、そうだ一応、ミタマさん用に普通の女子の制服も用意してあるから校内セックスの時は、そっちに着替えてもらって
やっぱり、スカートじゃないと学校の中ではセックスし辛いもんねっ
いや、あのえーと
いいか
何かミタマは白い学生服が気に入ったみたいだし
ということでファッションショーは終わりよ
克子姉が、笑顔で言う
今日も減ページで済みません超、眠いです
ゲームの会社私が特別寄稿で今までの経緯を公表していること
まだ気付いていないようです
凄いですよね
ゲーム化のオファーをしておいて、しかもトラブルになっていて
現在、作品がどうなっているのか社の人間がまったく調べてないということですから
ちゃんと社名とか判らないように書いていますが
判る人には判ってしまうはずなのに
特に、今後もノクターンの作品をゲーム化していくつもりなら
こういうことで悪い評判が立つのは避けたいと思うはずなんですけれど
1266.恋の鞘当て / 根深い問題
・グレース・マリンカ/21歳女子レスラーぽややんとした性格尾上ジュン
さあ、みんなアイスクリームを食べたんだから、しっかり歯を磨いて寝なさい
克子姉に言われてオレたち、風呂→アイスのパジャマ組は、ゾロソロと洗面所に行って歯を磨くことになる
ここは元・娼館だから各自の部屋に風呂とトイレと洗面所は付いているけれど
同時に娼婦たちの合宿施設でもあったのでみんなで、一斉に顔を洗うことのできる大きな鏡の洗面所もある
昭和の頃ここが黒森楼と呼ばれていた頃は、娼婦のほとんどが田舎から買われてきた若い娘だったから
みんなで、和気藹々とできる場所も必要だったんだと思う
ホラジュンには、お客さん用の使い捨て歯ブラシがあるネ
イーディは、グレース・マリンカさんの世話を続けている
グレースさんは、相変わらずの無愛想な表情で歯ブラシを受け取っていた
オレたちも、それぞれ自分の歯ブラシを取り出す
はーい、みんな歯磨き粉は付けましたのまだの人には付けてあげて下さいですのっ
アニエスが、一列に並んだパジャマの少女たちに言う
オレの歯ブラシには、瑠璃子が歯磨き粉を付けてくれた
それでは、みんな歯ブラシ開始ですのっ
アニエスの号令と共に、は一斉にシュカシャカと歯を磨き始める
もちろん、グレースさんもだ
真顔で真剣に歯を磨いている
正直オレには、この人は今1つよく判らない
さっきの食堂でのオレたちの話も無言で聞いていたし
ここの屋敷に居る人間の関係性とか疑問に持たないんだろうか
変な集団だとは思っているんですけれど別にどうでもいいって感じてるみたいです
ルナがオレのところに来てそっと囁く
オレの心を読んでグレースさんのことについて報告してくれる
あの人は本当に強い人と闘うことにしか興味が無いんですでも、それはあの人が野蛮で凶暴だからじゃなくって
ルナは、巫女の力でグレースさんの心を探っている
昔とても悲しいことがあってそれ以来、強くなることしか考えないようにしているみたいです自分の周りとの人たちとも、できる限り交流しないようにしていて
それだけ判れば充分だよ、ルナ
グレースさんの抱えている過去の悲しいできごとまで覗き見してはいけない
イーディは何かしら気付いているんだと思うだから、ずっとグレースさんに張り付いているんだろうしあの人のことは、明日以降にしよう