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「それで解体武器がどうしたんだい?」

「ああ、俺が使っている武器なんだ。そうか特定種族に特化の武器か……」

「なるほどね。絆は本当に珍しい事が大好きなんだ」

「まあな」

「それじゃあ、この数だ。合計6000セリンでどうだい?」

「そんなにか?」

当然の様にアルトは言ってのける。昨日は8000セリンが全財産と話していたが、俺がのんびりしている間に随分と稼いだみたいだな。

「料理スキルは時間が掛かるでしょ。時給換算だとこんなものだよ。それに量も多いし、現在の相場だと少し安い位だからさ」

安く仕入れて安く売る。昨日言っていた転売方法か。

なら良いだろう。NPCに売るよりも遥かに高額だしな。

俺は交換承諾の項目をOKを選択して6000セリンを受け取った。

「毎度ありがとうございます。また売るアイテムがあったらいつでも呼んでよ」

「ああ、次も頼む」

さて、俺はアイテム欄にある残った空き缶を眺める。

正直137個あっても困るだけなんだが。

NPCに見せても1セリンと5セリンだった。

違いはアルミニウムとスチールだ。

待てよ? アルミとスチールか。

「なぁアルト。もう一つ聞きたいんだが空き缶って今どれ位で売れる?」

「空き缶かい? 残念ながら捨て値だね。店売りした方が良い位だよ」

「そうか……気になるんだが、空き缶ってアルミとスチール、だよな?」

意味のある様に、声を低くして告げるとアルトはハッとした顔した。

「…………なるほど。溶鉱炉でインゴットにできるかもしれないのか!」

「溶鉱炉なんてあるのか」

「うん。製造系スキルの中に鉱石を溶かしてインゴットにする奴があるんだ」

「じゃあこれでできるかは分からないが調べてもらえるか? もしも本当に溶かしてアルミや鉄になるなら沢山あるからさ」

再度交換ウィンドウを開き、俺はアルミとスチールの空き缶を5個ずつ渡す。

ゴミの空き缶が何かの役に立つなら安い出費だ。

仮にインゴットに出来なかったとしてもはした金、あってない様なもんさ。

「絆、ありがとう! もしかしたら凄い儲け話かもしれない!」

「ああ、もしも当たっていたら俺にも一枚噛ませろよ」

「もちろんさ! じゃあ急いで真相を確かめてくるよ!」

水を得た魚の様にアルトは元気に手を振りながら走り去っていった。

きっと一時間もしない内に真相を知らせてくれるだろう。

「金が大分増えたな。何か装備品でも買うか」

武器はもしも鉄になるとしたら情報料ついでに作ってもらうとして防具か。

現状明らかに戦闘スキルは皆無なので軽い衣服で良いと思う。

靴は……長靴、履けるか?

アイテム欄から長靴を取り出す、そして今付けている初期装備の靴を脱いで長靴に足を突っ込んでみた。

「まさか本当に装備できるとは……」

ここに長靴幼女が誕生した。合羽と黄色い傘があれば完璧だな。

冗談はさておき、防具屋か服を売っているプレイヤーでも探そう。

俺は長靴を履いたまま辺りを歩き始めた。

その後の話をしよう。

俺の勘は見事に的中し、空き缶はアルミニウムとアイアンのインゴットになった。

アルトと鍛冶スキルの人は情報を秘匿。俺は密かに釣りで空き缶を釣りまくり、気付かれない様に渡すという行動を繰り返す。

そうして三人で荒稼ぎしていたが五日後、ついに鉄鉱石が取れる場所が見付かった。無論空き缶から作られたインゴットの品質はあまり高くないので自然と儲けは減り始め、空き缶商法はアルトと相談の後、解散となった。

ともあれ空き缶商法でスタートダッシュするには相応のセリンを稼いだのも事実。

アルトとはその縁もあってフレンド登録までした。

「また儲け話があったらよろしく頼むよ」

なんて言っていたので相当気に入られたのだろう。

尚、理由は不明だが空き缶は夜にしか取れない。

後にアイアンの下落と共にアルトは情報を公開。やがて金銭的に困る釣りスキル持ちと溶鉱炉を使える鍛冶スキル持ちが行なう金策の一つとして使われていく事になる。

復讐と成果

「さて、そろそろあの魚に復讐する時だ」

空き缶商法で荒稼ぎしていて忘れていたが俺の目的はあくまで『ぬし』を釣り上げる事。間違っても空き缶を釣る作業ではない。

エネルギーやスキルも一週間で相応にランクアップした今ならばもしかしたら釣れるかもしれない。一応ステータスを確認する。

名前/絆†エクシード。

種族/魂人。

エネルギー/6340。

マナ/150。

セリン/148540。

スキル/エネルギー生産力Ⅵ。

マナ生産力Ⅳ。

フィッシングマスタリーⅢ。

解体マスタリーⅡ。

元素変換Ⅰ。

エネルギー生産力Ⅵ。

毎時間2000エネルギーを生産する。

ランクアップに必要なマナ2600。

マナ生産力Ⅳ。

毎時間50マナを生産する。

毎時間エネルギーを1400消費する。

ランクアップに必要なマナ3200。

フィッシングマスタリーⅢ。

釣竿を使った全ての行動に30%の補正を発生させる。

毎時間エネルギー400を消費する。

ランクアップに必要なマナ400。

解体マスタリーⅡ。

解体武器を使った全ての行動に20%の補正を発生させる。

毎時間エネルギー200を消費する。

ランクアップに必要なマナ200。

元素変換Ⅰ。

アイテムをエネルギーに変換する。

消費エネルギーが生産量と同じだが元素変換Ⅰのお陰でギリギリ+になる。

マスタリースキルは獲得アイテム数でランクアップ条件が開く。

フィッシングマスタリーは釣った魚の数。

解体マスタリーは解体で手に入れたアイテムが1000個を超えたら出た。

Ⅰは比較的に少ない量だがⅡからガクンと増えてフィッシングマスタリーは100匹、500匹、1000匹と増えた。解体マスタリーの方も同じく相応に増えていく。

アルトから聞いた話では戦闘系のマスタリーは該当武器で倒したモンスターの数らしい。

そして俺と同様、気付いている奴が公言しないのか、実際に知らないのかは不明だが解体武器は相手にあった武器を使うと特別なアイテムが出る、という噂が広まった。